2004-08-16 (mandag)
とうとう最後の日になってしまった。
本当はとっとと外へ飛び出して最後の日を有意義に過ごすべきなのかもしれないけれど、夜の一大イベントに向けてむりやり睡眠を長めにとってゆっくり出かける。昼過ぎに Karl Johan 通りにある Free Record Shop という大手チェーンの軒へ。ベストセラー棚の一番上にのっかっている、そして店内でもガンガンかかっている The National Bank のCDをレジへ。Karl Johan 通りをもう少し王宮のほうへ進み、Norsk Musik Forlag という私の一番のお気に入りの CD ショップへ。小さいフロアの半分はクラシック、後はトラッドとジャズが多く、ポップスも多少といった品揃え。カウンターへ持っていったのは AALY Trio + Ken Vandermark と Agnes Buen Garnås。後者は大ベテランおばさまトラッドシンガー。自分でもどういう取り合わせだよ、きっと店員さんにまた何か突っ込まれる(※2001年にここで SOFA レーベルの CD を買ってはニヤリとされ、2003年には Martin Horntveth と Christian Wallumrød という取り合わせの買い物に「全然違うCDだね」と突っ込まれたことがある)、と構えたけれど、妙な沈黙が流れたものの何も言われず。と店内でかかっている音楽が気になる。クラブジャズとかフューチャージャズとか言われる種類のもので、ベースが気になって、カウンターの上に立ててあったのを見たら、ベーシストは Johan Berthling だった。やっぱり!ということでこれも下さい(ますますよく訳分からん取り合わせだ…)、と言ったら、いきなり店内にかかっていたCDを止めて、ケースに入れて渡してくれた。それが最後の1枚だったとのこと。
本日の収穫:
AALY TRIO + Ken Vandermark "Hiden In The Stomach" (Silkheart)
スウェーデン物の入手が安定しないので見つけたときに買う。
Agnes Buen Garnås "Han Rider den Mørke Natt" (Via
Music) レーベル買い。
Goran Kajfes "Head Spin" (Amigo) 出てるのは知ってたけど、Johan
が参加しているとは知らず。
Karl John 通りをさらに進んで Musikk Huset というショップへ。ここはトラッドや、ノルウェーの歌物(現代風の英語詞によるポップスではない)が多く、スコアも扱っている。ちらりと見たけれど、とりあえず何も買わず。最近、ノルウェー物はまずネットで買えないものはないので、別に荷物が多いときに担いでまで現地で買わなければならないものはない。
それから CD 購入は一休みして、とあるところで服とカバンを購入。日本には多分まだ入っていないスポーティーなカジュアルウェアのメーカーで、いつもオスロに来た時に買い物をする。Tシャツ、Lサイズって私にどうですか?と訊いたら、いや、MかSでしょう、との返事。"classical Norwegian size" (と Jarle に言われた) の私はMを購入。見事にぴったり。ひょっとしてもっと大量に購入しておくべきだったのかも…。
最後に Bare Jazz へ。2階のカフェに行ったら Petter Wettre と Håvard Wiik がいる。オスロだなぁ…と思いつつ、ちょいと甘すぎるケーキと結構いけるカフェオレ(オスロのコーヒーは結構どこもおいしい)を頂き、下へ。Subtonic の CD ありませんか?と訊いてみたら Bodil Niska 女史に「まだです」と言われてしまう。
一旦荷物を置いてから待ち合わせの連絡。ちょっと早めに出て本屋、そしてまたもやレコード屋へ。The
National Bank の CD が早くも品薄になっている。店内の BGM は Kings Of Convenience。そこで携帯が鳴り(昨日に引き続き大音響の時に限って…)、自転車がパンクしたから10分遅れる、とのこと。オスロにも夜中にそこらじゅうの自転車のタイヤに穴を開けて歩く悪い奴がいるらしい。
