(piciup 2001 vol1: 14 January 2001)
| "Different Rivers" Trygve Seim (2000; ECM 1744) |
私がこのアルバムを初めて聴いたとき、Trygve Seimというアーティストについてはまったく知らなかった。Sidsel EndresenとStian Carstensenが参加していることとメンバーの名前から、ノルウェーだな、と推測した程度だ。 さて、音のほうは、まず1曲目がいきなり葬送曲みたいで驚くが、もっと驚くのはこのアレンジだ。5管(ts, tp, bcl, french horn, tuba)のみの編成で、楽器の音を丁寧に重ねてひとつのフレーズができていく。後の曲はさほど暗い曲はなく、むしろ穏やかな暖かさの中に力強さをたたえた静かな曲が多い。注目は6曲目。前半部分は静かだが、途中、ドラムが入るところから徐々に盛り上がりを見せ、Trygve Seimのテナーサックスによるソロも素晴らしい。Sidsel Enderesenによる詩の朗読が入る9曲目もユニークだ。5管+チェロによるとても穏やかな短いフレーズの繰り返しの上に"Breathe! You are Alive"と題された詩がのせられる。 作曲、アレンジが素晴らしいので、後回しになってしまったが、Trygve Seimはサックス奏者としても個性的だ。少しハスキーな音色で、滑らかなフレージングが印象的。5曲目・8曲目・10曲目はArve Henriksen(tp)とのデュオだが、Arve Henriksenのトランペットも似た傾向の音なので、特に8曲目など尺八と笛のデュオのようだ(フレーズも東洋的だ)。 Trygve Seimの過去の録音も聴いてみたが、同じメンバーが登場しているので、きっといつも一緒に演っているメンバーなのだろう。プロデューサーとして参加しているChristian Wallmrød(p)は先にECMからトリオ作を出していて、Arve Henriksen(tp)も参加している。Trygve Seimと本作にも参加しているØyvind Brække (tb)、Per Oddvar Johansen(ds)、それにFinn Guttormsen (b) (オリジナルメンバーIngebrigt Fraten(b)は既に脱退)によるカルテット"The Source"のCikada String Quartetをフューチャーした新作が2001年にECMから出るそうで、そちらもとても楽しみだ。 |
| Trygve Seim (ts, ss) Arve Henriksen (tp, vo, trumpophone) Håvard Lund (bcl, cl) Nils Jansen (bs, ss, contrabass cl) Hild Sofie Tafjord (french horn) David Gald (tuba) Stian Carstensen (accor) Bernt Simen Lund (cel) Morten Hannisdal (cel) Per Oddvar Johansen (ds) Paal Nilssen-Love (ds) Øyvind Brække (tb) Sidsel Endresen (recitation) 1. Sorrows (6:27) 2. Ulrikas Dans (7:49) 3. Intangible Waltz (5:47) 4. Different Rivers (5:51) 5. Bhavana (4:23) 6. The Aftermath / African Sunrise (6:16) 7. Search Silence (0:50) 8. For Edward (5:33) 9. Breathe (9:19) 10. Between (2:18) All compositions by Trygve Seim, except "Search Silence" by T.Seim/ A.Henriksen/ H.Lund/ N.Jansen/ H.S.Tafjord/ D.Gald/ B.S.Lund and "For Edward" by T.Seim/ A.Henriksen Produced by Trygve Seim, Christian Wallmrød, Øyvind Brække Recorded 1998-1999 Rainbow Studio, Oslo Engineer: Jan Erik Kongshaug with Peer Espen Ursfjord (8) Executive Producer: Manfred Eicher |