2005/02/20

best of 2006 | 2005 | 2004 | 2003 | 2002 | 2001

best of 2004

BEST ALBUM --- NORWEGIAN JAZZ & AROUND

1. Trygve Seim "Sangam" (ECM)

豊かな響きを湛えた壮大な音楽。何がどうしてこんなに心を打つのだろう…。

2. Arve Henriksen "Chiaroscuro" (Rune Grammofon)

カラフルなパッケージに包まれた途方もなくピュアな音楽。

3. Susanna and the Magical Orchestra "List of Lights and Buoys" (Rune Grammofon)

何年もその音を聴くのを楽しみにしていたデュオ。
4. Lars Horntveth "Pooka" (Smaltown Supersound)

Jaga Jazzist のメインソングライターらしくもあり、映画音楽のようでもあり。

Trinity "Sparkling" (Jazzaway)

異色とも言えるリズムセクションと注目の若いテナー奏者によるトリオのファースト。

Crimetime Orchestra feat. Bjørnar Andresen "Life Is A Beautiful Monster" (Jazzaway)

ベテランベーシスト率いるエレクトリックフリージャズビッグバンドのセッションの記録。

Jacob Young "Evening Falls" (ECM)

ECM 初録音。ノスタルジックで美しいメロディーが沁みる。

Strønen / Storløkken "Humcrush" (Rune Grammofon)

キーボードとドラムのデュオがここまで面白いものになりうるとは。

Mats Eilertsen "Turanga" (AIM)

チェロとベースを混ぜるというアイディアは予想外ながら秀逸。
Motif "Motif" (AIM)

ノルウェージャズの元気よさがとてもよくわかる1枚。
The National Bank "The National Bank" (Universal Norway)

Thomas Dybdahl という素晴らしいシンガーに国外からももっと注目が集まればと思う。

2003年のベスト作を選んだ時、「今年はリリースが少なかった」と書いたが、2004年は一転リリースが多く、購入して聴くだけでも大変なくらいだった。2004年年末のdiaryにも書いたように、レベルが高い作品もさほどでもない作品もあるけれど総じて結構いい作品が多かった、という感じだ。リリースの多さに反するようだけれど、私の聞いた限りではトータルとしてのレベルは変わらなかった。つまり中〜中の上くらいの作品のリリースが増えたというような印象だ。日本国内に入ってくるアルバムも随分増えたけれどこちらも同じ印象、つまり数は増えたけれどレベルは良くも悪くも変わらず、だったと思う。それでも、いいものはとてもレベルが高かった。

ベスト作は11枚になってしまったけれど、これはどうしても10枚に絞れなかったため。最初の4枚のみ順位を付けたが、私の最近の志向もあり一般的なジャズとは異なるものが並んだ。でも、こういう作品にノルウェー音楽らしい個性が見られるのではとも思う。

そのすぐ後の2枚、Jazzaway の2枚は衝撃的といっていいほどの出来で、もっと上の順位に入れてもいいほどだ。完全アコースティックなのにテクノなどの匂いもする現代的なワンホーントリオの Trinity、そしてエレクトロニクスが炸裂するビッグバンド Crimetime Orchestra。日本では AIM Records が注目を集めているようだけれど、同じ2003年設立の Jazzaway も非常に面白いリリースが続いている。両レーベルとも2005年も注目したい。

(※ ↑のジャケット写真をクリックすると紹介ページへ。Crimetime Orchestra については近々紹介予定)



BEST LIVE

1. Christian Wallumrød solo @ Jacobskirke, Oslo, Norway

ピアノソロという難しい課題を、実にリラックスした穏やかな雰囲気でこなす。静かな、しかも決してポップでない音楽で観客を惹きつけて離さなかった彼を、その観客はスタンディングオベイションと大歓声、そして足を踏み鳴らしての喝采で称える。音楽の素晴らしい瞬間。

2. Supersilent @ Parkteatret, Oslo, Norway

DVD 撮影・録音という異様な緊張の中、それを反対にエネルギーにするかのような演奏だった。そのバランスのよさを素晴らしかったとするか、撮影を意識したと取るかは出来あがった DVD を見てから判断したい。

