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The 41st Molde International Jazz Festival

18 July 2001

Krøyt / Fläskkvartetten
"Blå i Molde"; at Kulturhuset; 14:00
Krøyt:
Kristin Asbjørnsen (vo)
Øyvind Brandtsegg (vib, computer)
Thomas T. Dahl (g)
Magnus Torkildsen (lighting)
Atle Ramsøy-Halle(live video)

Fläskkvartetten:
Mattias Helldén (cel)
Sebastian Öberg (cel)
Jonas Lindgren (vln)
Christian Olsson (ds, prog, samp)

Krøyt のメンバーは上記で間違いないのですが、Fläskkvartetten のメンバーがよくわかりません。数曲で登場したトランペッターも??
※ 両グループともにアルバムが手元にないため紹介できません。すいません。

ノルウェーのKrøyt は3枚のアルバム(Curling Legs, BP, MNWというレーベルから1枚ずつ)リリース。一方スウェーデンのFläskkvartetten は英語名 "Fleshquartet" でのりリースも含め、既に9枚のアルバムリリースがある。
両グループとも全く聴いたことがないグループで、それでもなぜか興味を持ったので見に行ってみた。オスロにあるライブハウス "Blå" はジャズからテクノまで幅広いライブを行うところだそうだが、今回の会場はそれのモルデ・バージョン。コンサートシリーズとクラブシリーズがあり、それぞれ "5×5 konsert" 、 "5×5 klubb" と名づけられていて、それぞれ5回のコンサート、5カ国からのアーティストを意味している。今日のこのコンサートは "5×5 konsert" の1つ。

この日のファーストステージ、会場は満員、これ以前に観たコンサートとはちょっと違う客層。
ノルウェーのKrøyt は演奏をする3人のメンバーのファーストネームの頭文字をとったとおぼしきグループ。スウェーデンの Fläskkvartetten (英語名 Fleshquartet) は、カルテットといいつつ4人ではなかったり、ヴィオラのメンバーがいたり、時にはボーカルがいたりするそうだ。

さて、どちらのユニットがどの要素を持ち込んでいるのかよくわからないのだが、ヘビーなリズム(打ち込み有り、というより Krøyt は打ち込みのビートを使っているらしい)、メタル系がちょっと入ったエレクトリックギター(ちなみに速くはないタイプ)、電気仕掛けのビブラフォン、エレクトリックヴァイオリン、エレクトリックチェロ2台で相当な音圧。ダークでヘビーなバックに乗せて歌う女性シンガー Kristin Asbjørnsen はやや低めの声、結構パワフル、声量もある。小柄(華奢ではない)でセクシー、体を激しくくねらせてのパフォーマンスはインパクト大。ちょっとナルシスト系の入ったビブラフォン・プレイヤーは好みによるだろうが、電気仕掛けのビブラフォンは面白い。ギタリストは Krøyt の他のメンバーがパフォーマーであるのに対してヴィジュアル的には非常に普通のタイプ。Fläskkvartetten のメンバーは Krøyt のメンバー(全員30才以下)より多分年齢が高め。変わった編成のユニットだが、今回はヴァイオリンがなかなか効いていた。ビブラフォン奏者とともに今回ちょっと変わっていたのがトランペット奏者。結局名前も、どちらのユニットのプレイヤーかも不明、一部の曲のみ登場するのだが、なぜかほとんど横を向いたまま(?)。

全体的に曲はヘビーロック調。メロディーは割とポップ。なんとなく Krøyt のメンバーが目立っていたのだが、その Krøyt 、アヴァンギャルドなビデオクリップでMTVなどで人気とか。ライブの横でビデオを流すなど、かなりヴィジュアル重視だが、そのサウンドはなかなか楽しめたし、Fläskkvartetten のストリングス隊との顔合わせも面白かった。なかでも、Kvitretten (Curling Legs レーベルからアルバムを出している女性4人のアカペラグループ、今秋には3枚目のアルバムがリリース予定)のメンバーでもある個性的でパワフルで何かひきつけるものを持っているシンガーの Kristin Asbjørnsen 、それにかなりの実力者と思われ、今回のフェスティバルで話題の Erlend Skomsvoll の新しいユニット Skomsork (まだレコーディング作品はなし) のメンバーでもあるギタリスト Thomas T. Dahl は注目。

(2001/08/02)


Pat Metheny / Arild Andersen / Paal Nilssen-Love
at Forum; 21:00
Pat Metheny (g)
Arild Andersen (b)
Paal Nilssen-Love (ds)

"Sticks & Stones" Paal Nilssen-Love

左のラインナップを見て大抵「このドラマー誰?」と思われると推測されるのでそのドラマーの最近のソロ・レコーディングを。2001年後半からは、かのJazzlandレーベルからのリリースが続く (少なくとも3ユニットで登場)ので結構日本でも名前が知られるようになるかもしれない・・・。

