discs - January 2005

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last updated: 18 January 2005


● Smyr は今年同じ AIM から英詞のセカンドアルバムをリリース予定。


St. Sunniva / Smyr (2003; AIM; AIMCD 100)
Gunhild Marie Roald (vo), Anne Birte Bjørdal Hanken (vo), Kristin Eidhamar (vo), Ingvild Drønnen Storsten (vo)
若い女性ばかり4人のボーカルグループのデビューアルバムで、この作品は全編アカペラ。ノルウェー最初にして最後の聖女といわれる St. Sunniva の伝説をモチーフにしたもので、詞はノルウェー語と若干のラテン語、メロディーはメンバーによるものがほとんどを占める。中世的な教会音楽の色合いのものもあるが、演劇的な曲、さらには民俗音楽的なものと幅広い。良い意味であまり学究的でなく、緩やかなハーモニーは人間的で、歌詞が分からなくともストーリーの存在を感じさせる。オスロのレーベル AIM (Acoustic Improvised Music) Records の最初のリリースで、レーベル名どおりこの作品に関してもいくらかインプロの要素が伺えるのがユニークだ。(2005/01/18)

● AIM102↓ と 100 ↑の間の 101 は Mike and the Blue Family というアーティストでどうやらロック/ポップス系らしいが、なぜかレーベルサイトには一切掲載されていない。


Mostly Harmless (Songs) / Damp (2003; AIM; AIMCD 102)
Asbjørn E. Lerheim (g), Jørgen Munkeby (sax), Roger Arntzen (b), Torstein Lofthus (ds)
オスロ音大の学生仲間により結成されたグループで、曲は全てギタリスト Asbjørn Lerheim のオリジナル。肩の力が抜けたリラックスしたアコースティックジャズで、ややフリーフォームな曲を実に穏やかに演奏している。それぞれのプレイヤーの演奏は決して火花を散らしたりせず、またピリピリした緊迫感とも無縁だけれど、どこか緩やかにテンションが保たれていてなかなか心地よい。細かい手数で音楽を進めるリズムセクション(ドラムの Torstein Lofthusの感覚が現代的で面白い)と非常にオーソドックスなジャズギターらしい音のギターを従えて、70パーセントくらいの力ではないかと思うような柔らかい軽やかな音でするするっとさりげなく鮮やかなパッセージを紡ぎだす Jørgen Munkeby のサックスにはっとさせられる。2001年フランス・アヴィニヨンで行われた"European Jazz Contest" でのこのグループの演奏で彼はベストソロイスト賞を受賞している。 (2005/01/14)

● かなりのレア盤、演奏もアートワークもよいので探す価値はあると思う。


Live From Kongsberg / Kornstad Trio with Axel Dörner (2003/2004; Jazzland; 0602498128039; 2x12"only)
Håkon Kornstad (ts), Axel Dörner (tp), Mats Eilertsen (b), Paal Nilssen-Love (ds)
Kornstad Trio は2002年7月のコンクスベルグ・ジャズフェスティバルでノルウェーの最も大きなジャズ賞の1つ Vitalprisen を受賞し、その記念として翌年の同フェスティバルで行われたコンサートを収録したもの。ゲストのドイツ人トランペッター Axel Dörner は、最近の実験的路線ではなくきちんと普通にフリーに吹いている。ファーストアルバム "Space Available" (2001/2; Jazzland) との重複曲はなく、Roswell Rudd の "Keep Your Heart Right" 以外は Håkon Kornstad の曲が2曲、そして Mats Eilertsen の曲がなんと4曲。2管の伸びやかで自由な吹き回しも爽快だけれど、耳はどうしてもリズムセクションへ。特に Mats Eilertsen のオリジナル #A2〜#B1、そのMats Eilertsen が細かくうねるようなフレーズを連発し、Paal Nilssen-Love がビシリと合わせる現代的なビートがとにかく格好いい。重量盤 12" の2枚組(アナログのみ)の限定盤として、ノルウェー国内でリリースされた作品。 (2005/01/13)

