Sidsel Endresen
(vo, voice) Norway
last updated: 7 February 2006
as a leader:
Undertow / Sidsel Endresen (2000; Jazzland; 548 195-2)
Sidsel Endresen (vo)
Patrick Shaw Iversen (fl, loops)
Roger Ludvigsen (g, b, per)
Audun Kleive (ds, per, loops)
Bugge Wesseltoft (key, per)
Nils Petter Molvær (tp)
Jazzlandからの初めてのアルバムとなる本作は、現在のノルウェーの新しい音を代表するような顔ぶれです。但しBugge Wesseltoftは2曲のみ(キーボードとパーカッションでそれぞれ1曲ずつ)、Nils Petter Molværも2曲のみの参加。アンビエントなサウンドは北欧の(冬の)弱い太陽の光を思わせます。ループ多用で、もちろんエレクトリックな音なのですが、意外なほど作りこんだ感じも人工的な感じもあまりありません。また、ビート/パーカッションの効いた曲がところどころにあり、静かな躍動感も見せます。Sidsel Endresenの歌は独特ながらもナチュラルで、まっすぐにこちらに飛び込んでくるようです。Nils Petter Molærの2000年のアルバム"Solid Ether"では2曲Sidsel Endresenが参加して、その独特の雰囲気をアルバムに持ち込んでいましたが、本作では最初の曲と最後の曲でフューチャーされるNils Petter Molvaærのハスキーな音色の控えめな、けれど素晴らしいトランペット・ソロでアルバムにアクセントをつけています。ところで、日本盤はタイトルトラックのリミックスバージョンを最後に収録。これはJazzlandらしいクラブ系。アルバムを通して聴くときはこの曲は外すべきです。 (2001/04/04)
Exile / Sidsel Endresen (1994; ECM 1524)
Sidsel Endresen (voice)
Django Bates (p, tenor horn)
Nils Petter Molvær (tp)
Jon Christensen (ds, per)
Jens Bugge Wesseltoft (key)
David Darling (cel)
このアルバムのSidsel Endresenの歌は前作より何だか優しげで、少し寂しそうな雰囲気さえ漂わせている曲もあります。他の楽器の音も少し柔らかい音のような気もします。また、歌に加えて、詩の朗読風のものもあります。メンバーは前作からの4人と、これ以降のSidsel Endresenの音楽のキーパーソンとなるBugge Wesseltoft、それにチェロのDavid Darlingが参加しています。David Darlingのチェロは前作からの音に動きと幅を与えていて、一方のBugge Wesseltoftはオルガン、アコーディオン、キーボードやマリンバなどでかなり異質なものをこのアルバムに持ち込んでいます。作曲面ではこのアルバム以前に共に活動していたギタリストJon Ebersonの曲が3曲あり、その内の1曲ではNils Petter MolværのトランペットとDjango Batesのテナーホルンによるユニークなアンサンブルも聴くことができます。また、Sidsel Endresen自身による2曲−最初と最後のトラック−特にタイトルトラックである最後の1曲にとても雰囲気があります。静寂から動き始める瞬間の小さなドラマがアルバムのあちこちにあります。 (2001/04/03)
So I Write / Sidsel Endresen (1990; ECM 1408)
Sidsel Endresen (vo)
Nils Petter Molvær (tp, flh, per)
Django Bates (p)
Jon Christensen (per)
Sidsel Endresenの歌は結構強いイメージがあります。楽器のような声を出すジャズ・シンガーは多いですが、この人の場合、その独特の、美声とは言い難い低めの声で、表現しようとしている物を絞りだしてくるかのようです。本作はDjango Batesのリリカルなピアノをバックにその独特の歌、そしてすこし後ろにJon Christensenの空間を強調するパーカッション、そしてNils Petter Molværの抑制された素晴らしいソロが入ります。静寂を音にしたかのような音楽と強いイメージを与える歌のバランスが見事です。Sidsel Endresen自身による英語の歌詞も独特の言葉使いで、英語が母国語でないことも相まって、耳に歌詞の端々が残ります。注目すべきは作曲者のクレジット。全8曲中2曲がDjango Bates、それ以外はJon Balkeが3曲、Audun Kleiveが2曲、Eivin One Pedersenが1曲。Jon Balkeが作った曲をDjango Batesが弾いている、というのも興味深いところです。Django Batesのピアノに関して言えば、自身のアルバムではその個性的な作曲・アレンジに最初に耳がいってしまいますが、ここではかえってピアニストとしての素晴らしさがよくわかります。 (2001/04/02)
