last updated: 16 February 2007
● …というわけでいよいよ Terje Isunget 来日公演!
Two Moons / Terje Isungset (2007; All Ice 0702)
Terje Isungset (ice per, voice, icehorn), Per Jørgensen (voice, ice tp)
Terje Isungset の6枚目のソロアルバム。氷の小屋イグルーの中で録音されており、スタジオとも屋外とも異なる独特の空間を感じさせる音響だ。全ての楽曲に作曲のクレジットがあることからこの音楽が完全な即興演奏ではなく幾分書かれたものであること、それに音数が非常に少なく、先の音響を活かすような演奏になっている点で Terje Isungset の他の作品とは大きく異なる。Per Jørgensen のとても人間的なエネルギーを感じるボーカルがとても効果的に挟まれ、氷の奏でるミステリアスな響きに命を吹き込むかのようだ。氷の音楽も "Iceman Is", "Igloo" に続きこれが3作目だが、1作ごとに異なるコンセプトでまとめられたそのユニークなアイディアはまだまだ尽きない。 (2007/02/16)
● リリース元はフィンランドの小さなレーベル >> Ektro Records
Aihki / Jorma Tapio & Terje Isungset (2006; Ektro Records; EKTRO-039)
Jorma Tapio (fl, bell, voice, kantele, per), Terje Isungset (ds, jews harp, voice, per)
Jorma Tapio は Edward Vesala との共演などで知られるフィランド人サックス奏者 (b. 1954) だが、この Terje Isungset との共演では、扱っている楽器、それに演奏も相当その共演者に接近したものになっている。3分の2のマテリアルは2005年3月フィンランド・タンペレでのライブ録音、残りはスタジオ録音で、全て即興演奏とクレジットされている。最近の Terje Isungset のリリースの中でもひときわ原始的な音で、録音まで素朴な手触りのため、音楽というよりパフォーマンスに近い印象を受ける。ほんのわずかにフリージャズの要素が感じられるのは Jorma Tapio のカラーだろうか。 (2006/02/14)
● 冒頭、お客さんが何かにウケて笑うシーンがあるがその理由は音からは不明で気になる。
Live At Vossa Jazz 2003 // Didier Petit / Terje Isungset (2006; Vossa Jazz Records; VJ06011-2)
Didier Petit (cel), Terje Isungset (per)
タイトルどおり、Terje Isungset とフランスのチェリスト Didier Petit の2003年4月13日ノルウェー・ヴォスでの共演ライブ録音盤で、リリース元はフェスティバルの独自レーベル。CDに書かれた楽器のクレジットはシンプルだが、実際は Terje Isungset は口琴なども演奏しており、また両者ともに声のパフォーマンスがかなり入る。様々な細かい音の打楽器と、長い音を弾くことができるチェロが好対照をなす場面もあるにはあるが、どちらかというとこのデュオを2人の演奏に区分することは難しい。全て即興演奏のようで、音楽はジャズ色は皆無、本能的な音と声のセッションとでも言うべきだろうか。これがこの2人の初めての共演と知り驚かされた。 (2007/02/13)
● >> Torgei Vassvik @ folkedans.no (アルバムの音源ではないが、独特の歌の音源サンプルがある)
Sáivu / Torgeir Vassvik (2006; Iđut; ICD061)
Torgeir Vassvik (vo, frame drums), Anders Jormin (double-b), Arve Henriksen (vp, vo, electronics); with Per Oddvar Johansen (ds on #1, 6, 7), Terje Isungset (ds, on #9), Reidar Skår (electromics on #3)
Torgeir Vassvik はサーメの歌唱ヨイクと strupesang (喉から唸るように声を出すノルウェーの歌唱)のシンガーで、フレームドラム(音はまさしく「太鼓」)も演奏する。Arve Henriksen がプロデュースするこの作品がデビュー作で、アルバムタイトルは「聖なる丘」。その Arve Henriksen が彼のソロ作を思わせるようなくすんだトランペットやハイトーンヴォイスを披露し、1曲目から Anders Jormin × Per Oddvar Johansen というありそうでなかなかない取り合わせの ECM なリズムセクションが本領を発揮したりするが、Torgeir Vassvik の無骨なほどに力強い土着の歌の迫力が全てを圧倒する。ポップなアプローチを見せるサーメのシンガーも少なくない現在、全くポップな甘さのない彼の歌は、ヨイクより strupesang のアクの強さを感じることもあり、かの地の音楽を耳にする機会が少ない耳には衝撃的ですらある。(2007/02/08)
● >> 「イグルー」@ wikipedia/JP
Igloo / Terje Isungset (2006; All Ice 0601)
Terje Isungset (ice per, ice bass drum, iceofon, icehorn, iceharp, vo, whirling overtone hose), Sidsel Endresen (vo)
毎年1月に氷の音楽のCDを1枚ずつリリースする Terje Isungset のレーベル All Ice Records の最初の作品で、氷の音楽のアルバムとしては "Iceman Is" (2002; Jazzland) 以来2枚目、Terje Isungset のリーダー作としては5作目となる。アルバムタイトルはイヌイットの言葉で、雪や氷で出来た家/小屋の意の iglu の英語表記。Terje Isungset はこの作品では全ての氷の楽器や、また楽器というよりもっと原始的な音を奏でる物体も演奏しており、その音は氷とは思えないほど豊かな音色で、とても深く、冷たさよりむしろどこか温かみを感じさせる(特に #5 の穏やかな暖色系の音響が印象に残る)。Sidsel Endresen は前衛度は比較的抑え目に、とてもナチュラルな、言葉以前の歌を静かに歌っている。 (2007/02/07)
● ライナーノート等はノルウェー語・中国語・英語・フランス語4カ国併記。
Live In China / Bridges (2005; Heilo / Grappa; HCD7201)
Wu Chuan Ping (vo), Lu Yingmei (vo), Pan Zin Xhi (vo), Wu Anhua Donliang (vo, Dong pipe, ox-bone fiddle, Dong flute, lusheng), Unni Løvlid (vo), Frode Haltli (accor), Terje Isungset (per)
ノルウェーのトラッドシンガー Unni Løvlid が2003年〜2004年に中国南西部に位置する貴州省の唐安という村を訪れたことから始まったプロジェクトで、その Unni Løvlid がイニシアチブを取っている。2004年にノルウェーで一度共演した後、2005年6月に中国で再共演した際のライブ録音がこの作品。少数民族トン族の民俗音楽とノルウェーのトラッドなどのミクスチュアで、収録されている曲のタイトルも半分はノルウェー語で半分は中国語、しかしその音楽は見事に融合しており、この異国のミュージシャンたちの共演の理由を音楽から聞き取るこができる。音楽や楽器、メロディーなどはノルウェーのものもトン族のものも日本人の耳にはエキゾチックだがお互いにはあまり違和感がなく、唯一発声法のみが大きく異なる。ブックレット写真ののトン族の服装など風俗、棚田、そしてアルバムタイトルにもなっている家のような屋根を持つ木製の橋など視覚的なものの方が音よりエキゾチック。 (2007/02/06)