Tord Gustavsen
(p) Noway; 1970-

last updated: 1 August 2007


● ライブレポート: Trio Mediæval & Tord Gustavsen Trio @ Grieghallen / Festspillene in Bergen (29 May 2007)

● ライブレポート: Nymark Collective with Kristin Asbjørnsen @ Sardinen USF / Nattjazz (26 May 2007)

● ライブレポート: Tord Gustavsen Trio / Silje Nergaard @ 愛知万博 EXPOドーム (11 April 2005)

● ライブレポート: Tord Gustavsen Trio @ 新宿PIT INN (8 April 2005)


as leader:


Being There / Tord Gustavsen Trio (2007; ECM 2017)
Tord Gustavsen (p)
Harald Johnsen (double-b)
Jarle Vespestad (ds)
Tord Gustavsen Trio として、また Tord Gustavsen のリーダー作としても "Changing Places" (2003), "The Ground" (2004/2005) に続く3作目で、前作収録の1曲からアルバムタイトルを取った本作は三部作を締めくくる最終章でもある。1作目で日本のリスナーを驚かせた歌謡曲風メロディーはもっと普通の美しいメロディーへと変化しやや個性は薄れたが、楽曲は1曲ずつを注意して聴くと相変わらず充実はしており、3作を通して当然のように録音も良い。アルバムはそれぞれの曲のテンポなども考えて構成されているが、ゴスペル/ニューオーリンズをルーツとする Tord Gustavsen の「素顔」は#4でちらりと見せるのみで、彼の一面しか伺えないのが残念だ。66分もあった前2作の収録時間より短く、60分を切る程度の長さで13曲とややコンパクトにしたのは正解といえるかもしれないが、そんなことを考えてしまうのは、ライブで見せるような緊張感があまり感じられず、ややリラックス気味とさえ感じられるほどの雰囲気のためか、もしくはピアノの影から全く足を踏み出さないベースのためか。この三部作の後にどんな音楽を聴かせてくれるのか、そちらのほうが気になる。 (2007/08/01)

The Ground / Tord Gustavsen Trio (2004/2005; ECM; 1892)
Tord Gustavsen (p)
Harald Johnsen (double-b)
Jarle Vespestad (ds)
自己名義のトリオとしてのデビュー作にあたる前作 "Changing Places" (2003; ECM) が記録的なヒット作となり一躍注目を集めるようになってのセカンドアルバム。前作で大変驚かされたその歌謡曲メロディーは若干抑え目ながら基本的に前作の路線を踏襲。レインボースタジオでの録音やある種のECM作品に特徴的なリヴァーブを最大限に響かせる音数の少ないミニマルな演奏が特徴だが、実は Tord Gustavsen のタッチそのものはあまり北欧的でないと言えるほどに粘着質で、音楽の底には(彼が他のユニットではもっとはっきり表現しているように)ゴスペルやニューオーリンズジャズなど意外にもアメリカの音楽がある、というのは2005年4月の東京公演での彼の演奏を見て初めて認識した。トリオの演奏はより親密なアンサンブルとなっている。多くの人の心を捉える音楽であることには間違いないが、それにしてもノルウェーのヒットチャート(VG Chart) で1位を記録するというのは大事件だ。(2005/06/22)

Changing Places / Tord Gustavsen Trio (2003; ECM 1834)
Tord Gustavsen (p)
Harald Johnsen (double-b)
Jarle Vespestad (ds)
ノルウェーの有名なシンガー Silje Nergaard のバックを務める3人 (参加アルバムは "Port of Call" (2000), "At First Light" (2001), "Nightwatch" (2003)) によるトリオでこれがデビューアルバム。レインボースタジオの音響が最大限に活きるようなリリカルなピアノトリオ。#3 がアップテンポなほかはほとんどミディアムかスローで、それぞれの楽器は音数も少なく、点と点で接触しバランスを保っている。特筆すべきは Tord Gustavsen のメロディーセンスで、#2 / #12 "Graceful Touch" を筆頭に数曲で、まるで日本の古い歌謡曲のような(悪く言えばベタな)メロディーが出てきてびっくり。このメロディーを現地のリスナーはどうとるのだろう。ドラムがトン、と静かに鳴り、ベースが静かに低音を鳴らし、ピアノの音がポロンと入る、その研ぎ澄まされた瞬間に彼らの美学のようなものを感じる。2003年、ノルウェーで最もヒットしたジャズアルバムの1枚。 (2004/01/28)

as a co-leader:


Aire & Angels II / Air & Angels (2002; Bergland Productions; BE 008-2)
Siri Gjære (vo)
Tord Gustavsen (p)
1999年の "Aire & Angels" (C+C Records / EMI; 現在は入手困難)に続くこのデュオの2作目。前作では17世紀の詩人の詩を扱っていたそうだが、本作ではイギリスの詩人 Rupert Brooke (1887-1915) の詩を使ったものが5曲、John Donne (1572-1631; ユニット名 "Aire & Angels" はこの詩人の作品から取られている) のものが1曲、残りは Siri Gjære によるもので、曲は Tord Gustavsen が5曲、残りは2人の共作となっている。澄んだ空気を感じさせる Tord Gustavsen の端正なピアノが静けさとその中での小さな変化を繊細に表現し、Siri Gjære のリラックスした等身大の声が、歌詞を丁寧に歌う。このアルバムの後にリリースされた Tord Gustavsen のトリオ作 "Changing Places" (2003; ECM) で見られたベタなメロディーはここでも聴かれるが、Siri Gjære がさりげなく歌いこなしていて、丁度よい具合にメロディーが耳に残る。Siri Gjære がロック歌手であることからジャズ的なボーカル+ピアノのデュオとは一味違う雰囲気を持っている。 (2004/05/17)

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