as a co-leader:
Merriwinkle // Sidsel Endresen / Christian Wallumrød / Helge Sten (2004; Jazzland; 0602498650362)
Sidsel Endresen (voice)
Christian Wallumrød (el-key, ac-key)
Helge Sten (audiovirus, electronics)
人間の内側にあって、普段は決して表には出ない「何か」を形にしてみせるかのような Sidsel Endresen のボイスパフォーマンス。静寂と凶暴性を背中合わせにしたその音楽は、安易に聴かれることを拒絶する。何度か聴くとその前衛性の内側にすうっと入り込めるような気になるのが不思議だ。Christian Wallumrød はこの音楽をきちんと消化しミニマルなサポートに徹する。彼もまた、演奏そのものは確かに彼らしいものだけれど、自身のリーダー作とは全く違った表情も見せる。録音は3回に分けて行われており、最後のセッションで初めて加わったという Helge Sten は13曲中5曲で参加。日常からかけ離れたこの音楽の深みへと聴き手をいざなう彼の手腕が素晴らしい。その音は彼のソロアルバムの音に近く、それもまた別世界の音だ。赤/白ベースに銀色の文字を配した美しいデザインのアートワークとこの音楽の取り合わせは絶妙。 (2004/01/31)
Out Here. In There. / Sidsel Endresen & Bugge Wesseltoft (2002; Jazzland; 017 368-2)
Sidsel Endresen (vo)
Bugge Wesseltoft (key, per, prog)"Nightsong" (1994)、"Duplex Ride" (1998) に続く Sidsel & Bugge の3作目、しかしむしろ Sidsel Endresen の Jazzland レーベルへのリーダー作 "Undertow" (2000) に続く作品というほうがふさわしいようなアルバム。まもなくデュオ結成10年を迎えようとしている2人の積み重ねてきたものに、 現在のヨーロッパ的なエレクトロニカをぴたりと重ね合わせている。Neil Young のカバー "Birds" をシンプルなピアノと歌のデュオの形に残し、他は Jon Balke 作曲の1曲以外は全て2人のオリジナル、その大半がエレクトリックな音。Bugge Wesseltoft の作る浮遊するような音を背景に、Sidsel Endresen が、「強さ」を控えめに、どちらかというと淡々と歌っている。エレクトリックな音ととても人間的な声はお互いをひきたてていて、特に Sidsel Endresen の歌は独特の説得力とでもいうような個性で聴く側に浸透してくる。静かで深いアルバムだと思う。アートワークも秀逸。 (2002/05/30)
Gack! / ESE (1999; Kemistri / Jazzland / EmArcy; 547 034-2)
Eldbjørg Raknes (voice)
Sidsel Endrsen (voice)
Elin Rosseland (voice)
Bugge Wesseltoft主宰のJazzland Rec.の傍系レーベルKemistriからのリリースで、そのBugge WesseltoftとESEの共同プロデュース。3人のメンバーはいずれもノルウェーの実力派女性ジャズシンガーで、グループ名はそれぞれのイニシャルを並べたものです。このアルバムには歌や声に限らず「口(くち)」から出る様々な音で構成された全14曲が入っています。そもそもこれは音楽か?曲なのか?という議論さえ出そうな作品です。比較的普通に近い歌と言えそうなものから、超音波みたいな声、唸り声、何だか唾が飛んできそうな激しい声、地声、ひたすら「シイィー」と隙間風みたいな音をたててみたりとありとあらゆることをしかも即興でやっています。人間の狂気の側面とでもいうようなものを見せられているようで一聴しただけでは非常に怖いアルバムです。それに普段の生活や普通の音楽を聴いている時には使わない脳細胞を刺激されるようでとまどいますが、慣れてくるとそのユニークな表現に耳がいくようになります。これが傍系とはいえJazzlandレーベルの作品であることも興味深いところです。 (2001/06/14)