結局、9分遅れ(いかにもらしいこの正確さ)で Paal Nilssen-Love が歩いて現れた。カフェで手に持っていた袋の中からごっそりCDを取り出す。私が持っていない彼のレコーディングがいくら考えてもない(話をしているうちに私が持っていて彼が持っていないものがあるのが発覚!)ので、しょうがなく Atomic "Feet Music" の別ジャケ(ちなみにこのアルバムのジャケは3バージョンあり、彼が持ってきたのは私が唯一持っていない2つめのバージョンだった)とか、Peter Brötzmann などに加え、CD-R を3枚。もちろんリリースされていない音源で、特にライブ録音が嬉しい。
「夏が終わったね」と言うとおり、この日はかなり涼しい。音楽とか、物価のこととかとりとめもない話をする。東京とオスロ、どちらの物価が高いかというのはノルウェー人ミュージシャンと話しているといつも出る話題だけれど、彼は他の人とちょっと違った表現をした
-- ツアーから戻ってきたら自分の国の物価の高さにいつもショックを受けるんだ、と。それから、アナログフリークの彼、私がフィルムで写真を撮っていることを知って大いに意気投合(?)してくれたのはよいのだけれど、どうもものすごく写真に期待しているらしい。あんな暗い
Blå で撮った写真、しかもアグレッシブに叩きまくる彼の写真なんて、ちゃんと撮れているかわからないから凄いプレッシャーだ。けれど確かに、地元での自分のライブの写真は案外ミュージシャン自身は見ることがなかったりするのかもしれない。ちなみにノルウェーでは、少なくともフェスティバルなどを撮っている人はみなデジカメで、フィルムカメラはかなり珍しい。
本当にいろんな音楽を聴いている(らしい)彼だけれど、こと自分の楽器、ドラムに関してはこだわりが強い。打ち込みのビートが好きじゃない、というのは想像に難くない。もちろんアコースティックドラムに対するこだわりも強い。けれどエレクトリックドラムは使ってみようとかは思わない?と訊いたら、微妙な表情で、結構興味はあるようだ。使ってみたいというより、いじってはみたい、そんな感じだった。彼が「人間による演奏」と表現したアコースティックな音楽に執着する一方、ノイズやエレクトリックな音楽も大好きで、フェスティバル期間中も
Aphex Twin を見に行ったという。そうかと思えば Paul Lovens (それにしても影響を受けているのは明らかだけれど、名前もなんとなく似ているのが不思議だ)の話がひょっこり出てきたり、大友のグループのドラマーは…とか、はたまた日本や韓国の伝統音楽の話も飛び出すから大変だ。
コーヒー(もちろんホット)とコーラをオーダーするので両方?!と訊いたらうん、と平然と答え、両方を置いて交互に飲む。この国ではコーヒーとコーラ、リキュールとコーヒー、ビールとコーヒーというふうに2種類の飲み物を2つ置いて飲む人は多い。それより、あんなにヘビースモーカーだった彼はぱったりタバコを止めてしまっていた。この夏からノルウェーで施行された新しい法律、屋内の公共の場所での喫煙禁止、という法律は感心するくらい国民に遵守されているが、もちろんそれとは関係ないだろう。
Paal Nilssen-Love がオスロ市内へ消えていくのを見て、普段レコーディングでしか聴くことのない人が普通に生活しているこの国にいることを不思議に思う。一度ホテルに戻ってもらったものを置き、Sofienberg の Parkteatret へ。
■ Supersilent @ Parkteatret
Helge "Deathprod" Sten (sound), Arve Henriksen (tp, vo, electronics), Ståle Storløkken (key), Jarle Vespestad (ds)
開場は8時、開演は9時。7時45分に着いたら既に当日券を求める行列ができている。会場の数件隣のカフェの前に
Supersilent のメンバー(Ståle のみ姿がみえず)がいるので、ちょっと声をかけてみる。いつも満面の笑みで暖かく迎えてくれる
Jarle がこわばった顔でやあ、と声を出した以外は声も出ず。Helge は目を動かしただけだ。あまりの異様な雰囲気にその場を離れる。それでも
Arve は後から私のところへわざわざやってきて、私がゲストリストに入っているか訊き、そのはずだけれどこの騒ぎなのでどうなのかは確かめてない、というと他のお客さんより先に、メンバーと一緒に中に入れるように気遣ってくれた。外では長蛇の列が隣の角の向こうまで伸びていて、ソールドアウトが囁かれ始める。
