寒立馬(かんだちめ)と呼ばれているそうだ。胴体は丸く、足が太くて短く、見るからに頑丈そう。そしてやたらに人慣れしていて、気がついたら人間の方が数頭の馬に取り囲まれて舐められそうになったりする。

寒波が東北を制したこの日、本州の最北端近くの放牧地というか雪原は暴風雪。屋外で馬を追って写真を撮るのはかなりの苦行。それでも、馬の持つなんとも言えない穏やかで力強い雰囲気に魅せられ、日没まで撮影に熱中した。

20頭あまりの馬の中には一回り小さい子馬もいて、周りの馬と同じように雪面を掘り返して草を食んでいたのに、ふと母馬に甘えるように乳を吸い始めた。母馬も子馬も綺麗な毛並みの上に雪を載せている。日没前の青い光の中、その光景は崇高なものに思えた。

2017-02-02 / 青森県下北郡東通村尻屋崎 / Nikon D4 / 70-200mm F2.8 / 200mm / F3.5 / 1/160s