(pickup 2002 vol 8 : 3 July 2002)
![]() 1. Welcome! 2. Demolition Woman 3. So I Said 4. Lundingo 5. The Customer 6. Zyndicate 7. Pöck 8. Slowhymn 9. Cirkus Lundingo 10. Song 11. Lille Du! All compositions by Eirik Hegdal Lyrics on Demolition Woman by Live Maria Roggen Lyrics on Song by Christina Rossetti Digitally recorded* at Rainbow Studio, August 19-21, 2000 Degitally mixed at 7. Etage, September 25-29, 2000 Produced by: Reidar Skår, Eirik and Sverre Photo / design by: Synlig design og foto Mastered by Jan Erik Kongshaug, Raingbow Studio *except Song, recorded live at Vosajazz 2001 Mixed by Jan Erik Kongshaug (Rainbow Studio) 2002; Bergland Productions; BE 007-2
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Dingobats "Pöck" DINGOGATS: Eirik Hegdal (ss, as, bs) Njål Ølnes (ts, as) Thomas T. Dahl (el-g, banjo) Mats Eilertsen (el-b, ac-b) Sverre Gjørvad (ds) guests: Fredrik Lundin (ss, ts, on #1, 2, 4, 7, 8 & 9) Øyvind Brække (tb on #1, 2, 7 & 8) Live Maria Roggen (vo, on #2 & 10) Fredrik Ljungkvist (cl on #10) ノルウェーのジャズシーンにもなんとなく地域や年代、出身の音大などで幾つかのグループに分けられるようだ。この Dingobats というグループは20代後半から30歳くらいのトロンハイム音大卒のミュージシャンで、オスロに住んでいるメンバーもいるものの、現在もトロンハイムを中心に活動をしているグループに属する。 イントロの #1 に続く #2、この曲の格好良さにまず圧倒される。ロックシンガーのようにシャウトをきめる Live Maria Roggen、これまたロックギターのように鳴るエレクトリックギター、あたかもライブで録られたかのような音響効果が挟まれる Øyvind Brække のトロンボーンソロ、そしてノリノリというかイケイケなホーンセクション。 Dingobats の曲は全て Eirik Hegdal によるもの。しかしアルバムを通して聴くとそれが信じがたいくらいそれぞれの曲はバラエティーに富んでいて、Dingobats というグループの引き出しの多さに驚く。風変わりな、けれどメロディアスなスローナンバーがあったり、ファンキーな曲があったり、ちょっとアヴァンギャルドな演奏や展開もある。 #5 はバンジョーのぽろぽろんという音がリードして、ホーンが静かにメロディーを奏で、ダブルベースは弦が緩んでしまったかのようなびよんとした音を出している。かと思ったら Thomas Dahl は突然バンジョーを置いて エレクトリックギターをかき鳴らしてみたりするから油断ならない。それぞれの曲もユニークなら、結構唐突にスローナンバーとファンキーなナンバーが交錯するアルバム全体も同様にとてもユニーク。 最後から2番目の #10 は本当に美しいスローナンバー、これのみライブで録音されたもの。この曲の Live Maria Roggen の歌は #2 とは打って変わってヴァイオリンでも弾くみたいになんとも素敵にバラードを歌っている。 私がトロンハイム系のミュージシャンに対して抱いている印象は、それぞれがとても個性的な音楽性を持ち、ときにそれはジャンルを平気で乗り越え、自分達の音楽をのびのびと自由に表現している、といった感じで、この Dingobats はまさしくそんなトロンハイム系らしいグループ。 *** リリースに際してちょっとすったもんだがあったらしいこのアルバム、リリースした Bergland Productions はギタリスト Gunnar Andreas Berg が2000年に始めたレーベル。Gunnar Andreas Berg は Curling Legs 等にリーダー作を残している。このレーべルからは、国内外で絶賛されている現代的なバップトリオ Urban Connection、Ståle Storløkken を中心にした70年代風エレクトリックジャズの Cucumber Slumber、Farmers Market のギタリスト Nils-Olav Johansen のユニット Big Bambus などのリリースがある。 |
![]() 1. The New Dingobats Generation 2. Going 3. 9:30 4. Sounds Like Death 5. When I Saw In Her Eyes 6. Dingo Was A Teddy 7. The Big World 8. Teddy Was A Dingo 9. Darn That Sillyface 10. Dingo Rag 11. Hope To See You Soon (We Can't See You Soon Enough) Compositions and arrangements by Eirik Hegdal Produced by Audun Kleive and Dingobats design: Toril Johannessen 1998; Turn Left Productions: 6-98 |