3. The Thing @ Blå, Oslo, Norway

凄さが実に分かりやすいライブ。誰がどうみても圧巻の一言。


2003年のベストライブは同率1位に Christian Wallumrød Quartet と Supersilent を並べたのだけれど、実際どちらが上だったかは書いた順番から分かる通りで、明らかに Christian Wallumrød の方がインパクトは上だった。私がこれだけの Supersilent ファンだということを加味してもやっぱりその事実は変わらないということはかなりの差があったと言える。今年もまた同じ2組がトップに同じ順序で並んだので、今回はきちんと順序を付けることにする。いつもはその Christian Wallumrød Quartet のメンバーとして一緒にステージに上がっている Arve Henriksen (言うまでもなく Supersilent のメンバーでもある)が、その Christian Wallumrød のソロコンサートの時は観客として聴きに来ており、終わった後私のところへやってきて、「このところ長い間で見た中で一番のライブだなぁ…本当に素晴らしい演奏だった」と言い残して、それを本人に伝えるべく去っていったのが印象に残った。

この3組があまりに凄かったため、他は並べることすら不可能。



BEST NEWCOMER

Kjetil Møster (ts)

骨太な音と堂々とした吹き回しのテナー奏者。1976年生まれ。
2003年までのリリースは私の知る限り Kjetil Møster (ts) / Per Zanussi (b) / Per Oddvar Johansen (ds) "Action Jazz" (2003; 2曲入り 7" で詳細は不明)それにポップ/ロックバンド King Midas の "Romeo Turn" (2003; Éllet) で、まともなリリースは無いに等しかった。2004年のリリースは The Core "Vision", Trinity "Sparkling" そして Crimetime Orchestra "Life is a Beautiful Monster" の3枚、いずれも Jazzaway Records から。個人的には私は後者2枚を押すが、地元ノルウェーの評論家や関係者の間では The Core の評価が高い。こちらはノリノリ体育会系モーダルジャズで素直に楽しめる。2005年前半は Kjetil Møster (ts) / Per Zanussi (b) / Kjell Nordeson (ds & vib, スウェーデン) のトリオ作が同じく Jazzaway から、Zanussi Five (サックス×3+ベース+ドラム)のファーストアルバムがスウェーデンの Moserobie からとリリースが続く。



BEST MUSICIAN

Thomas Strønen (ds)

10枚のアルバムリリース(厳密には11枚だけれど、残りの1枚はフル参加作ではないようなので10枚とする)と初リーダー作 "Turanga" が素晴らしかった Mats Eilertsen (b) やソロ作 "Chiaroscuro" や Trygve Seim の "Sangam" での演奏が印象に残った Arve Henriksen (tp) も良かったけれど、柔軟で繊細、そしてとても現代的なビートを11枚(予定されていたのが1枚繰り越したため12枚でなくて11枚になった)ものアルバムに残した Thomas Strønen を。2005年は Pohlitz 名義初ソロ作リリース!その前に Jazzland (多分アコースティック)からの Maria Kannegaard Trio のセカンドアルバム (w/ Maria Kannegaard (p), Ole Morten Vågan (b, Motif)) が既にリリースされている。

>> Thomas Strønen の2004年参加作一覧



BEST ARTWORK

順不同3点。

Wibutee "Playmachine" (Jazzland)
cover design by Stoffer Ganes, www.kornstad.com

ケース
曲目部分 紙スリーブ CD+トレイ
裏側。シール貼付。



Crimetime Orchestra feat. Bjørnar Andresen "Life Is A Beautiful Monster" (Jazzaway)
artwork and inspiration by Håkon Kornstad

タイトル部分拡大
曲目部分 スリーブ裏側 CD+トレイ
裏側。シール貼付。



Arve Henriksen "Chiaroscuro" (Rune Grammofon)
design by Kim Hiorthøy

内側1 内側2 クレジット部分
裏。曲目。



CDを入れておく物を単にケースではなく、それ自体音楽と共に1つの作品にするような立体的なデザインがここ数年いくつも見られる。ノルウェーでそういうデザインを手がけている代表格がサックス奏者でありデザイナーや写真家でもある Håkon Kornstad (b. 1977) と、デザイナーや写真家でありミュージシャンでもある Kim Hiorthøy (b. 1973) 。Kim Hiorthøy が手がける最近の Rune Grammofon のアートワークはその紙と盤の手触りまでデザインされている。Håkon Kornstad は一時期よりデザイナーとしての活動を控えているが、時折目にする彼のデザインはやはり斬新。感覚が全く新しい。2人ともミュージシャンであることは、デザインと無関係ではないような気もする。

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