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2006-12-05 拾得 (東京)
「白、この上無い」
細胞文学
Benni Hemm Hemm
Flís
Kira Kira
Paul Lydon
>> photo
告知では、出演するのは今回のイベントを企画された京都のデュオ細胞文学、それにアイスランドから
Benedikt H. Hermannsson ソロ、Kira Kira、Paul Lydon の4組、それにシークレットゲストの出演がある、とのことだったので一体誰だろうと(後で分かるのだが、一瞬私の頭を過ぎった
Hilmar Jensson は東京公演の後速攻で帰国したらしい)思いつつ、45分遅れ(※平日に6時半開演とは!)で会場へ。妙な扉を開けると中からブラスの音がいっぱい響いてくる。???Benedikt のソロ、ということだったのに、Benni Hemm Hemm になっちゃったらしいことはすぐに分かり、一杯に埋まった会場に半分顔を突っ込みステージを見回すと、何と Davíð Þór Jónsson (David Thor Jonsson) がベース(エレベ)を弾いている。彼が Benni Hemm Hemm のメンバーだということはもちろん知っていたが、楽器までは深く考えていなかったので、このバンドでは彼はベース担当なのだということをやっと把握し、彼の姿を見れるとは&しかもベースを弾いているなんてと一人でびっくり。ステージ上には見たことのある顔がもう2人、Davíð Þór Jónsson とはよく一緒に演っていて、2004年8月にオスロで見たとき(> オスロ滞在記2004年8月13日付)も一緒だったドラマーの Helgi Svavar Helgason 、それにちょうど1年前、やはり同じアイスランド の Múm のツアーメンバーとして来日していたトランペッターの Eiríkur Orri Ólafsson。ステージ上はぞろぞろと9人(編成はちなみに Benedikt H. Hermannsson (g, vo), Helgi Svavar Helgason (ds), Davíð Þór Jónsson (b, p), Róbert Sturla Reynisson (g), Finnur Ragnarsson (tb), Leifur Jónsson (tb), Elsa Kristín Sigurðardóttir (cor), Eiríkur Orri Ólafsson (tp), Áki Ásgeirsson (tp)、たぶんこれで合っていると思う)ものメンバーが上がり、のほほんとしたアイスランド語ボーカル&ブラスバンドの世界が展開されている。Davíð Þór Jónsson は時折ピアノの前に座り、ポロリポロリと爪弾いたりしているが、ベースの腕も結構なもので、この編成、こののどかな音楽をちゃんと動かす役割を果たしていた。Helgi Svavar Helgason は2年前よりさらに大きく(!)なった気がするのはともかく、音は相変わらずどかどかとでかい(マイクで音を拾う必要はないんじゃないかと)が、演奏は前回よりずいぶんよい印象を受けた。
で、わらわらとステージからメンバーが去っていった後も数人残り、そこに1人加わったところでアナウンス。これから
Flís として15分ほど演奏してもらいます、と。トリオの Flís
、とアナウンスされたのにステージにに上がったのは4人、Davíð Þór
Jónsson (p), Valdimar Kolbeinn Sigurjónsson (b), Helgi Svavar
Helgason (ds) のレギュラーの3人に加えて Róbert Sturla Reynisson
(g)。この Róbert Sturla Reynisson、先の Benni Hemm Hemm のステージから気になっていたが、とても面白いギタリストだ。Benni
Hemm Hemm ではのどかな音楽の中、1人奇音を発し続けていて、私の目と耳と好奇心は終始彼の演奏へ。一転
Flís は(この日の Flís の演奏は、とするのが正しいと思うが)どちらかというと静かめのアンビエントなインプロで彼の演奏は実によくはまってい(たぶんこの日の演奏を見た人たちは、彼がゲストだったとは思わないだろう)。若いメンバーはステージの左半分に集まって思い思いの方向に向いて座り、うつむいて音をはじき出す。終盤に
Davíð Þór Jónsson が本領を発揮し、ちょっと古ぼけた音を出すピアノからはっとするような鮮やかな音で現代音楽的フレーズを引っ張りだした。
セット替えにちょっと時間を置いてから、Kira Kira こと Kristín Björk
Kristjánsdóttir が登場。ラップトップにオルゴール、ギター、ボーカル、その他不思議な音の出るおもちゃのようなものを扱う。2005年にアイスランドのレーベル
Smekkleysa (Bad Taste) からリリースされたファーストアルバム "Skotta"
は、かわいらしい面とダークな面がバランスよくミックスされており、私はそのダークな部分にらしさを見出したのだけれど、この日のステージはかわいらしく、ドリーミーなサイドのみだった。2曲目からトランペットとラップトップでサポートした
Eiríkur Orri Ólafsson は、非常に控えめながら私が期待した部分を補うようなもので、そちらのほうが印象に残った。
トリはボストン出身でアイスランドに移住してもう20年になるという Paul Lydon、1人ピアノに向かってアイスランド語で歌う。私が残念ながら見逃したこの日最初に演奏した京都のデュオ、細胞文学の方が
