last updated: 25 February 2010
Yeraz // Trygve Seim / Frode Haltli (2008; ECM 2044)
Trygve Seim (ss, ts)
Frode Haltli (accor)Trygve Seim のグループで共演し、共に ECM からリーダー作を2枚リリースしている2人の初デュオ作。タイトルトラックはアルメニアのトラッドで、現在のアルメニア領のアゼルバイジャン人、そして固有の土地を持たない人のことも指す言葉だ。楽曲はそのアルメニア出身のG.I. Gurdjieff(1866-1949)の楽曲から Bob Marley まで飛ぶが、多くは Trygve Seim 周辺のオリジナル。そのうちのいくつかは、Airamero (アルバム "Airamero" 1994年)、The Source、Close Erase、そして Trygve Seim のアンサンブルなどで演奏されているもので、聴き比べれば、ここでのデュオバージョンの極めて少ない音での豊かな表現をよく理解できるだろう。ECMではお馴染みのレインボースタジオでの録音だが、広がりよりも親密さを感じる録音で、このデュオのやり取りを身近に感じられる。Trygve Seim のサックスが少しくすんだとても柔らかい音色でラインを描き、Frode Haltli のアコーディオンはとても自然な呼吸で音楽を静かに揺らす。優しいメロディーと相まって、とてもチャーミングなデュオだ。(2010/02/25)
Whiteout / In The Country (2009; Rune Grammofon; RCD2086)
Morten Qvenild (grand p, synth, rhods, progrramming, vo)
Roger Arnzen (double b, vo)
Pål Hausken (ds, cynacord percuter, per, vo)
Andreas Mjøs (g, vib, mar, vln, programming, per)2007年7月に地元 Kongsberg のジャズフェスティバルで、ノルウェー国内で最も権威あるジャズ賞の1つ DnBNOR Prisen を受賞した Morten Qvenild が、翌年2008年の同フェスティバルのステージで受賞記念の委嘱作品として発表した楽曲をまとめた作品で、トリオ In The Country の3作目。当初の公演は In The Country のメンバーを起用しながらも Andreas Mjøs を加えたカルテットとして構想されたもので、ピアノトリオとヴィブラフォンの音などがよく合っている。 また Andreas Mjøs は、共同プロデューサーとしても In The Country の持つ独特の繊細な音をよく引き出している。ストーリーを感じさせる楽曲も、少し風変わりなメロディーも、アコースティック/エレクトリック織りまぜたカラフルな音色の演奏もよいが、アルバム全体を通しての大きな流れ、もしくは柱のようなものがなく、少し散漫な印象を受ける。プレミア公演を含めライブで数回披露された際は Susanna Wallumrød が一部でゲスト参加し、Morten Qvenild とのデュオ Magical Orchestra とは異なる動きのある歌を歌った場面がハイライトだったが、レコーディングに際しこのパートが外された、というのはとても大きい。(2010/02/24)