last updated: 29 October 2003
● 表題以外全く何のクレジットもなし。
Duperkammer Remixes EP // Jazzkammer / Sir Dupermann (2003; Smalltown Superbooks; STS074CD)
Jazzkammer (Lasse Marhaug, John Hegre), Sir Dupermann (Jørgen Træen)
ノイズを中心に結構幅広い「音」を展開する Jazzkammer の曲を、彼らの作品によく参加している売れっ子プロデューサー/クリエイターの Sir Dupermann こと Jørgen Træen がリミックスしたもの。3曲、19分の EP。1曲目はまるで目に見えないラジオでもチューニングするように、ある程度の形を持った「音楽」の断片とノイズなど「音」を交互に挟んだ物。ユーモアも垣間見られ、次の瞬間に何が出てくるか分からない面白さがある。2曲目は1曲目と同じ音量では聴き取れないほど底のほうでなるミニマルなトラック。と油断すると3曲目の冒頭のノイズでびっくりさせられる仕掛けになっている。 (2003/10/29)
● CD もレコードもTシャツもアートブックも全て通し番号が振られている。
Katalog / Kim Hiorthøy (2003; Smalltown Superbooks; STS072)
Kim Hiorthøy
Smalltown Supersound 、いや Smalltown Superbooks 初の印刷物。2003年2月にオスロで開かれた Kim Hiorthøy の展示会のためのカタログ。展示会は写真と映像作品を集めたもので、このカタログも写真(スチール写真のようなものも含む)とそれをコラージュしたもので構成されている。ただ、なぜか実際の展示会(> 簡略レポ 2003年2月28日付diary)にあった作品とはまったく一致しない。A4 変形サイズで厚さ7mm 程度の小さなアートブック。彼の音楽同様、さりげない日常が彼独特の視線で捉えられている。 (2003/10/28)
● ビデオクリップのダウンロードは >> Smalltown Supersound の HP から。
Skull EP / Martin Horntveth (2003; Smalltown Supersound; STS067CD)
Martin Horntveth
Jaga Jazzist のドラマーでリーダーの Martin Horntveth の、"Fast Motion" (2002) に続く2枚目のCDEP。Martin Horntveth は Jaga Jazzist 以外に KILL という4人編成のユニットでの活動も行っていて、その音楽は本人曰く「デスメタル+エレクトロニカ」とのこと。そのバンドのメンバー Espen Hangård のやっているデスメタルバンド NoPlaceToHide のオリジナル(まさしくデスメタル+エレクトロニカ)などが入っており、完全な独り録音の前作よりバラエティーに富んでいる。電子音度は高く、彼らしく突っ込み気味のハイパーなビートが支配し、それでもなんともとぼけたユーモアのセンスもちらりと見えるところは彼自身のキャラクターもあるのだろうか。#2 "Comic" は Truls Haugland によるビデオクリップも製作されていて Martin Horntveth の音楽を見事に映像化したものとして面白い(それとも映像は後から作られたものではないのだろうか?) (2003/10/22)
● それにしてもどこへどう流れたのか手に入りにくいEP。
Day EP / Jaga Jazzist (2002; Smalltown Supersound; STS06612)
A1. Day
A2. Another Day
B1. Day (Martin Horntveth remix)
B2. Another Day (Eva Casal remix)
限定でリリースされた12"。"The Stix" からの A1 と A2 はアルバム中のハイライトの1つで2曲対になっているのに、それぞれ Martin Horntveth と Lars Horntveth の作曲とクレジットされているのが面白い。注目は B 面。B1 はオリジナルの作曲者 Martin Horntveth 本人によるリミックス。ハイパーなドラムンベースの原曲を回転数を落して回し、各パートはバラバラに解体し、トランペットもヴィブラフォンものびのびにふやけている意表をついた展開。B2 はベルリン在住のドイツ人女性DJ/クリエイター Eva Casal (近々Smalltown Supersound からアルバムをリリース予定)による B1 とは好対照のリミックス。音楽というよりノイズに近い音に加工され、人工的なテクノに変貌。アウトロまで気が抜けない。 (2003/10/20)
● ↓ の Jørgen Træen は今回はマスタリングで参加。
Pancakes / Jazzkammer (2002; Smalltown Supersound; STS064CD)
Lasse Marhaug, John Hegre; w/ Alexander Rishaug (on track 2)
ノルウェーのスタイゲン、ベルゲン、トロンハイム、オスロ、それに東京、エジンバラでの2000-2002年の音源。最初の20秒ほどは今までの彼らの音から想像がつくノイズがいっぱいに広がるけれど、そのあとぴたりと静かになってしまい、普通の音量でスピーカーで鳴らしていると聞こえないくらいの音量の音が延々続く。ヘッドホンをして、かなりボリュームを上げてやっと底のほうで何か音がしているのを捉えることができる。その音は結構バラエティーに富んでいて、じっくり聴いてみると面白い。耳からダイレクトに神経に作用する音。冒頭のようなノイズはそこのみ、あとは見かけ静かで実際は不規則になにか音が発生しているような、どちらかというとミニマル音響物。Lasse Marhaug によるラフでコントラストの強いアートワークの内側にはあまり美味しそうではないパンケーキの写真。 (2003/10/16)
● 曲名以外の録音に関するクレジットは "Made in Duperland by Dupermann" のみ。
Sir Dupermann / Sir Dupermann (2002; Smalltown Supersound; STS062CD)
Jørgen Træen
Sir Dupermann こと Jørgen Træen は、Jaga Jazzist をはじめ、シンガーソングライターの Magnet や Sondre Lerche 、それにノイズユニット Jazzkammer など幅広いジャンルの音楽を手がける超売れっ子プロデューサーで、このアルバムが彼自身のファーストアルバムとなる。彼が手がける録音はどれも凝ったポストプロダクションによりキラキラとした装飾が加えられているけれど、その装飾の部分だけを集めたみたいなアルバム。感情とか手触りといった人間的な要素を一切排し、徹底的に人工的な音作りがされている。それなのに全く冷たく感じられないのは、遊び心があるからだろうか。このレーベルらしくないサファリ風アートワークには南の国の動物と宇宙飛行士と子供。まるでテレビかテレビゲームの中のバーチャルリアリティーのBGMのようでもある。個人的にはシリアスな最終トラックがよい。 (2003/10/15)
● STS 特集の途中ですが…。
Fantasin Finns I Värkligheten - Japan Selector / Kim Hiorthøy (2002; P-Vine Records / Smalltown Supersound)
Kim Hiorthøy
Smalltown Supersound レーベルから発売された "Hei" (2000) から6曲、"Melke" (2002) から2曲、それにニューヨークでの未発表ラジオセッション3曲の日本特別編集盤。タイトルはスウェーデン語で、英訳すると "The Imagination is in Reality"、ただし värkligheten は verkligheten (現実) と värk (痛み) を合わせた造語とのこと。編集盤ながら、それぞれの曲がどれも Kim Hiorthøy らしさを持っているため、ばらばらな印象はない。2枚のノルウェー盤とこの国内盤、どれか1枚となると迷うかもしれない、つまりなかなか上手い企画だと思う。ジャケット写真を手がける日本人アーティスト Yuichiro Fujimoto は近々Smalltown Supersound からアルバムをリリースする。 (2003/10/14)