このコンサート、同日夜9時からと11時からの2回あり、私はファーストセットのチケットを取っていたが、できればセカンドセットも観ようなどと思っていたら甘かった。フェスティバル開催前に2ステージともソールドアウト。150席というキャパシティーを考えると当然か。

会場となったFORUMというところは、ちょうどミニシアター系の映画館といった感じ。客席は急な階段状になっていて、ステージは最前列と段差なし。左からギター、ドラム、ベース。

ほぼ時刻どおりに開演。2人のベテランはにこやかに登場するが、26歳のドラマーは硬い表情のまま。最初の2曲は Pat Metheny の曲。それにしても首尾よく最前列ベースの真ん前に陣取ったにもかかわらず、ともすると目が(耳も)ドラムの方にいってしまう。この日の Paal Nilssen-Love のドラムセットは割と水平に並べられていて、椅子がかなり高い(足が長い?)。パーカッション的小物も多く、彼のスタイルもパーカッショニスト的手数の多さが特徴。出足は早めで、重くはないが強い音。右手の動きが特徴的で、機械のような素早い動きをみせる。

Pat Metheny、2日前の Trondheim Jazzorkester とのコンサートではスペシャルゲストといった感じだったが、この日のトリオは Pat Metheny がリードする。最初から結構とばしている。

2曲終わったところでようやく一息。ずっと硬い表情のままだった(演奏は最初からとばしていたが) Paal Nilssen-Love が2人のベテランとちらっと目を合わせ、表情を和らげる。何だか見ているこっちまでほっとする。Pat Metheny のMC。「今までずっと一緒にやりたいと思っていたけれど、それから20年も経ってしまって、ようやく実現した」とのコメント。「次の2曲は彼 (Arild Andersen) の曲で・・・次の曲はアルバムには入ってる?」 Andersen: 「"Hyperborean" に入ってるよ」 M: 「その "Hyperborean" から "Hyperborean"、で "A Song I Used To Play" は何かのアルバムに入ってる?」 A: 「え〜っと、何かのアルバムに入ってるよ (笑)」 P: 「(笑) じゃあその何かのアルバムに入ってる "A Song I Used To Play" を」・・・と和やか。

"Hyperborean" は Arild Andersen のループを使った幻想的な音を活かした曲で、オリジナルにはギターは入っていない。去年聴いた Terje Rypdal がギターを弾くバージョンは原曲のイメージにぴったりだったが、さて、これが Pat Metheny となると・・・などと思った瞬間、ドラムが入ってきて予想外の方向へ展開―細かい現代的なビートに乗ったやたらにかっこいい曲に変貌。メロディックで静かな "A Song 〜" に続いて "Question and Answer" (Pat Metheny に異常に疎い私でもさすがにこの曲は知っている)。この日一番の長尺の演奏となったこの曲は凄まじかった。とにかく Metheny のギターが熱い。とにかくもの凄い迫力で、まさしく弾きまくっているという感じだ。実はそれを煽っていたりするのが Paal Nilssen-Loveのこれまた凄いドラミング。ギターソロの後ろで叩きまくっているのだが、全くうるさくはない。合わせる、というより独自の発想のポリリズムで即興演奏をしているという感じのドラミング。Andersen のベースが大人しく聞こえてしまう程だ(他の2人がキレキレなので、Andersen はキレる暇もなし)。ベースソロの時は Nilssen-Love は、じっと Andersen の右手を見て叩いている。ドラムばかりになるが、ドラムソロがまた凄い。2人のベテランも楽しげ、というか頼もしげに聴いている。若いといえば若い演奏だが、ソロパフォーマンスやソロアルバムがある、というのが十分わかる、とてもひきつけられるドラムソロだ。

やたらに熱い "Question and Answer" の後は、クールダウンするようにアコースティックギターをフューチャーした静かな短い曲を1曲挟み、最後の曲はまたアップテンポな曲で盛り上がる。短いドラムソロを数回繰り返し、その間にインプロヴィゼーションを挟むところはなかなかテンションが高い。一番盛り上がったところでばちっとキメて演奏が終わる。3人とも満足そうな表情、観客も心からの拍手。再び登場し、アンコールはミディアムテンポの1曲。 Metheny のギターが本当に素晴らしい。

全く素晴らしいトリオだ。後で聞いた話によると、このトリオ、1時間半のリハーサルのみで本番に臨んだそうだ(1時間半のリハーサルで1時間半のステージがこのレベルでこなせるのか・・・)。Paal Nilssen-Love の堂々とした演奏―というより「度肝を抜かれた」と言ったほうが正確だが―と、叩いていない時のとても控えめな感じが若々しくほほえましい。Pat Metheny に関しては、抱いていた(私の勝手な)イメージを覆すような演奏だった(ちなみに2日前はそうは思わなかった)。Arild Andersen は意外にも大人しめだったが、とても個性的なベーシストであることを再認識。

ところでこの日のコンサート、どうも録音していた様子だったので、ライブアルバムとしてのリリースを本当に期待。

(2001/08/04)


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