Paul Lydon と連絡を取っておられ、東京での Kitchen Motors のミニフェスで彼が来日することをきっかけに今回の京都でのイベントの実現となったそうだ。アイスランド人の友人によると彼のアイスランド語はかなりアメリカ訛りだそうだが、そんなことはこの会場にいる日本人のほとんど誰にも分からない。ただ、母国語でない言葉で歌われる彼の歌を、その言葉を全く解さない満員のオーディエンスが固唾を呑んで聞く、その事実はとても不思議で、いいシーンだった。先ほど
Davíð Þór Jónsson により鮮やかな音を引き出されたピアノはまた元の姿に戻り、なつかしさを感じる調子の外れた音を出しているが、Paul
Lydon の素朴な「朗読」に近い世界にはこの音がよく似合っている。
最後にこの日出演した全てのミュージシャン、計算違いでなければ11人のアイスランド人と1人のアメリカ人、そして2人の日本人によるアイスランドのクリスマスソング
"Jólakötturrinn" (The Christmas Cat) のセッション。自分の楽器の他、勝手なものを演奏している人もおり、Davíð
Þór Jónsson はピアノもベースも取られていたからかトロンボーンを持って登場(何をやらせても上手い人は上手い!)、トロンボーンを取られたトロンボニストはコルネットを手に、コルネット奏者は歌を歌うという具合。曲は彼らの国ではそこそこ知られているクリスマスソングのようなのだけれど、皆必死にカンニングペーパー(歌詞が書かれているのか楽譜なのかは不明)を覗き込んでいるのがおかしい。ミュージシャンはステージから横の通路まであふれ、ゆるゆるの、けれどなんとも楽しい雰囲気のセッションは1曲で終わった。そして、この最後のセッションはこの日のイベントを象徴するかのようだった。
(2006/12/09)
2006-11-23 / 24 SUPERDELUXE (東京)
MZN3+Y
Kjetil Møster (ts, bs)
Per Zanussi (double-b)
Kjell Nordeson (ds, per)
八木美知依 (21- and 17 string kotos)
>> photo (coming soon!)
来日メモ > 2006年12月3日付diary
2006-11-02 鰻谷SANSUI (大阪)
Smalltown Supersound Japan Tour
Toy
Bjørn Torske
Kim Hiorthøy
Mental Overdrive
>> photo
メモ > 2006年11月17日付diary
2006-10-28 BLUES ALLEY JAPAN (東京)
Nik Bärtsch's Ronin
Nik Bärtsch (p, fender rhodes)
Björn Meyer (el-b)
Kasper Rast (ds)
>> photo
Nik Bärtsch が、神戸に住んでいた時は別とすると3度目の来日公演を行った。最初は2005年1月のソロ公演、次が同年11月の Mobile での全国ツアー、そして今回。この日が3泊5日の滞在日程で3公演(順にスイス大使館でのソロ、東京都内での Ronin trio の2公演)の最終日。
昨年の Moblile の来日公演で初めて彼らの音楽を聴き、 Nik Bärtsch の全リーダー作を聞き込み、新作
"Stoa" がリリースされ、オランダで Ronin の演奏を聴いていくうちに、データとして彼らについてわかったことがいくつかある。まず、彼らの音楽には「小節」がなく、言い換えれば「何拍子」という概念は全くない。Modul
xx と番号が振られた楽曲 − それを楽曲と呼ぶなら − は、さらに小さな「一区切り」、エレメントとでも呼べば良いようなフレーズの集合だ。エレメントはリピート記号で囲まれ、何度か繰り返される。ライブを何度か見て認識したのは、即興でないにせよ、エレメントの取り合わせは固定ではない、ということだ。Module
の冒頭に新しいエレメントが加えられることもある。アルバムしか聴いていないと知らない
Module が始まったように思うが、ある時突然聞き覚えのあるエレメントが登場し、番号こそ覚えていたりはしないが、聞いたことのある
Modul であることは結構認識できる。面白いことに、例えば最新作 "Stoa"
の冒頭の曲、"Modul 36" の最初のパートはこの日のセットリストでもやはり冒頭に登場したが、その次のパートはセカンドセットの中ほどに登場したりもした。
ピアノの Nik Bärtsch がステージ左端というのは通常のクインテット編成の時と変わらないが、今回はトリオ編成ということで、右端にドラムの
Kasper Rast、中央にベースの Björn Meyer という位置取り。Nik Bärtsch
はピアノの右手、観客側に、ピアノと直角にフェンダーローズを置いており、ほぼ全ての観客から全く手元が見えない。ベースを手にした最初の4年のみ4弦、それ以降の16年はずっと6弦を弾いているという
Björn Meyer は、そのゆらゆらとした体の動かし方が、あまり動かない他の2人と対照的だ。楽器はヘッドの形、それにタッピング多用のため、ベースというよりスティックを思わせる部分もある。ドラムセットはごく普通のものだが、Kasper
Rast はその動きがこれまで私が写真を撮ってきたどのドラマーとも異なる。体が全く動かず、肘から先のみが動き、写真を撮るとスティックのみがぶれて写る。彼のシャープなのに柔らかい見事な音の秘訣を視覚的に認識させられるようであり、これについては、36時間とか20時間といった長丁場のライブをこなすこともあり「省エネでいかなきゃね」というのが本人の弁だ。
