10年前の北京市中央部。急激で過剰な近代化により驚くような高層ビルがそびえるが、一筋裏の通りに入ると数十年どころか前の世紀のままではないかと思うような光景が広がる。幅が広すぎて渡れなさそうな幹線道路が整備されているが、人々の足はもっぱら自転車であり、交通ルールは守られていないに等しく、さすがに人口過多な国、1人や2人轢かれても気にしないんだろうとすら思われる。

北京の医大の建物は、時代劇から出てきたようなクラシカルな造りで、毛筆による看板が秀逸(この写真ではちょうど活字体のところが人で隠れている)。その前を通り過ぎる人にとってはただの日常。

北京協和医学院は1917年 (前身も含めると1906年) に設立された中国で最高峰とされている医大。ここは遡れば清の太祖ヌルハチの第15皇子の邸宅だった場所で、建物は1904〜1921年(清〜中華民国)に建設され、訪れた前年の2006年に中華人民共和国全国重点文物保護単位(重要文化財)に指定されている。約100年前の建築物にしては随分時代がかっているように感じられるのは、復古主義の影響を受けているからだろう。

2007-10-08 / 北京协和医学院 (中華人民共和国北京市) / Nikon D70s / 28-105mm F3.5-4.5 / 55mm / F4.2 / 1/800s