2011/02/07
best of 2010 | 2009 | 2008 | 2007 | 2006 | 2005 | 2004 | 2003 | 2002 | 2001
best of 2010
BEST ALBUMS --- NORWEGIAN JAZZ & AROUND
in no particular order
![]() |
Supersilent "10" (Rune Grammofon; RCD 2102) Arve Henriksen, Ståle Storløkken, Helge Sten >> "10" CD @ Rune Grammofon / "10" LP @ Rune Grammofon |
![]() |
Supersilent "11" (Rune Grammofon; RLP 3103) Arve Henriksen, Ståle Storløkken, Helge Sten, Jarle Vespestad >> "11" CD @ Rune Grammofon |
![]() |
Stian Westerhus "Pitch Black Star Spangled" (Rune Grammofon; RCD 2099) Stian Westerhus (g) >> "Pitch Black Star Spanled" CD @ Rune Grammofon / "Pitch Black Star Spanled" LP @ Rune Grammofon >> Stian Westerhus |
![]() |
Espen Eriksen Trio "You Had Me At Goodbye" (Rune Grammofon; RCD 2096) Espen Eriksen (p), Lars Tormod Jenset (b), Andreas Bye (ds) >> You Had Me At Goodbye" @ Rune Grammofon |
![]() |
Daniel Herskedal "City Stories" (NORCD; 1094) Daniel Herskedal (tu), Per Jørgensen (tp, voice, per), Sissel Vera Pettersen (sax, voice), Christian Bluhme Hansen (g, ukulele), Terje Isungset (per, mouth harp) >> Daniel Herskedal >> "City Stories" @ musiconline >> NORCD |
![]() |
Ingar Zach "M.O.S." (SOFA; 532) Ingar Zach (gran cassa, per, sruti boxes, drone commander) >> "M.O.S." @ SOFA >> Ingar Zach |
![]() |
Mats Eilertsen Trio "Elegy" (Hubro; CD2504) Mats Eilertsen (b), Herman Fraanje (p), Thomas Strønen (ds) >> Mats Eilertsen >> Hubro |
![]() |
Trondheim Voices "Improvoicing" (MNJ Records; MNJCD009) Siri Gjære, Torunn Sævik, Heidi Skjere, Tone Åse, Sissel Vera Pettersen, Kirsti Huke, Ingrid Lode, Anita Kaasebøll, Live Maria Roggen, Silje Karlsen (vo), Marilyn Mazur (per, ds), Jon Balke (p) >> Trondheim Voices @ MySpace |
![]() |
Bjørn Fongaard "Elektrofoni" (Prisma Recordsø PRISMACD711) Bjørn Fongaard (microintervallic g) >> "Elektrofoni" @ Prisma Record (blog) |
![]() |
Susanne Sundfør "The Brothel" (EMI Music Norway) Susanne Sundfør (vo, p, etc), Lars Horntveth (g, bcl, etc), Morten Qvenild (synth), Gard Nilssen (ds), Frode Larsen (vln), Øyvind Fossheim (vln), Nora Taksdal (vla), Emery Cardas (cel), Hans Petter Bang (contra b), Erik Johannessen (tb, tu), Heming Valebjørg (snare ds, timpani), Martin Horntveth (ds-prog, etc), Jørgen Træen (ds-prog, etc) >> Susanne Sundfør |
今年は、アルバムは1つの作品としてまとまっていてほしい、ということを強く感じた。マルチディスクの作品は一見お買い得・盛りだくさんに見えるが、多くは1つの作品としてのまとまりに欠ける。さらに1枚物の作品でも同じことが言える。今年選んだ10枚(と下記3枚)はいずれもアルバムを通してのプロデュースがなされていたものだ。Rune Grammofon が10枚中4枚を占めることになったが、同レーベルが「ぼやけた」作品を出さないことが大きい。
昨年リリースされた Supersilent の3作品のうち、レーベルコンピボックスの一部の "100" は対象外としたが、3枚いずれも優れた作品だった。私の知る限り、この周辺では彼らが最も厳選した音源をリリースするアーティストである。それは2007年利リースの "8" のいわばアウトテイクである "11" のクオリティーの高さに見て取れる。しかし内容的にはやはり "10" が目新しく、トリオになっても全く問題なく新しい音を追求していることが確認出来る作品だ。
まだあまり認識されていないが、ギタリストとしてはもちろん、自身の演奏のプロデュースも含めての力量が抜きん出ている Stian Westerhus のソロ作は、ギターのみで驚くべき音楽を描きだしている。
Espen Eriksen のデビュー作は、Rune Grammofon らしからぬポップな作りながら、いい意味でとても聴きやすい。
チューバ奏者 Daniel Herskedal の初リーダー作は、はっきりしたコンセプトとミュージシャンの組み合わせの妙、それに優れた楽曲の秀作。昨年このプロジェクトをライブで見て "best new comer" に選んで以来アルバムリリースを楽しみにしていたが、さらに期待以上の作品。
Ingar Zach の、自身が共同運営するレーベルからのソロ作は、不思議な魅力に満ちた音響作。
