Eldbjørg Raknes
(vo) Norway; 1970-

last updated: 27 May 2004


as a leader:


So Much Depends Upon A Red Wheel Barrow / Eldbjørg Raknes (2002; Platearbeiderne; PLACD 2002)
Eldbjørg Raknes (voice)
Nils-Olav Johansen (guitar b, voice)
Christian Wallumrød (keyboards, voice)
Per Oddvar Johansen (ds, per, voice)
Eldbjørg Raknes の詩と音楽のユニット TINGeLING としては前作 "TINGeLING" (1997) 以来の2作目、リーダー作としては間に子供向け音楽の名作 "Det Bor En Gammel Baker..." (1999) を挟んで3作目となる。レコーディングを Nils Petter Molvær 作品や Close Erase の "Dance This" などエレクトリックなジャズを得意とする Reidar Skår が手がけており、彼らしい透明感があるさりげなく細やかな音に仕上がっている。本作ではタイトルトラックを始めとしてアメリカの詩人 William Carlos Williams (1883-1963) の作品をメインに取り上げている。その詩と Eldbjørg Raknes による楽曲は、それらが別に作られたとは思えないほど密接に結びつけられ、1つのものとして再現されている。メロディーはわかりやすくて美しく、とても印象に残る。途中でただ1曲だけ、突如として全員が前衛パフォーマンスに突っ走る曲があり、その有様に呆然としていたらケロリと次の曲のスイートなメロディーが流れ込んできて、聴き手はあっという間に置き去りにされる、その瞬間が非常に面白い効果を生んでいる。新しく加わった Christian Wallumrød は、もともとEldbjørg Raknes がプロとして活動を始めた1991年にデュオを組んでいたといういきさつもあり、息もぴったりだ。バックの3人は、そのポイントを抑えた演奏もさることながら、タイトルトラックなどでのコーラスも素晴らしい。名作。 (2004/05/27)

Det Bor En Gammel Baker... / Eldbjørg Raknes (1999; Via Music; VCD 378)
Eldbjørg Raknes (vo)
Ståle Storløkken (key)
Tone Åse (vo)
今のノルウェージャズ界を代表する実力派女性シンガー Eldbjørg Raknes が手がけた子供向け音楽。基本的には Ståle Storløkken とのデュオで、半分ほどの曲でこの2人と同じくトロンハイムを中心に活動する女性シンガー Tone Åse がサポートする。タイトルは 「年老いたパン屋さんが住んでいましたとさ」で、歌詞がそのままストーリー、ブックレットにはかわいい絵が添えられている。わかりやすいメロディーは優しく、ユーモラスで、時にはペーソスを感じさせる。唯一の伴奏、Ståle Storløkken のシンセサイザーはいつもと変わらないアナログな、ちょっと奇妙な音で、曲によってはストレートに美しく、シンプルな音の中にリズム楽器的なビートまで含めている。3人の音楽性を反映したような実験的な曲もあるけれど、場面に合ったもので違和感はない。ノルウェーのグラミーに当たる Spellemannprisen 受賞作(「子供向け音楽」部門)。素晴らしいコンセプトと歌、演奏。名盤!(2002/12/24)

TINGeLING / TINGeLING (1997; NOR-CD 9726)
Eldbjørg Raknes (voice)
Nils-Olav Johansen (6 stting bass g)
Maria Kannegaard (el-p)
Per Oddvar Johansen (ds)
Curing Legs レーベルからアルバムをリリースする女性ボーカルグループ KvitrettenJazzland レーベルにレコーディングがある女性ボイスパフォーマンストリオ ESE などの活動でも知られるノルウェーの女性シンガー Eldbjørg Raknes ( b. 1970) の実質的な初リーダー作。このユニット TINGeLING は様々な詩に Eldbjørg Raknes が曲をつけるというコンセプトで、このアルバムでは James Joyce、Dorothy Parker、Pablo Neruda らの詩を扱っている。音楽のほうも詩のようにミニマル、拡散するイメージで、メロディーもやや抽象度が高い。このユニットはそもそも 1996年に Eldbjørg Raknes とギタリスト Nils-Olav Johansen により始まったそうで、その Nils-Olav Johansen の弾く6弦ベースがギターとベースの両方の役目を果たし、そのミニマルなサポートがこの非常にデリケートな音楽のバランスを保っている。Eldbjørg Raknes のボーカルは特に変わった声質でもなく聴きやすい声で、さりげないけれど声のニュアンスに微妙な変化がつけられる繊細さを持ち合わせている。 (2004/05/21)

as a co-leader:


Gack! / ESE (1999; Kemistri / Jazzland / EmArcy; 547 034-2)
Eldbjørg Raknes (voice)
Sidsel Endrsen (voice)
Elin Rosseland (voice)
Bugge Wesseltoft主宰のJazzland Rec.の傍系レーベルKemistriからのリリースで、そのBugge WesseltoftとESEの共同プロデュース。3人のメンバーはいずれもノルウェーの実力派女性ジャズシンガーで、グループ名はそれぞれのイニシャルを並べたものです。このアルバムには歌や声に限らず「口(くち)」から出る様々な音で構成された全14曲が入っています。そもそもこれは音楽か?曲なのか?という議論さえ出そうな作品です。比較的普通に近い歌と言えそうなものから、超音波みたいな声、唸り声、何だか唾が飛んできそうな激しい声、地声、ひたすら「シイィー」と隙間風みたいな音をたててみたりとありとあらゆることをしかも即興でやっています。人間の狂気の側面とでもいうようなものを見せられているようで一聴しただけでは非常に怖いアルバムです。それに普段の生活や普通の音楽を聴いている時には使わない脳細胞を刺激されるようでとまどいますが、慣れてくるとそのユニークな表現に耳がいくようになります。これが傍系とはいえJazzlandレーベルの作品であることも興味深いところです。 (2001/06/14)

Voices / Kvitretten (1996; Curling Legs; CD 26)
Eldbjørg Raknes (vo)
Kjersti Stubø (vo)
Kristin Asbjørnsen (vo)
Tone Åse (vo)
ノルウェー人女性シンガー4人によるアカペラユニットで、これがファーストアルバム。メンバーによる曲、英語(1曲スペイン語あり)による歌詞にメンバーがフレーズをつけたもの、それにノルウェーのミュージシャンSidsel Endresen、Jon Balke、Ståle Storløkkenの曲もあります。4人の歌はジャズ/ポップ系の歌い方ですが、それぞれかなり異なる個性の持ち主です。このアルバムではその個性をあえてストレートに前面に出すことで、調和よりもずれが強調されていて、そのずれはジャズ的に響いています。全12曲、それぞれが全く別の発想から組み立てられていて、かわいく歌う歌あり、アンビエントな曲あり、それぞれの歌がまるで楽器のような曲あり、またがやがや声を発してみたり、奇声を上げたり、叫んでみたり。自由で、気ままで、なぜか無垢で、またその無垢からくるスリルのようなものを感じるユニークなアルバムです。 (2001/06/02)

as a side(wo)man:


Letters / Håvard Lund (1996; Turn Left Productions; 196) (2002/11/20)

top / home