Duplex Ride / Sidsel Endresen & Bugge Wesseltoft (1998; Curling Legs; CD 41)
Sidsel Endresen (vo)
Bugge Wesseltoft (ac-grand p, synth, per)
Sidsel & Bugge としての2作目。 Paul Simon や Danny Hathaway といったポップスを彼ららしくシンプルな音でカバーした曲を織り交ぜているものの、やはり2人のオリジナルが中心になっている。それぞれの曲は様々な時期に様々なところで録られていて、スタジオ録音といくつかのライブパフォーマンスが収録されている。ほとんどアコースティックピアノと歌だった前作 "Nightsong" に比べ、エレクトリックな要素が増えているけれど、相変わらずとてもシンプルなつくり。#7 "Six Minutes Or So" は1997年のモルデ・インターナショナル・ジャズフェスティバルでの録音で、Sidsel Endresen がヴォイスパフォーマー的な声(歌ではなく)を発していて驚くけれど、この次に "Gack!" という作品がくることを考えると納得。ばらばらな録音、いろいろなタイプの曲、いろいろな楽器の使い方…どの面からみても2人の「何か」を追求する過程の記録のような作品。 (2002/05/29)
Nightsong / Sidsel Endresen & Bugge Wesseltoft (1994; Curling Legs; CD 14)
Sidsel Endresen (vo)
Bugge Wesseltoft (ac-grand p, thumb p, synth)
Sidsel Endresen の ECM への2作目 "Exile" (1994、録音は1993) の翌年の録音で、その "Exile" で顔を合わせた2人の "Sidsel & Bugge" としての最初の作品。全10曲の内6曲は2人のオリジナル、残りの4曲はスタンダードなど。オリジナルはやや実験的な色合いが強く、ピアノと声による抽象画のようなイメージ。#1、3、8、10 と対称的に配置されたスタンダード等は、冒頭の 歌のみによる力強い "Chain of Fools" を除いて、Sidsel Endresen が意外なほど優しくメロディーを歌い、アルバムの緊張感を和らげている。Sidsel Endresen の歌は個性的なものの、このアルバムではさほど前衛的ではない。Bugge Wesseltoft の音数が控えめなピアノはリリカルで、印象派を思わせるようなところもある。オリジナルの #9、"Psalm" はアルバム中最も(ほとんど唯一)エレクトリックな音で、 Bugge Wesseltoft のシンセサイザーがスペイシーで、そこへ Sidsel Endresen の歌が浸透していく印象的な1曲。 (2002/05/28)
as a side(wo)man:
Igloo / Terje Isungset (2006; All Ice 0601) (2007/02/07)
NP3 / Nils Petter Molvær (2002; Sula Records) (2002/09/01)
Different Rivers / Trygve Seim (2000; ECM 1744) (2001/01/14)
Solid Ether / Nils Petter Molvær (2000; ECM 1722)
Sharing / Bugge Wesseltoft's New Conception Of Jazz (1998; Jazzland/Emarcy; 538 259-2) (2001/06/09)
Saturation / Jon Balke (1998; Jazzland / EmArcy; 538 160-2) (2001/11/05)
'Good Evening ... Here Is The News' / Django Bate (1996; Argo)
Human Chain including:
Django Bates (E flat horn, key)
Iain Ballamy (sax)
Martin France (drum kit, el-per)
Michael Mondesir (el-b)
London Sinfonietta
The Smith Quartet
Apollo Saxophone Quartet
Sidsel Endresen (vo)
Jane Chapman (harpsichord)
Stuart Hall (g)
Beverley Hills (newsreader)
Mark Hinton (auctioneer)
Thebi Lipere (African per, voice)
Oren Marshall (tu, el-tu)
Eddie Parker (fl, bfl)