Mats Eilertsen の初のトリオ作は、オランダ人ピアニストを迎えた、彼にしては珍しいくらい普遍的な楽器編成だが、優れた楽曲と、長年コンビを組む Thomas Strønen との阿吽の呼吸がさすがだ。
女性シンガー10人によるヴォイスパフォーマンスグループ Trondheim Voices は、グループ内外のコンポーザーによるオリジナル楽曲を扱っており、個性と表情豊かな声による斬新なアンサンブルとなっている。
ギタリスト Bjørn Fongaard の1965年〜1978年の音源をまとめたCD3枚+DVDのボックスセットは、一気に聴き通せる秀逸な編集盤。時代を感じさせない音使いには驚かされる。
ポップシンガー Susanne Sundfør の新作は、これまでとがらりとスタイルを変えダークな音作り。Lars Horntveth が演奏以外にもプロデュースやアレンジで大きく関わっているため、いかにもそれ風な場面が出てくるが、彼女の歌の強さが上回り、結果としてバランス良く仕上がっている。
BEST ALBUMS --- SOME ICELANDIC DISCS
![]() |
Skúli Sverrisson "Sería II" (Sería Music) Skúli Sverrisson (g, b, org, etc), Amedeo Pace (g), Eyvind Kang (vla), Davíð Þór Jónsson (p, ds, etc), Ólöf Arnalds (vo, charango), Anthony Burr (cl, bcl, etc), Hildur Guðnadóttir (cel), Óskar Guðjónsson (ts), Kristín Anna (vo) |
![]() |
Jóhann Jóhannsson "And in the Endress Pause There Came the Sound of Bees" (Type; 064) Jóhann Jóhannsson (p, key, etc), City of Prague Orchestra dn Chorus >> Jóhann Jóhannsson |
![]() |
Apparat Organ Quartet "Pólýfónía" (12 Tónar) Arnar Geir Ómarsson (ds), Hörður Bragason (org), Jóhann Jóhannsson (org), Sighvatur Ómar Kristinsson (org), Úlfur Eldjárn (org) >> Apparat Organ Quartet @ MySpace >> 12 Tónar |
大した枚数を聴いているわけではないアイスランド物だが、この3枚は素晴らしい内容だったので紹介を兼ねて挙げておく。
ベーシスト Skúli Sverrisson の "Seria" 第2弾は、揺らめくように変化し続けるコードの流れが美しい。前作よりかなりゆったりした流れがよい。
Jóhann Jóhannsson のショートフィルムのサウンドトラックは、これまでの作品のいくつかでも聴かれたいかにも彼らしい音風景。
その Jóhann Jóhannsson もメンバーの Apparat Organ Quartet の8年振りの新作は、エレクトロポップ〜プログレ〜ハードロック寸前までも守備範囲とする痛快な作品。
BEST ARTIST
Stian Westerhus
best artist と best new comer については、何の迷いもなく選べる年しか選んでいないことを前置きし、今年はギタリストの Stian Westerhus を選出。上のリストでも選んだソロ作 "Pitch Black Star Spangled" の他、トリオ Puma での "Half Nelson Courtship" (Rune Grammofon)も佳作だった。また、プロデューサーとしてシンガー Eldbjørg Raknes のソロ作 "Sense" を手がけているのも注目すべきだろう。彼とはオスロ市内のスタジオを共有しているという Lasse Marhaug の新作 "All Music At Once" に2曲で参加しており、そのトラックは彼がどういうものを音楽に持ち込めるかをよく表している。
BEST LIVE
Stian Westerhus solo @ SuperDeluxe, Tokyo, Japan, 27 July 2010
2010年はノルウェーも含めてライブを見るために3回も海外へ行ったが、最も感銘を受けたのはこの東京のライブだった(最近はノルウェーより東京の方がはるかに「アウェー感」を強く感じるので、私にとっては海外で観た時かそれ以上に非日常的なイベントである)。そして、このライブは、私が2010年に観たライブで、最も観客が少なかったライブでもある。
ライブの内容は、恐らく彼の前のセットで演奏した秋山徹次の予想外なほどの大音量で攻撃的な音楽を踏まえた上で、とても美しく纏め上げられた。その演奏から受けた印象を上手く言葉にすることが難しい程の内容だった。その演奏が、ほんのわずか、20人に満たないほどの人にしか聴かれなかったことには、いろいろと考えさせられた。このライブのために、私にできることがあったのではないだろうかと。
最近では、Supersilent と並んで彼のライブを見ることが海外へライブを観に出かけることの目的になりつつあり、2010年にはこのソロの他、Nils Petter Molvær Trio でのライブを2回(カナダ・ヴァンクーヴァーとノルウェー・クリスティアンサン)、それに Sidsel Endresen とのデュオを見ることができた。観た回数では 2009年のほうがはるかに上回るが、内容は確実に2010年のものが上回る。ソロ以外では Sidsel Endresen とのデュオが素晴らしかった。
Punkt Festival, in Kristiansand, Norway, 2-4 September 2010
このフェスティバルが2005年にスタートして以来、Supersilent がフルメンバーで出る年に観に行こうと決めていたのがようやく実現。はっきりしたコンセプトを打ち出しつつも幅広い音楽をカバーするプログラム、地元のミュージシャンをバックアップしながら世界的なミュージシャンを招くバランス、ミュージシャンやプレス関係者への暖かなホスピタリティ、フェスティバルをきっかけとしての関係者の交流の機会の場、いずれをとっても非常によくオーガナイズされていた。
音楽面では、先の Sidsel Endresen & Stian Westerhus デュオの他、このフェスティバルの特徴でもある、直前のコンサートを階下で再構築する「ライブリミックス」に登場した Maja Ratkje が圧巻だった。彼女のリミックスの素材となったのはエストニアの大編成コーラス隊の音源。それを原型がかろうじて分かる程度までバラバラにし、即興で自らの声や演奏と合わせて別の音楽に仕立るそのパフォーマンスは、実のところそれまで今ひとつよく分からなかったライブリミックスという手法の面白さを知らしめてくれるものだった。