南京錠が柵にたくさんつけられている場所は世界中にいくつもあり、ノリとしてはここも同様で南京錠の代わりに十字架だが、精神面ではこちらはもっと深い。

周辺には街がなく、12km南にあるシャウレイからタクシーで乗り付け、運転手さんに待ってもらい、見て回ってまたタクシーに乗ってシャウレイに戻る、というのが私が行った当時の唯一のルート。観光客的に見に来る人はそれなりにいたし、新しい十字架を建てることも自由だが、観光バスで押しかけ、というようなことは皆無。むしろ多くの人は、この場所が具体的に形にしている、リトアニアという国が持つ歴史に祈りを捧げるように、静かに十字架の大群の中に歩みを進めていく。

私が滞在したごく短い時間に、合唱を捧げた年配の方のグループとボーイスカウトのグループがいたのがとても印象的だった。

2009-07-07 / “Kryžių kalnas”, north of Šiauliai, Lithuania (リトアニア・シャウレイ近郊) / Nikon D300 / 24-70mm F2.8 / 24mm / F9.0 / 1/640s