(pickup 2001 vol 6 : 1 April 2001)
![]() Pepper St. Interludes Iain Ballamy 2000; Feral Records; ASFA 102 Iain Ballamy (ts) futuring: Stian Carstensen (button accor) with special guests: Norma Winstone (voice) Martin France (ds) Matthew Sharp (cel) 1. Julienne (Iain Ballamy) 2. Cherokee (Roy Noble) 3. Autumn Leaves (Joseph Kosma) 4. Surabaya Johnny (Kurt Weill) 5. Julienne (Iain Ballamy) 6. All The Things You Are (Jerome Kern) 7. The Midnight Sun (music by Lionel Hampton lyrics by Johnny Mercer) 8. Sofia (traditional, Stian Carstensen) 9. White Horses (Michael Carr) 10. My Foolish Heart (Victor Young) 11. Julienne (Iain Ballamy) 12. Por Toda A Minha Vida (Antonio Carlos Jobim) 13. White Horses (musid by Michael Carr, lyrics by Ben Nesbit) 14. Caraway (Iain Ballamy) recorded and mixed in Southwark at Blackwing Studios 3-7 January 2000 engineered by Fulton Dingley produced and directed by Mike Bode executive producers: Iain Ballamy, Dave McKean, Allen Spiegel design, illustration and photography by Dave McKean at Hourglass |
Iain Ballamy(イギリス)とのStian Carstensen(ノルウェー)のデュオ。これだけでも十分不思議な取り合わせだが、それにさらにNorma Winstone。??? * * * 1 "Julienne"と題されたテーマ。この最初の一音から素晴らしいアルバム。Stian Carstensenのアコーディオン、それもワンコードというより、たった一つの和音にMatthew Sharpのチェロのメロディー。人の声、ざわめきが遠くで聞こえる。 2 アコーディオンとテナーサックスのデュオ。明るい曲。絶妙のタイミングでの軽快な掛け合い。両方の楽器とも空気の出入りで音がなるのだ、ということがふと頭をよぎる音。 3 あまりにも有名な"Autum Leaves"。ハスキーな音で朗々とあのメロディーを吹くテナー。片や哀愁のこもった音でまさしく「枯葉」な音のアコーディオン。アコーディオンのボタンのぱたぱたいう音まで音楽の一部になっている。 4 Martin Franceの口笛。"Surabaya Johnny"のメロディーを吹いている。やがてそれがテナーによる演奏に替わる。アコーディオンがなんともレトロな雰囲気で、Kurt Weill の時代を彷彿とさせる。Martin Franceは口笛の後はドラムを叩いている。 5 前曲の最後の音からいつのまにか再び"Julienne"。アコーディオンによる同じコードにメロディーをつけるのはNorma Winstone。低音から相当な高音まで、楽器のような声。 6 "All The Things You Are"。テナーのみで始まり、すぐにアコーディオンが追いつく。音数が少なめ、たっぷり間を取るアコーディオン。よく知っているメロディーのみで余分なものをそぎ落としたアレンジ、もったいない位あっという間に終わる。 7 テナーとアコーディオンによる前奏に続いて、Norma Winstoneのボーカル、それにチェロによる流れるようなメロディー。チェロをバックにテナーソロが入る。遠くで聴こえる誰かの話声。同じ人がソロを続けるように何気なくバトンタッチされてソロはアコーディオンへ。その後は再びNorma Winstoneによる歌。 8 アコーディオンによる短い演奏。今まであまり意識しなかったが、この楽器はメロディーと伴奏が一度にできる。 9 前曲に間を置かず、アコーディオンの伴奏にテナーがメロディーを乗せる。何も珍しくない伴奏とメロディーだが、Stian Carstensenの音の出し入れのタイミングが絶妙。 10 もう一つの有名な曲"My Foolish Heart"。アコーディオンの伴奏にのるテナーの優しい音、柔らかいフレージング。これもあっという間に終わってしまう。 11 みたび"Julienne"。同じアコーディオンのコードにメロディーをつけるのはテナーサックス。 12 テナーのソロに続いて、アコーディオンが入ってくる。Antonio Carlos Jobimの曲。元はバンドネオンだろうか? 13 再び"White Horses"。Norma Winstoneのソロ。後ろには鳥のさえずりのみ。4曲前に聞いたばかりのメロディーが懐かしく響く。 14 ベースのようなピチカートので変拍子風9拍子を刻むチェロ。前曲の最後の歌詞"...Let me ride away."の最後の単語"away"を繰り返す声。スネアドラムの音。それにあわせてテナーが気ままにフレーズをのせる。歩いて行ってしまうように、ビートが遠くに消えていく。 * * * ブックレットには、セピア色というより、夕陽の色の写真がある。その中の1枚が人の気配のないジェットコースターの写真。なんだかとても懐かしく、暖かい手触りのこの作品にぴったりだ。 |