● Motif のピアニスト David Thor Jonsson の作品をもう1枚。


Rask / Davíð Þór Jónsson (2002; Ómi; Ómi Jazz 006)
Davið Þór Jónsson (p), Valdimar Kolbeinn Sigurjónsson (double-b), Helgi Svavar Helgason (ds, per, sample), Eiríkur Orri Ólafsson (tp on #5, 8, 10), Jóel Pálsson (ts, ss on #5, 6, 8), Matthías M.D. Hemstock (ds, per on 6, 8)
アイスランド人ピアニスト David Thor Jonsson (録音時若干23歳)の初リーダー作。ジャズよりロックをにおわせるドラム、粘りつくような重心の低いグルーヴを生むベース、そして凍てつくような硬質な響きのピアノによるトリオをベースに、曲によって管楽器とドラムをもう1人加え変化をつけている。複雑なアレンジのフリーフォームなジャズで、書かれたパートに即興演奏を織り込み、音楽を最後まで動きのあるものにする曲とアルバム全体の構成が見事。繊細さと大胆さの両方を持ち、#7 と最終トラック #10 の後のシークレットトラックでの静かに流れる美しいピアノソロが格別の余韻を残す。ピアニストがリーダーのアコースティック・ジャズの作品としてはここ数年私が聴いた中で最も印象に残るものの1枚で、これが人口わずか28万人の国の中でしか流通していないことを本当に惜しく思う。 (2005/01/11)

● (音楽とは関係ないとはいえ) Fujiwara Teika 略して→ F. Teika、Ono No Komachi 略して→ Komachi は違うと思う…。


Disappearhear / Disappearhear (2004; Park Grammofon; PGCD 102)
Sissel Vera Pettersen (vo, sax), David Thor Jonsson (p)
ノルウェー出身で現在はデンマーク・コペンハーゲンで活動するシンガー/サックス奏者/画家の Sissel Vera Pettersen (b. 1977) とアイスランド出身でノルウェー・トロンハイムで学び、現在は Motif のメンバーとしても知られる David Thor Jonsson (b. 1978) のデュオ初レコーディング。"Ballad Of The Sad Young Men" と "Alone Together" 以外は2人のオリジナル。歌詞の中には小野小町や藤原定家の句を使ったものもあるが、英訳なので違和感はない。1999年から活動しているこのデュオはいかにも北欧らしいしんとした空間を持っている。様々な曲があるが、ヴォイスパフォーマー的なアヴァンギャルドさを見せるものより、普通に歌っているもののほうが雰囲気が活かされている。ただ声そのものに何かもう1つ魅力があれば面白いのだけれど。 (2005/01/07)

● スタジオの前に公園があるからこういうレーベル名になったのかもしれない…。


Skomsork / Skomsork (2004; Park Grammofon; PGCD 101)
Erlend Skomsvoll (key), Eirik Hegdal (sax), Thomas T. Dahl (g), Ole Marius Sandberg (double-b), Thomas Strønen (ds); with Cikada String Quartet: Odd Hannisdal (vln), Henrik Hannisdal (vln), Marek Konstantynowicz (vln), Morten Hannisdal (cel)
Come Shine などで知られるコンポーザー/アレンジャー Erlend Skomsvoll のグループで、名前は "Skomsvolls Orkester (=Orchestra)" を約めたもの。ひねりの効いたアレンジをさりげなく聞かせる手腕はさすがで、ジャズロックをベースに様々な要素を織り込んでいる。曲そのものは特に北欧的ではなく、むしろ Erlend Skomsvoll が80年代のアメリカのジャズに影響を受けているのがよく分かる。#1 をはじめとしたいくつかのグルーヴィーな曲の出来が素晴らしいが、他の曲はややユルい気も。トロンハイム音楽院の仲間を集めたメンバーそれぞれの演奏は非常にレベルが高く、特に Eirik Hegdal のソプラノサックスが印象に残る。オスロのスタジオ Musikkloftet が設立した新しいレーベルの第1作。(2005/01/06)

● 久しぶりにディスク紹介を。


Dual Pleasure 2 // Paal Nilssen-Love / Ken Vandermark (2004; Smalltown Superjazzz; STS085CD)
Paal Nilssen-Love (ds, per), Ken Vandermark (ts, Bb-cl, bcl)
"Dual Pleasure" (2002; Smalltown Supersound) に続くデュオ2作目。前作はとんでもなくハイテンションな演奏が63分にも渡って続くスタジオ盤だったが、今作は 60分のスタジオ録音(2003年9月18/19日)と61分のオスロでのライブ録音(2003年9月22日)の2枚組。前作よりやや落ち着き、スリリングな中にも安定感が感じられる。火花散るインプロというより息の合ったデュオといった演奏は、テンションの高い部分から、ふとこの2人の演奏を聴いているのだということを忘れそうになるほど静寂でまた軽やかな部分もあり、より幅広い音楽性を見せている。元 Jaga Jazzist の Jørgen Munkeby から借りたというバスクラリネットによる演奏がテナーとはまた違う味で面白い。 (2005/01/04)

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