last updated: 30 December 2002
● こうやって並べてもほとんど脈略のない Ståle Storløkken の特集はこれで終了。
New Cumber / Cucumber Slumber (2001; Bergland Productions; BE004-2)
Tor Yttredal (ss, ts, cl), Ståle Storløkken (syn, el-p), Mattis Kleppen (fender-b), Trond Kopperud (ds, per)
トロンハイムのグループのファーストアルバム。奇妙なバンド名は Weather Report の同名曲(アルバム "Mysterious Traveller" (1974) に収録)から取られている。全10曲は1曲がグループのクレジットになっている以外は Tor Yttredal と Ståle Storløkken が半分ずつ手がけていて、どちらが手がけているかは聴けばなんとなくわかるくらい違う(Tor Yttredal のほうがややストレートな印象)。バンド名の由来から想像つく系統の明るめのはっきりしたメロディー、フェンダーベースがぶいぶい鳴るファンキーな曲がある一方で、Ståle Storløkken のそれだけで雰囲気のあるキーボードを活かしたスローなナンバーもあり、後者のほうが個性が出ている。Tor Yttredal の軽やかに伸びるサックスとクラリネットは透明感がある音で、それがノルウェーではちょっと珍しい気がする。 (2002/12/30)
Bol / Bol (2001; Via Music; VCD 383)
Tone Åse (vo), Ståle Storløkken (key, samp), Tor Yttredal (sax, cl), Tor Haugerud (ds, per)
ノルウェー・トロンハイムを中心に活動する4人によるユニットで、ノルウェー語の名前は「幹」や「胴体」といった意味。結成は1995年でこれが初めてのアルバムリリースとなる。それぞれのミュージシャンの個性や音楽的志向を反映してバラエティーに富んだ内容で、ノルウェーの民俗音楽的なものから、オリエンタルなものも含めながら、全体としてはダークでエレクトリックなジャズロック作になっている。Ståle Storløkken はいつものアナログシンセの他ピアノなども少し弾いていて、彼の音がユニットの中核になっている。ボーカルの Tone Åse はかなり広い音域とクラシックからジャズ、ロックまでを1人で歌いこなしてしまう守備範囲の広さと上手さで、歌詞も英語、フランス語、ノルウェー語と使い分けている(ノルウェー語が一番はまっている)。個性的。 (2002/12/30)
● 子供も大人も楽しめる子供向け音楽。
Det Bor En Gammel Baker... / Eldbjørg Raknes (1999; Via Music; VCD 378)
Eldbjørg Raknes (vo), Ståle Storløkken (key), Tone Åse (vo)
今のノルウェージャズ界を代表する実力派女性シンガー Eldbjørg Raknes が手がけた子供向け音楽。基本的には Ståle Storløkken とのデュオで、半分ほどの曲でこの2人と同じくトロンハイムを中心に活動する女性シンガー Tone Åse がサポートする。タイトルは 「年老いたパン屋さんが住んでいましたとさ」で、歌詞がそのままストーリー、ブックレットにはかわいい絵が添えられている。わかりやすいメロディーは優しく、ユーモラスで、時にはペーソスを感じさせる。唯一の伴奏、Ståle Storløkken のシンセサイザーはいつもと変わらないアナログな、ちょっと奇妙な音で、曲によってはストレートに美しく、シンプルな音の中にリズム楽器的なビートまで含めている。3人の音楽性を反映したような実験的な曲もあるけれど、場面に合ったもので違和感はない。ノルウェーのグラミーに当たる Spellemannprisen 受賞作(「子供向け音楽」部門)。素晴らしいコンセプトと歌、演奏。名盤!(2002/12/24)
● このアルバムの最後にちょっと顔を出すギタリストの Frode Alnæs のソロ作と似ている。
Read My Lips / Ole Edvard Antonsen (1997; EMI; 7243 5 56540 2 1)
Ole Edvard Antonsen (tp, vo, ...), Per Lindvall (ds, per), Lars Danielsson (b), Ronny Wikmark (key), Ståle Storløkken (key), Eivind Aarseth (g), Elisabeth Moberg (vo), Johas Lundberg (ds), Johan Strömberg (b), Martin Hedström (el-g), Stafan Sporsesn (key), Per Edwardson (ac-g, vo), Kim Ofstad (ds), Kjetil Bjerkestrand (p, org, b, per), Willy Postma (harp), Torstein Flakne (g, vo, el-sitar), Frank Hellum (backing-vo), Siri Gjære (backing-vo), Jarl Ivar Andersen (g), Sven Lindvall (b), Bjørn Nessjø (bass), Andreas Aase (bells), Linda Louise (vo), Frode Alnæs (g), Jens Petter Antonsen (tp), Torbjørn Sunde (tb), Morten Halle (sax), Ghetto Shakespeare, The Ritz Ballroom Orchestra
Ole Edvard Antonsen (b. 1962) はノルウェー出身の世界的に有名なトランペッター。本来クラシックのプレイヤーだけれど、ジャズ・ミュージシャン等とのセッションもあり、このアルバムもジャズ/ロック/ポップスの作品。ロック系のプロデューサー Bjørn Nessjø を迎えてトロンハイムで録音されていて、周辺のミュージシャンをそれぞれの曲で使い分けている。Ole Edvard Antonsen のトランペットはクラシック系らしくこの国のジャズ・プレイヤーよりずっとストレート。音色の使い分けや様々なタイプの曲でバラエティーに富んでいるけれど、基本的に80年代風ポップロック。 (2002/12/22)
● Ståle Storløkken の参加作紹介の続き。
Point / Anders Kjellberg (1998; Dragon; DRCD 321)
Anders Kjellberg (ds), Lars Danielsson (b), Tore Brunborg (ss, ts), Ståle Storløkken (key), Louis Sclavis (cl, ss), Marco Ambrosini (nickelharpa (key fiddle))
スウェーデン第2の街イェテボリのラジオ局が毎年企画する "Nordic Meeting" というシリーズの3作目。スウェーデンらしい音楽を、有名なスウェーデン人アーティストをメインにインターナショナルな編成でレコーディングすることを目的としていて、他には Lars Danielsson "European Voices"、Anders Jomin "Silvae"、Peter Janson "Nordic Meeting" などがある。Kjellberg と Danielsson がスウェーデン、Brunborg と Storløkken がノルウェー、Sclavis がフランス、Ambrosini がイタリア出身という編成。ほとんどの曲はドラマー Kjellberg によるもので、同じスウェーデン人のベーシスト Danielsson がアレンジを手がけている。個性がバラバラの編成と同じくらい曲のほうもバラエティーに富んでいるけれど、確かにメロディーの持つ雰囲気は「スウェーデンらしい」のかもしれない。Danielsson は地味にしっかりバンドをまとめていて、Sclavis のソロはとても端正で驚異的、 Storløkken は異彩を放ち続ける。全体的にドラマーのリーダー作とは思えない曲/アンサンブル重視の作品。最後のクリスマスソングが暖かい。 (2002/12/10)