(pickup 2001 vol 15 : 1 Nobember 2001)
| sakuteiki Arve Henriksen Arve Henriksen: trumpet, harmonium, church organ, vocal |
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| a treatise on garden making * * * sanmon - main entrance viewing infinite space inside tea-house peaceful - close to cherry trees procession passing evening call breathing beauty of bamboos tsukubai - washbasin planting trees creating beauty "stones should never be placed carelessly" white gravel shrine paths around the pond children in my garden * * * produced by deathprod at audio virus lab recorded by helge sten all selections by arve henriksen tracks 2, 10 recorded at emanuel vigeland museum tracks 1, 6, 8, 11, 12, 13, 15 recorded at sofienberg kirke tracks 4, 5, 7, 9, 14 recroded at lommedalen kirke track 3 recorded at studio mekanikk all instruments are played by arve henriksen * * * 2001; Rune Grammofon; RCD2021 |
このタイトルが何なのかすぐにわかる人が一体(特に日本に)どれくらいいるだろう? * * * 今年2001年の7月、ノルウェーのモルデで Arve Henriksen に会った。現れた彼は髪も目もダークで、大柄な人が多いノルウェー人の中、とても小柄な人だった。そして会うなりいきなり一発ユーモアを炸裂させ、私の抱いていた先入観とちょっとした緊張を一気に吹き飛ばしてしまった。 Arve Henriksen のトランペットはとても個性的な音。それが尺八っぽい、というのは参加した幾つかのアルバムで明らかなのだけれど、それまでさして気にも止めてもみなかった。 私の出身が京都だというと行ったことがあるとのこと。単なる観光ではなく、尺八の研究のため滞在したのだとか。話を聞いて、彼がどんなに日本の音楽に、特に尺八に惹かれているかということがよく分かった。 * * * その Arve Henriksen のソロアルバム、タイトルは "Sakuteiki" 、一応 "a treatise on garden making" と訳されている。造園の心得について説いた『作庭記』。この平安時代の著作で述べられているという「しかるべきところに物を配置することの重要性」が、このアルバムのコンセプトにつながっているのだそうだ。どちらかというと、譜面に書かれたものを演奏するというよりインプロヴァイザーといったタイプのミュージシャンである彼が、こういうコンセプトでアルバムを作るというのは興味深い。 本当に尺八みたいな渋い音、トランペットから出ているとは信じがたい#1、門を入った先は実に様々な15のイメージが描かれていて、それぞれに考えられたタイトルが付けられている。和風のメロディーを踏まえた上で、独特のクールなのに温かいメロディーがある。トランペット以外にも、教会のオルガン、それに打楽器以前のような「音」なども効果的に使われている。#12 では耳元で小さな美しい、硬い音のする何かが鳴っている。また、トランペッターであると同時にシンガーでもある彼は、#10 で、天使のような(!)、高くて果てしなく澄んだ声で歌っている。 ノルウェーの個性的なグループ Supersilent で活動を共にする Deathprod こと Helge Sten によって、教会や美術館(1曲のみスタジオ録音)で録られている。その空間を活かした広がりのある音。シンプルなのにとても丁寧に作られており、静かなのに秘めたエネルギーを感じさせ、繊細でかつ強い意志を感じる。そしてとても「深い」作品。 * * * Arve Henriksen。1968年生まれ。ノルウェーで最も忙しいミュージシャンの1人。 2000年には(少なくとも)6枚の参加作をリリースした売れっ子。今年も最終的には同じくらいのリリースが予定されている。Audun Kleive "Bitt" 、Trygve Seim Orchestra、イギリス/ノルウェーの混成カルテット "Food" 、Jon Balke "Magenetic North Orchestra" などのメンバー。トロンハイムの音大在学中に Veslefrekk というトリオを結成、それは1997年に カルテット "Supersilent" に発展、今や世界的に注目されるグループに。"Sakuteiki" は遅すぎる位の初リーダー作。 |