会場前方、ステージに向かってT時の台座が設置されている。ステージと並行(左右)に1本、そこからまっすぐ後ろに1本、通路のような台。T字の脇には卓上暗室みたいなミニテントが左右に1つずつ。その台座の周りに4列ずつ位の椅子席がぐるっと半円状に広がり、他は全てスタンディング。ステージに向かって正面、椅子席のすぐ後ろにミキシングボード。
始まるまでほどんど気づかなかったのだけれど、実際、DVDのためのプロジェクトは驚くべきものだった。収録メディアがなんとフィルム(8mm とかではなくもっと本格的なもの)。まるで映画だ。先の台座の3つの端、ステージに向かって左、中、右に1台ずつ三脚にセットされたカメラが置かれ、それぞれにカメラマンが1人ずつ位置し、Kim Hiorthøy も自ら左のカメラに向かう。フィルムは1本12分の長さしかなく、終わればそれをカセットごとカメラから外し、サブのスタッフが新しいものを手渡し、撮影済のものを受け取る。サブのスタッフは受け取ったものをテントの中につっこんではずし、リールにテープで封をし、カセットに新しいフィルムを充填し、次のフィルムチェンジに備える。3台のカメラのフィルムチェンジのタイミングは重ならないようにあらかじめずらされ、最悪でも1台のカメラが回っている算段になっている。ステージ中央の下のほうには赤く光るデジタルカメラが100分の1秒単位(だったかもっと細かかったかは記憶が定かではない)で時間を刻んでおり、新しいフィルムを入れたらまずカメラを下げてその電光表示を写しこみ、それからカメラを上げてステージの撮影を始める。
音のほうは基本的にもちろんラインで取られ、その他には客席の上とステージ前端の上に集音マイクが設置されている。ラインで取られた音源はまずフロア中央のミキシングボードにいる Audun Strype のところでミキシングされ、同時に録音される。ここまではいつものことだけれど、この日は会場上の小さな部屋にレコーディングエンジニアの Kai Andersen (ノルウェー・ハルデンのスタジオ Athletic Recording Studio のオーナーであり、Supersilent や Scorch Trio などのオールアナログのレコーディングを手がけるエンジニア)が控え、そこでも録音されている。別々に二重に録るのはもちろん万一のことに備えるということもあるそうだ。Kai Andersen の場所からはステージは見えず、音と下にいるスタッフ(Audun Strype 以外にステージにもう1人)との連絡だけがたよりだ。2人ともそれぞれのスタジオから機材を持ち込んでの録音。
Kim Hiorthøy と彼と同年代の若いメンバーによる撮影スタッフとノルウェーを代表するベテラン録音エンジニア2人がスタンバイする。一方の会場は時間までに一杯に埋まり、いまや遅しと開演を待ち受ける。携帯電話は必ず切ってください、ということと写真撮影にはフラッシュは使わないで下さいというお願いが通常以上に丁寧にされたあと、開演のコールがある。会場は暗くなるがメンバーは現れない。開演1時間前のあの尋常でないメンバーの様子が頭から離れない。今日のライブは大成功か大失敗かどちらかだろう、なんていう考えが頭をよぎる。Kim
Hiorthøy がひょいと立ち上がり、何か一言言って会場を和ませている。ふと誰からともなく拍手が起こり、またそれを静かにさせるしーっ!という声が起こり、会場の全員が固唾をのんでその瞬間を待つ。
9時30分にもなってやっとステージ右手からメンバーが現れ、いつもの場所−ステージ左手前に
Ståle Storløkken、右に Helge Sten、その間に挟まれるように
Arve Henriksen、後ろ中央に Jarle Vespestad - に向かう。上がった拍手と歓声が静かになりきらないうちに演奏が始まった。
演奏は1時間40分ほどだっただろうか、それは完璧なライブだった。もう1つ付け加えるなら、完璧なDVD収録用のライブだったと言える。多分メンバーの頭に
