直島、という名前はノルウェー人から聞いて初めて知った。直島に行きたいけどどうやって行けばいい?と言うので、どうしてそんなところへ?と聞くと、David Sylvianがインスタレーションをやったそうで、一度そこへ行ってみたいとのこと。

それから随分経って、初めて島を訪れることになった。この安藤忠雄の設計したホテル兼美術館ベネッセハウスの別館「オーバル」(1995年)を目の当たりにして、魚眼レンズを持ってこなかったことを大変後悔。もちろんフルサイズのカメラもなし。夜も朝もあちらこちらから立ったり座ったり、建物の上に上がってみたりしたが、どこからどう撮っても開口部が収まりきらない。

写真はさておき、あちこちから眺めてみたおかげでこの建物の面白さがよくわかった。円形でなく楕円で、客室の扉が等間隔に配置されていないため、どこから見ても安定しきらない。けれど決して不安定でもなく、リズムさえ感じられる。

この写真は朝6時半に撮ったもので、光が横から射しているため、開口部の影は壁に映っているが、陽が上がると影の落ち方も変わるだろう。夜は照明が入り、空には月や星が輝く。

シンプルだけれど、思いの外表情豊かな建物だ。

2011-05-06 / ベネッセハウス (香川県香川郡直島町) / Nikon D300 / 14-24mm F2.8 / 14mm / F9.0 / 1/20s