discs - January 2007

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last updated: 26 January 2007


● ドイツレコード批評家賞受賞作。


Boahjenásti - The North Star / Geir Lysne Listening Ensemble (2006; ACT 9441-2)
Ketil Einarsen (afl, fl, piccolo fl), Morten Halle (as, ss, fl), Klaus Holm (as, fl), Tore Brunborg (ts, fl), Fredrik Ø. Jensen (ts, accor), Bernhard Seland (bs, bcl), Frank Brodahl (tp, flh), Marius Haltli (tp, flh), Ole Jørn Myklebust (tp, flh), Eckhard Bauer (tp, flh, vo), Helge Sunde (tb), Christian Jaksjø (tb), Jørgen Gjerde (tb), Anders Wiborg (btb), Jørn Øien (key), Hallgrim Bratberg (g), Jan Olav Renvåg (double-b, el-b), Knut Aalefjær (ds), Terje Isungset (per, vo, jew's harp), Geir Lysne (cond, comp), Sein Andre Hovden (live sound engineer), Johan Sara (yoik)
"Aurora Borealis" (2000, Groove Records), "Live In Berlin - Aurora Borealis" (2002, ACT), "Korall" (2003, ACT) に続く4作目。20人編成のビッグバンドの顔ぶれは4作を通してあまり変わっていない。自らのルーツであるノルウェー/北欧の地からの影響やインスピレーションを一旦全て消化し、大編成ブラスアンサンブルという型で自分の音楽として丁寧に再編しなおしており、ジャズの要素もトラッドの要素もあまりダイレクトに見えないところが個性となっている。この作品では、1曲で北欧のさらに北方のサーメ人の歌唱ヨイクをポイントにしているが比較的穏やかなもので、もっと異彩を放つのがこのアンサンブルの中での Terje Isungset の口琴。(2007/01/26)

● Berit Opheim は今月末にオルガン奏者 Sigbjørn Apeland とのデュオ作を NORCD からリリース予定。


Song / Utla (2003; NORCD 0351)
Håkon Høgemo (hardanger fiddle), Karl Seglem (ts, ram's horn), Terje Isungset (ds, per, jew's harp) with Berit Opheim (vo)
Høgemo / Seglem / Isungset によるトリオ Utra (グループ名は英語の placed にあたる)の、"Juv" (1993), "Brodd" (1995), "Dans" (1999) に続く4作目、さらにそれより前に Høgemo / Seglem のデュオ名義で Isungset も参加する "Utla" (1992) がある。ノルウェー語(ただし Nynorsk)のアルバムタイトル「歌」の通り、全面的にゲストの女性トラッドシンガー Berit Opheim をフィーチャーしている。Utla の根ざすものも Berit Opheim の歌もトラッドというよりもっと深く土着の精神を追求するものだが、表現方法はバラエティーに富んでいて型にはまっていない。楽器の構成などから思い描く音より相当ダイナミックだ。 (2007/01/23)

● 今年で結成20年!


Fire / Isglem (2003; NORCD 0343)
Terje Isungset (ds, per, ram's horn, voice), Karl Seglem (ts, ram's horn, electronmics, voice)
1987年に結成された ISungset + seGLEM デュオの "Rom" (1991), "To Steg" (1992), "Null G" (1996) に続く4作目で、アルバムタイトルはノルウェー語の「4」。Glemis - Melsig - Glimse … とアナグラムのタイトルが付けられた12曲はいずれも短めのインプロセッション。ただし、楽器の音、特に角笛の音が土着の響きで、普通のインプロとはずいぶん印象が異なる。あくまでジャズ的なものではないが、Terje Isungset が比較的規則的なビートを持ち込む曲が数曲あり、その素朴なグルーヴがアルバムのアクセントになっている。 (2007/01/19)

● FMR の Grode Gjerstad のデュオ・シリーズはどれもかなり面白いので他の作品も要チェック。


Shadows And Lights // Frode Gjerstad / Terje Isungset (2001; FMR; FMRCD89-1101)
Frode Gjerstad (cl), Terje Isungset (per)
相当な枚数がリリースされているイギリス FMR Records からの Frode Gjerstad (b.1948) のデュオ・シリーズの1枚。ノルウェーのフリージャズの礎を築いた(そしてもちろん今でも現役の)リード奏者と民俗音楽色が強いパーカッショニストの組み合わせは意外に思えるが、2人は1980年代後半から交友関係があり、1990年代に入ってからは様々なグループで共演しているという。Terje Isungset の住むベルゲンの、彼の娘が通う小学校の体育館で録音されたこのアルバムは、フリーな演奏の中にもメロディアスなラインを残すクラリネット/バスクラリネットの柔らかな音と、木や石、ベルなどの素朴な音が心地よい、リラックスした雰囲気だ。全12曲、順に Part 1〜12 と番号が振られた自由なセッションの記録だが、それぞれのトラックの異なる楽器や演奏のアイディアにより飽きさせない。(2007/01/11)

● 祝!来日ということで、実はたくさんある Terje Isungset 関連を。


Middle Of Mist / Terje Isungset (2003; NORCD 0348)
Terje Isungset (voice, jew's harp, drums, per, ram's horn, stones, wood, waterphone, whirling overtone hose)
"Reise" (1997), "Floating Rhythms" (2000), "Iceman Is" (2002) に続く Terje Isungset の単独リーダー作4作目で、初めての完全なソロアルバム。レコーディングからポストプロダクションまで全て Helge Sten が手がけており、オスロ市内のソフィエンベルグ教会とエマニュエル・ヴィーゲラン博物館というよく響く特殊な音響のスペースでの録音と相まって、宇宙的な「Helge Sten の音」に仕上がっている。特に極端に残響が長い後者での録音は、ジューズハープなどがまるで別の楽器のように太い音で弾け、その後に轟々とした風のような音が続き迫力がある。しかし中盤、細かな打楽器をかき鳴らし始めたあたりから、Terje Isungseg らしく「よくわからないけれど気がついたら何だか盛り上がっている」状態に突入する。音楽以前の原始的な音の表現者 Terje Isungset と、スペイシーな音響を得意とする Helge Sten という2つの異なる強い個性の調和が面白い。 (2007/01/10)

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