DVD 収録、というのが大きくあったはずで、それを意識したのか--というより意識しなければそれはそれで問題だと思うのだけれど--曲1曲ずつ、それにライブ全体をとっても見事なバランスで、あまりのバランスのよさがかえって気になるくらいだった(ファンというのはどうしようもなくわがままだ…)。この日はDVD撮影ということでライティングも凝ったものだった。凝った、といっても基本的にはややオレンジがかった白いライトと青みがかった白いライトのみで、曲によってライティングの方向が変えられる、その程度のものなのだけれど、白いライティングをバックにシルエットで浮かび上がるメンバーという図がとても美しかった。
彼ららしいミディアムテンポの不穏な音響から始まり、少しずつじりじりとテンションが上がってくる。この日の彼らは不規則なグルーヴ感溢れる演奏で、メンバーはそれぞれ体で大きくリズムを取っている。前回、2003年2月に見たときもじわじわとテンションと音量が上がっていく演奏だったが、今回はまた全く異なる。演奏とメンバーの動きが激しくなってきてもその複雑なグルーヴがつぶれない。Jarle
Vespestad はツインバスというとんでもないでかいセットでなんの制限もなく複雑なビートを叩きまくっている。爽快なまでに格好いい大音量の音楽はあるところでばっちり決まってばしっと終わる。
演奏することで開演前の異様な雰囲気を蹴散らしたとも、あの緊張感を見事に演奏に変換したとも言える、そんな彼らはステージに上がってからは割とリラックスしているようですらある。曲が終わって歓声と拍手が沸き起こり、それがまだ完全に終わらないうちにまた誰かが演奏を始める。
この日の演奏には実にいろいろな要素が盛り込まれていた。Arve Henriksen の、彼のソロ作を思わせるボーカルや美しい音のトランペットなども堪能できた。Supersilent
は暴力的なまでにアグレシッブな音楽をやると同じように、果てしなく美しい音楽も演奏する。この日、Helge
Sten は彼のセットの右のほうにドラムパッドのようなものを持ち込んでいた。2〜3センチ四方の四角いボタンが計算機のキーのように並んでいて、それをちょいちょいと指でつつくとそれぞれ違うパーカッションの音を発する。あれをどういうところで使うのだろうと前日から考えていたのだけれど、この日の中盤を過ぎた頃に、その
Helge Sten のドラムパッドで演奏が始まった。まずそれに食らいついたのは Jarle
Vespestad で、Helge Sten の叩き出したモチーフに鋭角的に切り込んでくる。ここでもやはりビートが強く感じられる不規則なグルーヴを湛えた演奏が展開された。Ståle
Storløkken はドラマーのようなタイム感覚でキーボードで変則ビートを作るが、一方、この日もその独特の音色で
"6.1" でのあの印象的なフレーズに近いモチーフを挟んだり、静かに
Arve Henriksen の美しい演奏をサポートしたりする。
アグレッシブな演奏、ということでは数日前に見た The Thing も凄まじかったが、この日の半ば過ぎの演奏はあの体育会系のエネルギーとは違う、内面から絞り出される感情をぶつけるようなもので、それは見ているほうが恐ろしくなるようなシーンだった。Arve
Henriksen はトランペットをメガホン代わりに口に当て、彼の小柄な体からそんなにもエネルギーが放出されるのかと思うほどの形相で絶叫している。メガホンになってしまったトランペットをマイクに向けて固定するのももどかしくなった彼はマイクを引っつかみ、片手でトランペットを支えてもう一方の手でマイクをトランペットのホーンに突っ込んで絶叫し続ける。古典的なロックバンドだとあそこまでテンションを上げてしまったらあとは楽器を壊してステージを去るしか収拾をつける方法はなかっただろうが、彼らはそれを緩やかに展開させて別のシーンへつないでみせた。最高潮のところで演奏をブチ切れさせなかったこの場面はこの日見られた最大の予想外の展開で、ある意味とてもらしい瞬間だったのかもしれない。
どよめきにも似た歓声にアンコールのステージに戻ってきた彼らは、美しい短い1曲を演奏した。忘れてはいけないのは誰も次に何をやるか打ち合わせをしていないということだ。
彼らのあまりにヘビーでハイテンションな演奏、それに私個人の気合いが入りすぎということもあり、演奏が終わったときには私までぐったりしてしまった。最初にステージ裏から出てきたのは Jarle Vespestad で、開口一番、「いやぁ〜、この前の Gamla (での Farmers Market のライブ)の時みたいに汗だくだよ!」。そりゃ、長袖なんて着てあの演奏をすれば…と思ったが、とにかく彼がいつもの彼に戻っていたことにほっとし、同時に彼の表情からこの日のステージが彼らにとって十分満足がいく出来だったのだ、ということがわかりこちらまで嬉しくなった。
