(pickup 2002 vol 12 : 24 September 2002)

food veggie veggie

tofu eat veg chickpea pie nofood mushroom
iain ballamy
saxophones, samples

arve henriksen
trumpet, vocals, sampler

mats eilertsen
ac. and el. bass

thomas strønen
drums, sampler

food

all music by food except track 6 by helge sten

recorded by jaswinder singh sidhu

mixed and produced by deathprod at audio virus lab

mastered by audun strype at strype audio

sleeve design by kim hiorthøy

food

2002
rune grammofon
RCD 2027
イギリスのサックス奏者 Iain Ballamy とノルウェーの3人のミュージシャンのコラボレーションの始まりは1998年7月のモルデ・ジャズフェスティバルでのスペシャル・ユニット。そのまさに初めてのステージを収録した "Food" は Iain Ballamy の名義で、彼のレーベル Feral Records の最初の作品として1999年にリリースされた。彼らはその後、フェスティバルでのステージの後もイギリスを中心に、ユニット Food としてツアーを行う。

2001年に同じ Feral Records からリリースされたセカンドアルバムもクレジットを見る限りライブ録音。そのアルバムが出る、という話とほぼ同時に、ノルウェーの Rune Grammofon からも Food の新作が出る、というニュースが届いた。あまりのタイミングに同じアルバムかと思いきや、別の新作だという。

Rune Grammofon レーベルからの初めてのリリースとなるこの3作目は、パッケージももちろん、音もすっかり Rune Grammofon の音になっていることにまずは驚いた。確かに同じ Food というユニットの音なのだけれど、ぐっとシンプルになり、アンビエントな雰囲気に満ちている。

「豆腐」から始まるこのアルバムは「食べる」と続き、次の"Veg"…これは "Vegetable" 「野菜」を約めたアルバムタイトルをもっと約めたみたいにも見えるし、それともひょっとするとノルウェー語の "veg" (「道」の意)も掛けているのだろうか。そして「エジプトマメ」、「パイ」と続き、食べ物ではない1曲を挟んで「キノコ」で締められる。Arve Henriksen の、尺八をはじめとする日本の音楽・文化に魅せられたという音楽性にリードされるかのような瞑想的で東洋的な、雅楽のような雰囲気にあまりにもぴったりだ。

抽象的で瞑想的なその雰囲気の中、Iain Ballamy と Arve Henriksen の2管はあるときは前衛的、あるときは途方もなく美しい音であたたかなメロディーを奏でる。この一見極端な音楽性が1つの音楽の中にあるところが彼らのユニークなところだ。Arve Henriksen の歌も、前作みたいに異様なテンションでノリノリ、という風ではないけれど、奇抜さと透明な美しさの間を自在に行ったり来たりして、はっとさせられる。

ところでこのアルバムは Deathprod こと Helge Sten がミックスとプロデュースを手がけている。アルバムには記されていないけれど、事前のリリース情報では選曲も彼が行っているとのこと。Helge Sten は Arve Henriksen とともに同じ Rune Grammofon の「顔」 Supersilent のメンバーであり、昨年やはり Rune Grammofon からリリースされた Arve Henriksen のソロアルバム "Sakuteiki" のプロデュースも手がけている。Helge Sten は自身も 2枚のソロ・アルバムのリリースがあり、エレクトリックでアンビエントなサウンドクリエイターとして素晴らしい才能を持つ人物。

このアルバムが Rune Grammofon らしい音、と感じたのはそのままとても Helge Sten らしい音とも言える。オリジナルの持つ雰囲気を残したまま、決して作り込まずに、けれど丁寧なポストプロダクションで仕上げられている、という印象を受けた。レコーディングに関しては何も記載されていないから深く考えていなかったのだけれど、アルバムを聴いた後に初めて、これがイギリス・ツアーでの録音で、8トラックにライブレコーディングされたものから起こされた音だと知り、本当に驚いた。ライブの持つ雰囲気を保ったまま、ありがちな「記録」としてのライブアルバムとは全く異なる1つの作品に仕上げられている。

6曲目にその Helge Sten による1曲 "nofood" が挟まれている。ゆらりと現れて、静かにその形が変化するようで変化せずに漂い、また再びゆらりとどこかへ消えていくとても「らしい」1曲。そのゆらりと消えて行ったのと同じ方向から最終トラックが姿を現す。この食べ物ではない1曲は、まるで精進料理フルコースに添えられた怪しいお口直しのような1曲だ。

アルバムの最後に、Thomas Strønen の独特の沈み込むようなビートがとん、と鳴って静寂が訪れる。トータルで41分、前作までとは一味違ったややノルウェー風味が前に出る味付けがされたこの新しい「食べ物」は、おいしいもの(ただし風変わりな味)を、もっと食べたい!と思わせる程度に少なめに盛り付けたようなアルバムだ。
food food
organic & gm food organic & gm food
more about "food">> more about "organic & gm food" >>
1. mister train (out)
2. restless
3. strange burn
4. three minute snack
5. murring in bånn
6. a
7. stille veg
8. my old engine
9. rat on stilts III
10. mister train (rtn)
1. a prayer before tea
2. jaswinder
3. freebonky
4. chef's special
5. zawinul
6. arve's part
7. steady eddie
8. too wierd?
9. floater
10. whistler
11. medallion
12. technojoshi
recorded live at the molde international jazz festival, 16 / 17 july 1998.


recorded live onto two-track and engineered by jaswinder singh sidhu
edited in london by mike mower
mastered in london by ray staff @ whitfield st. studios

produced by food
exective producers: iain ballamy, dave mckean, allen spiegel

design and illustration by dave mckean @ hourglass
band photography by cf wesenberg, anja and rp
recorded through may and june 2000 at london, brighton, leeds, birmingham, bath and exeter and at blackwing studios, london.

engineered by jaswinder singh sidhu (and fulton dingley at blackwing).
mixed by peter beckmann at technology works.
mastered by ray staff @ whitfield studios.

produced by iain ballamy and peter beckmann.
exective producers: iain ballamy, dave mckean and allen spiegel.

design, illustration and photography by dave mckean @ hourglass.
1999; Feral Records; ASFA 101 2001; Feral Records; ASFA 104

home