discs - July 2005

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last updated: 10 July 2005


● オフィシャルサイト >> www.shining.no


In The Kingdom Of Kitsch You Will Be A Monster / Shining (2005; Rune Grammofon; RCD2044)
Jørgen Munkeby (sax, fl, cl, g, el-b, rhods, synth, p, accor...), Aslak Hartberg (ac-b, el-b, ds-machine, per...), Torstein Lofthus (ds, per), Morten Qvenild (rhods, synth, clavinet, p, celesta...), Andreas Hessen Schei (additional synth on #4)
Jaga Jazzist のオリジナルメンバーだった Jørgen Munkeby がもっとシリアスなアコースティックジャズを追求すべく始めたバンド Shining の、"Where The Ragged People Go" (2001; BP), "Sweet Shanghai Devil" (2003; Jazzland) に続く3作目。先の2作から豹変、ズダズダのリズムとエレクトリックな音によるプログレやヘビーロックと言うべきサウンドが展開されており、まずは驚かされる。前作に収録されていた "Where Do You Go Christmas Eve?" をリアレンジした#5、古巣 Jaga Jazzist の EP "Magazine" (1998) の収録作をモチーフとした #9 の他、個々の楽曲の凝った展開やアイディア、プロデューサー Kåre Chr. Vestrheim の趣味が全面に出たサイケデリックな音作りも面白い。ただ、全体としてはファーストアルバムから続くバンドとしての「模索」が本作でも未だに感じられる。尚、Morten Qvenild (key) は2004年秋の本作のレコーディングをもって自身のバンド In The Country に集中するため脱退。後任は Jaga Jazzist から Morten Qvenild が抜けた際も後任を務めた Andreas Schei で、アルバムの仕上げに1曲のみ参加している。 (2005/07/10)

● クレジットにある Nicholas H. Møllerhaug はこの周辺の人物 > www.pilota.fm


Miniatures / Alog (2005; Rune Grammofon; RCD2043)
Dag-Are Haugan & Espen Sommer Eide;
with: Nicholas H. Møllerhaug (cel, voice), Sigbjørn Apeland (org), Rikard Strømsodd (fieldrecording)
"Red Shift Swing" (1999), "Duck-Rabbit" (2001) に続く3作目。陰影、色彩の混合、遠近感、顔の特徴、そして個々の物体の特徴−それら全てを排除するトルコの伝統絵画「ミニアチュール」(いわゆる細密画)にインスパイアされたという作品で、そのコンセプトと音、そして Kim Hiorthøy によるアートワークが見事に一致する。オルガンやチェロ、ギターにマリンバといったアコースティックな楽器、エレクトロニクスによる電子音、さらに人の声やフィールドレコーディングまでもが音要素として同列に並べられ、それぞれの音は反復されるが、少しずつ変化していき穏やかに音楽が浮かび上がる。これまでの Alog や2人のソロ作に見られる手触りの良さを保ったミニマルな音楽。丁寧に作られた緻密な音楽だが、"St. Paul Sessions II" のようにライブ音源が元になっているものもあり、アルバム1枚としてトータルな作品というよりさしずめスケッチ集といった趣で、トラックにより実に様々な手法や多様な音楽性が潜んでいる。(2005/07/09)

● このメンバーチェンジで今後どうなるのだろう…?


Last Supper / Food (2004; Rune Grammofon; RCD2041)
Thomas Strønen (ds, electronics), Iain Ballamy (sax, electronics), Mats Eilertsen (b, electronics), Arve Henriksen (tp, voice, electronics)
"Food" (1999; Feral), "Organic & GM Food" (2001; Feral), "Veggie" (2002; Rune Grammofon) に続く4作目で、これまでで最もスタジオ録音の比率が高い作品。Helge Sten のプロデュースによるアンビエントな前作から一転、本作では Thomas Strønen のプロデュースにより温かみを感じる穏やかな作品となっている。Thomas Strønen はメンバーのクレジットでも筆頭になっており、彼独特の空間に対するセンスが大きく発揮されている。結成当初からの彼らの一面である #5、その名も "Junkfood" のような奇抜なアグレッシブさを見せる曲もあるが、全体としては美しいメロディーのほうが印象に残る。エレクトロニクスを多用しながらもそれを柔らかな音のアコースティックな楽器と完全に融合、トータルの感覚はアコースティック。尚、Arve Henriksen は本作のレコーディング後、2003年いっぱいでグループから脱退しており、これがこのメンバーによる「最後の晩餐」となる。後任は Farmers Market のメンバーとして知られる Nils-Olav Johansen (g)。 (2005/07/08)

● ボーナストラック入り2枚組アナログ盤のリリースは一体どうなってしまったのだろう…。


Luggumt / Scorch Trio (2004; Rune Grammofon; RCD 2040)
Raoul Björkenheim (el-g, el-viola da gamba), Ingebrigt Håker Flaten (double b, fender b, electronics), Paal Nilssen-Love (ds, per)
2002年の衝撃的なファーストアルバム "Scorch Trio" に続くセカンドアルバム。流れるようなメッタ打ちドラム、クレイジーなまでに歪んだ音で弾きまくるエレキギター(という言葉がぴったり)、そしてそのやりたい放題の両者を高速ながら結構シンプルなフレーズでしっかり捉えるベースという前作からの流れのアグレッシブさは健在、アンサンブルとしてのまとまりも加わっている。さらに韓国の宮廷音楽にインスパイアされたという比較的スローで音数が少なめのトラックは、非西洋音楽的な「間」の即興音楽的解釈とも取れ興味深い。動と静のコントラストが印象的で、その演奏からは潔さのようなものを感じる。尚、アルバムタイトルを始めとする収録曲のタイトルに並ぶ不可解な単語群は全て Ingebrigt Håker Flaten の出身地 Tøndelag 地方の方言で、"luggumt" は英語の "good" の意だそう。 (2005/07/02)

● 最近の RG リリースで未紹介のものを。


Oak Or Rock / Phonophani (2004; Rune Grammofon; RCD 2038)
Espen Sommer Eide with Nicholas H. Møllerhaug (cel), Maja Solveig Kjelstrup Ratkje (voice)
同じ Rune Grammofon に所属するエレクトロニカデュオ ALOG の片方、Phonophani こと Espen Sommer Eide の "Phonophani" (1998; Biophon), "Genetic Engineering" (2001; Rune Grammofon) に続く3枚目のソロ作。基本的に音楽を構成しているのは電子音で、そこに楽器の音や人の声 (Maja Ratkje が参加するのは1曲のみだが、他のトラックでも人の声が聞こえる)、テープに録音された音源などが挟まれる。機械から作られた無機質な音と、無機質なタッチに加工された有機的な音のアンサンブルが奏でるのは決して手の届かない非現実的なノスタルジーと、不条理な歪みを持つミステリー。音以外には、このアルバムだけ他の Rune Grammofon のリリースとジャケットの手触りが異なるもの気になる。 (2005/07/01)

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