しばらくして、Helge を見かけ、彼がライブの後どういう状態なのか知っているけれど、それでも彼に声をかけ、この日のステージが素晴らしく、DVD
としてリリースされるのが本当に楽しみだ、とだけは言わずにはいられなかった。表情だけでありがとう、と表現した彼は何か言おうとしてくれたのだけれど、本当に憔悴しきってしまっていてため息しか出ない。
撮影と録音は一応問題なく終了したようで、安堵の空気が流れ、スタッフは皆リラックスしている。撮影済のフィルムのリールが大量に積み上げられている。しかしなぜか床にはフィルムの残骸が散らばり、ほうきで集められていたりもする。これからの仕事が大変だね、と
Kim Hiorthøy に言ったら、これがちゃんとできなければ、僕失業しちゃうよ、なんて言う。
かなり時間が経ってもぐったりした体はなかなか元に戻らない。演奏していなくて見ているだけの私ですらこうなのだから、あの激しい演奏をしている本人達はいかばかりだろうか。私が具合悪そうなのに気づいた人がこの会場に1人
-- Arve がちょっと心配そうに「大丈夫?」と声をかけてくれた。いや、それを言うなら、開演前にそれをそっちに言いたかったよ、と思ったが、演奏があまりにヘビーだったからで、大丈夫、とだけ答えた。
見にきていた Jaga Jazzist の Martin Horntveth が、この日の Supersilent のライブは僕が見た中でベストだと興奮気味に話している。彼は今まで4回 Supersilent を見たことがあり、最初の時(ごく初期の頃だそうだ)もよかったけれど、今日のは本当に素晴らしかったという。
Supersilent はどんどんその音を変化させている。それは話し合いによるものではなく、4人のメンバーが演奏を重ねるにつれての自然な変化だ。彼らについては出来る限り彼らの音楽に耳を傾けることに集中しようとしているから、演奏が終わってメンバーがそこにいても、案外話すことがない。厳密にいうと、機材の話とか、このグループ以外の話とかは別として、こと Supersilent の音楽そのものについてメンバーに訊きたいことは本当に思いつかない。
そうわけでライブの後も、Morten Qvenild を捕まえて話をしてみたりする。彼と話ができたのはライブ以外では今回のオスロ滞在の大きな収穫の1つだ。もちろん話をするのは初めてなのだけれど、声をかけてみたら、彼は、Supersilent のサイトやってる人だよね?と即答、この言い方ということは Martin Horntveth 経由ではなく Susanna Wallumrød 経由で私のことを知っているらしい。ちょっと独特の雰囲気があるけれど、話しやすい人だ。その彼と Rune Kristoffersen の3人で立ち話をしていたら、「The National Bank は今日1日(リリース初日)だけで 2000 枚も売ったんだよ…へへへ」などと Rune さんに報告している。1万枚売ったらヒット作といわれるこの国でこれは凄い数字だ。Rune さんも、ひええぇという表情。Rune Grammofon には多分永遠にありえない数字だ。その数字が全てではないことはもちろん言うまでもない。Morten Qvenild にとってもちろんこんなヒット作への参加は初めてだし、今後もそうそうあることではないかもしれない。
最後に会場を去るときに、あちらやこちらやにバラバラにいる Supersilent のメンバーを1人ずつ捕まえて、お別れの挨拶をして回る。いつ日本に帰るの?え、今日?!といった具合で、全て終わってしまったんだというのを自分に納得させなければならない。最後の最後に、Helge
が言ってくれた "Thank you for joining us" という一言が特別な響きに聞こえた。多分そんな特別な意味を込めたつもりはないのだろうけれど、来てくれてありがとう、とか会えてよかった、と言う人が多い中、その言葉は私にとっては特別で、Supersilent
はやっぱり私にとって特別なグループだ。