...about FERAL RECORDS
Iain Ballamyとデザイナー/イラストレーターのDave McKeanによるレーベル。Dave McKeanはIain Ballamyの1996年の作品"ACME"(B&W)も手がけている。
外見の特徴はボックス仕様。通常のプラスチックケースと同じように(同じ方向に)開く紙箱を開けると、"Food"アルバムは9枚のカード、"Pepper St."は変則蛇腹折りのブックレットが入っている。"Food"の場合、さらに何かの葉っぱが入っていた。CDトレイはデジパックのように箱の底に貼り付けられていて、CDにたどり着くまでにひとしきり楽しめる。少々箱の厚みがあるのが玉に疵か。箱も中身も凝ったアートワーク。
レーベル1作目が"Food"、2作目が"Pepper St. Interludes"。3作目は"Signal To Noise"。Neil Gaiman作、Dave McKean絵の同名作品(graphic novel)のBBCラジオ劇版の音楽。(ちなみに癌で死ぬ映画監督の話だそう。)
| Food Iain Ballamy 1998年の夏、ノルウェーのMolde Jazz Festivalでの演奏のためのプロジェクト。本作はそのライブの模様をおさめたもの。 Iain Ballamyがイギリス人で、他の3人はノルウェー人の若いミュージシャンである。 この作品はIain Ballamyのこれまでの音楽を頭に描いて聴くと大変驚く内容だ。簡単に言うと、かなり前衛、フリージャズに詩の朗読まで入る。 曲は"A"がLoose Tubesの曲の再演となるほかはメンバーのオリジナル。不思議な雰囲気の漂う"A"はなるほどの選曲だ。 4曲(実質的には3曲)ある4人全員のクレジットの曲はインプロビゼーション色が強い。最初と最後の曲はかすかに聞こえるエレクトリック・トランペットの音のなか、ドラムがリズムを刻まずにフレーズを刻む。3曲目は早いビートとウォーキングベースで始まるが、途中でスピードが猛烈に速くなったり、遅くなったりする。唐突にテナーが入るがメロディーというより音を聞かせる。そして途中で別の曲のような展開まで見せる。8曲目はもっとすごい。Arve Henriksenによる詩の朗読、というより、低い声でのおどろおどろしい呪文(恐らくノルウェー語)の後ろで展開されるアバンギャルドな演奏。 Iain Ballamyによる9曲目はアップテンポなリズム(しかもなかなかに変則的)に上で自由に演奏するサックスとトランペットがバトル(?)を繰り広げるユーモアを少し含んだフリージャズ。怒涛のような音で驚いていたら突然終わる。 ドラマーのThomas Strønenによる2曲は相当に風変わりだ。印象に残るどよんとしたベースと効果音のようなパーカッションとタイトルの関連性が?な4曲目、続く5曲目は動物の唸り声のような音をだすトランペットと、断片的な音を出す他の楽器。ただし後半は少々雰囲気が変って、テナーとボーカルがメインのメロディーとおぼしき抽象的なフレーズを少しだけ歌う。 Arve Henriksenによる2曲はこの中ではまだ普通の部類かもしれない。どちらもベースが音楽の基盤を作っていて、ドラムが心地よいタイミングで鳴り、そして何よりトランペットとサックスによるフレーズが面白い。本来トランペットとサックスの音は全く違うはずなのだが、この2人は何だか似ている。メロディーのセンスとアバンギャルド性を両方持っているところも共通している。 それにしても、これは結成して初めてのライブの録音であることを考えると驚くべき演奏だ。4人の演奏能力も相当なもの。曲は確かに前衛的なのだが、それは既存の音楽にない音楽、ということでもある。 この"Food"というユニットはこのフェスティバルの後もライブを行っていて、今年(2001年)に入ってからも北欧ツアーを行っている。ライブで見るととても面白そうなユニットだ。 |
1999; Feral Records; ASFA 101 Iain Ballamy (sax) with: Arve Henriksen (tp, vo, electronics) Mats Eilertsen (double-b) Thomas Strønen (ds, per) 1. Mister Train (Ballamy / Henriksen / Eilertsen / Strønen) 2. Restless (Henriksen) 3. Strange Burn (Ballamy / Henriksen / Eilertsen / Strønen) 4. Three Minute Snack (Strønen) 5. Murring In Bånn (Strønen) 6. A (John Harborne) 7. Stille Veg (Henriksen) 8. My Old Engine (music by Ballamy / Henriksen / Eilertsen / Strønen / lyrics by Elling Vanberg) 9. Rat On Stilts III (Ballamy) 10. Mister Train (Ballamy / Henriksen / Eilertsen / Strønen) recorded live at the Molde International Jazz Festival 16/17 July 1998 recorded live onto two-track and engineered by Jaswinder Singh Sidhv disign and Illustration by Dave McKean at Hourglass produced by Food executive producers: Iain Ballamy, Dave McKean, Allen Spiegel |