いつも彼らのコンサートを手がけるサウンドエンジニアが不在の中始まった演奏は、ドラムの音がサウンドの3分の1ではなく2分の1近くを占めるような印象で(ちなみに過去2回ともそういう印象は全くなかった)、ドラムのみ音量が大きすぎると感じられたが、この日のトリオでの演奏の内容を考えるとさして大きな問題ではなかっただろう。Ronin
はもともとこの3人で始まったグループだからか、この日の彼らはまるで原点を見なおすかのようだった。セットリストにはかなり古いものも多く含まれていた。彼らのライブで特徴的なのは、繰り返し回数の決まっていないエレメントから次のエレメントに移る時に
Nik Bärtsch が発する「はっ!」とでもいうような鋭い掛け声だ。エレメントの最後までのタイミングはまったくバラバラ。もう1つ、彼らはこんなに込み入ったことをやっているにもかかわらず、実に楽しそうに演奏する。この日のセカンドセットなど腹を抱えて笑わんばかりの様相だった。返事の予想はつきつつもこの点について
Kasper Rast に訊いてみたところ、演奏により会話をしているんだ、と表現した。Nik
とはもう20年以上も一緒にやっているけれど、それでもまだあんなに面白いんだよ、と続けたのがとても印象に残った。トリオ編成ということで幾分「発言の機会」も増えるのだろう、音楽によるやり取りがさかんに行われ、それでも彼らの演奏はあくまで楽譜を追っており、複雑なリズムがどこまでもピタリと合い続けるのには改めて驚かされた。不在のメンバーのうち、新作からのメンバー
Sha がいなければ成り立たない "32" などは演奏されなかったが、パーカッショニスト
Andi Pupato のパートについては、3人が分け合ってカバーしていたのが面白かった。ベルの音はピアノの高音キーになり、Kasper
Rast は右手でマラカスを振り、Björn Meyer は弦をカリカリ引っかいて小さな音を出したりする。
この日の Ronin は力強く、躍動感に溢れた演奏で、クインテットの緻密な演奏とはまた違った良さがあった。ただし、もし私が5人編成の演奏を聴いたことがなければどういう印象だっただろう、という疑問は残る。
(2006/11/14)
Chick Corea & Trondheim Jazz Orchestra
Frode Nymo (as), Tor Yttredal (ss, as), Atle Nymo (ts), Kjetil Møster (ts), Jon Pål Inderberg (bs), Torgeir Andresen (tp), Eivind Nordset Lønning (tp), Tore Johansen (tp), Øyvind Brække (tb), Inge H. Mortensen (horn), Øystein Baadsvik (tu), Chick Corea (p, el-p), Hans Chr. Frønes (el-g), Steinar Raknes (b), Håkon Mjåset Johansen (ds), Erlend Skomsvoll (cond., arr)
メモ > 2006年9月11日付、9月17日付diary
2006-4-16 BRIDGE (大阪)
Another Silence
Mats Gustafsson (sax, electronics)
Lotta Melin (dance, electronics, theremin)
Otomo Yoshihide (g)
Sachiko M (sine waves)
Yoshimi (voice, electronics)
Aya (b)
>> photo
メモ > 2006年4月18日付diary
2006-03-05 METRO (京都)
Tape
Johan Berthling
Thomas Hallonsten
Andreas Berthling
>> photo
2006-02-23 (Thu) 大阪BLUE NOTE
The Five Corners Quintet
メモ > diary 2006-02-23
2006-02-11 / 12 新宿PIT INN
Atomic
Magnus Broo (tp)
Fredrik Ljungkvist (ts, cl)
Håvard Wiik (p)
Ingebrigt Håker Flaten (double-b)
Paal Nilssen-Love (ds)
>> photo
メモ > 2006年2月20日付diary
set list 2006-02-11:
1. Roma
2. St. Lureplass
3. ABC 101 b
4. Two Boxes Left
5. Sooner Or Later
6. Crux
7. Cosmatesco →
8. Geometrical Restlessness
9. Poor Denmark
---
10. Bop About →
11. Kerosene
set list 2006-02-12:
1. Geometrical Restlessness
2. Roma
3. Sooner Or Later
4. Two Boxes Left
5. Poor Denmark
6. St. Lureplass
7. Crux
8. Closing Stages
9. Boom Boom
---
10. ABC 101 b
11. Kerosene