(pickup 2001 vol 12 : 13 July 2001)

Kom-Live


KOM - LIVE
Samuli Mikkonen
Anders Jormin
Audun Kleive



2000; Samuli Mikkonen; SMCD-2


Samuli Mikkonen (p)
Anders Jormin (b)
Audun Kleive (ds)



1. Murehista muovaeltu (Mikkonen)
2. Sediment (Jormin)
3. 1000 days left (Jormin)
4. Noli Me Tangare (Mikkonen)
5. Livin' my life (Jormin)


recorded in concert 5. 12. 1998
KOM - teatteri, Helsinki
recorded by: Johannes Lundberg, Jukk Viiri
mixing: Johannes Lundberg
mastering Pauli Saastamoinen
Audun Kleive - 1961年ノルウェー出身。Anders Jormin - 1957年スウェーデン出身。そしてSamuli Mikkonen - 1973年フィンランド出身。現在の北欧を代表するベーシストとドラマーを従えた形になる若いピアニストの、これがトリオ作としては(恐らく)2作目。

表題にある"KOM"は、本作がライブ録音された会場の名前。拍手の入り方からするとごく小さいライブハウスのようなところではないだろうか。

Audun Kleiveのドラムの特徴は、「トトトトトトン!」という独特のたたみかけるようなスネアの音ではないだろうか。叩くものがスティックであれブラシであれ、またジャズロックであれ本作のようなピアノトリオ物であれ変わらない。2曲目"Sediment"はそのAudun Kleiveのドラムソロで始まるが、音は静かながらその「Andun Kleive節」(?)が素晴らしい。

Anders Jorminのベースの音はかなり重たい。低音から高音まで一定して重たく、音はややよく伸びるもののナチュラルなウッドベースらしい音。その音で、とてもよく動くラインを弾く。本作はピアノトリオで空間も多く、音が動く距離からいうと、ピアノよりもかなり派手にベースが動く。それが確かに本作を面白くしている。

Samuli Mikkonenは簡単に言ってしまうと、いかにも北欧のピアニスト、といった印象だ。澄んだ美しいタッチだが、本作のみに限定すると、一連のECM系の音とは異なり、さほど冷ややかな感じは受けない。早く弾くよりも音の余韻を味わえるタイプのピアニストだ。

このライブアルバムには5曲収録されていて、いずれもかなり長めの演奏。2曲はSamuli Mikkonenのオリジナルで、他の3曲はAnders Jorminのオリジナル。最後のトラック"Livin' my life"はどこかで聴いたことがあるやさしいメロディーを持つ曲で、スタンダードだったか、と思ったが、これはAnders Jorminのリーダー作"Silvae" (1999; Dragon)に収録されていたAnders Jorminのオリジナル。原曲の方ではMarc Ducretの丸みを帯びたエレクトリック・ギターで弾かれていたメロディーが、本作ではSamuli Mikkonenのピアノにそのまま置き換わっている。

楽曲面でも演奏面でもAnders Jorminの活躍ぶりが目立つが、全体のカラーはやはりSamuli Mikkonenのピアノが支配している。雰囲気は明るめで、ポジティブな響きがとても心地よい。
3人それぞれの演奏が素晴らしく、またその3者の絡み具合も絶妙だ。

このアルバムで特に効果的に感じられたのは、曲の出だしと終わりのSamuli Mikkonenのピアノの音の出し方。もちろんライブ演奏だから、ということもあるだろうが、とても丁寧に音を選んで、最も印象的に響く瞬間を待っている。出だしのインパクトで瞬く間にこの音楽にひきつけられ、最後の音で音楽が終わった後もどこかに音楽が残るような感じがする。

・・・アルバムはアンコールを求める観客のあたたかな拍手で終わる。




Korpea kuunnellessa
Samuli Mikkonen



Samuli Mikkonen (p)
Uffe Krokfors (double-b)
Mika Kallio (ds)
Korpea Kuunellessa


1998; Samuli Mikkonen; SMCD-1


1. Ilman pitkillä pihoilla
2. Linna
3. Memento Mori
4. Syys
5. pahan tuulen alla
6. Varjag
7. Gorod
8. Korven kätköissä
9. Pilvi puhuu
10. Haljennut ulappa


all compositions by Samuli Mikkonen
recorded in : Kallio-Kuninkaala, Järvenpää
16.-17. 3. 1998
recorded and mixed by: Johannes Lundberg

このアルバムはSamuli Mikkonenのトリオ作としては最初の作品で、自分の名前を冠したレーベルからの第1作。

収録されている曲は全てSamuli Mikkonenのオリジナル。ピアノトリオの構造の発想は"Kom - Live"と似ているものの、バックの演奏はさほど派手ではない。

ただし受ける印象は結構異なる。"Kom - Live" は明るめで、長尺のわりになじみやすい曲が並んでいたが、本作はなかなか個性的な雰囲気。全体的に少々ダークな雰囲気で、音は冷ため。恐らくこの辺りは「フィンランド的」な要素なのだろう、と思われる。


参加メンバーは3人ともフィンランド人。そのうち、ベースのUffe Krokforsは同じくフィンランド出身のピアニストJarmo Savolainen のトリオのレギュラーメンバーであり、A-Records (オランダのChallenge Recordsの傍系レーベル)から出ている幾つかのアルバムにも参加している。(純粋なトリオ作 "John's Sons"は佳作。) 余談だが、そのJarmo SavolainenのアルバムではAnders Jorminがベースを弾いているものもある。タイプは少々異なるが、どちらも個性的なピアニスト。

一言で言うと、Samuli Mikkonen自身によるアルバムジャケットの写真ーフィンランドの深い森、北欧の空、そういったイメージにぴったりの音楽。

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