Dingobats "The New Dingobats Generation" Eirik Hegdal (ss, bs) Thomas T. Dahl (g) Njål Ølnes (ts) Mats Eilertsen (double-b) Sverre Gjørvad (ds) 1995年に結成された Dingobats はサックス2人の5人編成なのに、なぜかビッグバンドの楽しさを思わせるところがある。それはちょうど名前をもじってバンド名にされた(多分) Django Bates の音楽にも確かに通じるところがある。ただ、Django Bates よりはややストレートかもしれない。 1998年にリリースされた Dingobats のこのデビューアルバムでは多分2人のサックスよりも Thomas T. Dahl のエレクトリックギターが印象に残る。ジャズというよりロック、メタル系の歪んだ音で、時折前面に出てきては弾きまくる。聴いているこちらがそんなに弾いて大丈夫かちょっと不安になるくらいだ。それに対して Mats Eilertsen のダブルベースはいつものように、本来ダブルベースの音というのはこういうのだったのだろう、などと思わせるような彼らしい暖かい丸い音。この2つの弦楽器の対比がこのファーストアルバムではとても面白い。 *** このアルバムをリリースした Turn Left Productions はクラリネット奏者 Håvard Lund のレーベル。彼は Farmers Market の元メンバーで、現在は Trygve Seim Orchestra や Jacob Young の新しいグループのメンバーでもある。このレーベルには他に Atomic の前身 Element のファーストアルバム、レーベルオーナー Håvard Lund の豪華メンバーを従えたリーダー作、その Håvard Lund 、Dingobats の Njål Ølnes、それに Trygve Seim の3管によるトリオ Decoy のアルバムなどがある。 |
![]() 1. Pytten 2. Store Bjørn 3. Basepar / Speilbildere 4. Elling Frikvarter 5. Kina 6. Duke, Ben Og Jimmy 7. Havet 8. Den Første Sne 9. Monsieur Nils 10. Rusle 11. The Days Of Wine And Roses Recorded and mixed at Audiopol Studio, Skien, 6-13 January 2001 Engineer: Audun Kleive Assistant: David Landsverk Mixed by Sverre Gjørvad and Audun Kleive Produced by Sverre Gjørvad Cover Design by Kim Hiorthøy All music composed and arranged by Sverre Gjørvad except track 11 composed by Henry Mancini, arranged by Sverre Gjørvad. 2001/2002; Curling Legs; CD 68
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Sverre Gjørvad "Denne lille pytten
er et hav" Live Maria Roggen (vo) Eirik Hegdal (sax) Øyvind Brække (tb) Nils-Olaf Johansen (g) Ståle Storløkken (syn) Mats Eilertsen (double-b) Sverre Gjørvad (ds) Dingobats のドラマー Sverre Gjørvad のソロ、と聞いて、決して派手ではないこのドラマーが、そのまま Dingobats みたいなメンバーでどんなアルバムを作るのだろう、と思ったけれど、リリースされたものは本当にあっと驚く内容だ。 #1-7 は 1999年の Soddjazz というノルウェーのフェスティバルの委託作品。Duke Ellington の演奏をモチーフにした曲があるように、曲そのものは Dingobats より幾分オーソドックスなジャズ。しかし冒頭 #1 でいきなり Live Maria Roggen がドイツ語で「子供が子供だったとき…子供だとは知らなかった」というあの有名な Wim Wenders 『ベルリン・天使の詩』の最初のシーンで朗読される詩を軽快に歌う。そのアイディアと、それを軽快にジャズに乗せ、しかも途中に Ståle Storløkken のシンセソロを入れてしまう発想の全てがぴたりとはまっている。 #1 のタイトルは「水たまり」、アルバムタイトルは「小さな水たまりは海」といったところで、これは『ベルリン・天使の詩』の最初の一節「子供が子供だった頃、腕をぶらぶらさせながら、小川は川に、川は大河に、水たまりは海になればいいと思った」から取られている。 それ以外にもう1人、ノルウェーの作家 Jan Kjærstad の "Forføreren" と "Speil" という作品がモチーフに使われていて、Live Maria Roggen が今度はノルウェー語で朗読、といってもちょっと歌詞の一節でも読むみたいな雰囲気だ。ノルウェー語は強弱アクセント以外に特徴ある高低アクセントがあって、朗読でもちょっと節をつけているみたいになるのが面白い。早口で一気にくるところはちょっとユーモラスですらある。 # 7 「海」で再び『ベルリン・天使の詩』をまったく違った、おもちゃ箱でもひっくり返したみたいなアレンジで登場させ、この一連の作品は終結する。 あとの4曲は独立した曲。キュートなキーボードとソプラノサックスの小曲 #8「初雪」、リーダーの Sverre Gjørvad のドラムとギターとその他の楽器が突然アバンギャルドな展開の#9、「ぶらぶら歩き」といったようなタイトルの #10。この曲を始めとして、Stale Storløkken のシンセサイザーがかなり大きくフューチャーされていて、透明感のある音でとても効いている。 そして最後は「酒とバラの日々」…この曲が実は、このアルバムを作っているのが誰かを最後に控えめに念を押すかのような静かなドラムソロ。本当にドラマーのリーダー作とは思えない想像力に満ちたアルバム。 *** このアルバムのアートワークを手がけるのは Curling Legs レーベル初登場になる Kim Hiorthøy。 Rune Grammofon レーベルのアートワークとはまた違った水彩画のようなタッチの絵と、彼独特の右下がりの字の手書きによるクレジットはなかなか強力(全て大文字、しかも全部ノルウェー語)。これまでアートワークにはかなり無頓着なこのレーベルで、ビジュアル的にも目を引くアルバム。 |