(pickup 2003 vol 6 : 27 October 2003)
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| 01. BALL, PLAY 02. REVOLVING 03. METAMORPHOSIS 04. NUMBERS 05. SCHLEMHL 06. ANCEL 07. ONEEIGHTYEIGHT 08. ARNICA 09. STEPS all compositions by HÅVARD WIIK except "STEPS" by H. WIIK, M. EILERTSEN & P.O. JOHANSEN produced by BUGGE WESSELTOFT & HÅVARD WIIK executive producers STEN NILSEN & BUGGE WESSELTOFT recorded at AUDIOPOL STUDIO on DECEMBER 19 & 20, 2002 recording engineer: ESPEN GUNDERSEN mixed at BUGGE'S ROOM by ANDY MYTTEIS mastered by AUDUN STRYPE design NICOLAI SCHAANNING LARSEN 2003 Jazzland Recording 0602498102633 |
ピアニスト Håvard Wiik の自分のトリオとしてのデビュー作 "Postures" は、Jazzland レーベルではレーベルオーナーの Bugge Wesseltoft 、それにレーベルごく初期の頃に1枚だけ作品を残したベテランの Jon Balke に続くピアニスト/キーボード奏者リーダー作でもある。 メンバーは3人ともノルウェーで売れっ子の3人。 Per Oddvar Johansen (b. 1968)、ECM に所属する The Source や Trygve Seim、また Christian Wallumrød のグループ、それに Close Erase や自らのユニットなどで引っ張りだこの彼はノルウェーで最も繊細なドラムが叩けるプレイヤー。例えば現在注目されている Paal Nilssen-Love が自らのドラムで音楽を引っ張るタイプだとすれば、Per Oddvar Johansen は後ろから押し上げるタイプで、そのあまりにさりげない上手さはいつもは目立たない。けれどこのアルバムではいつになく攻めてくる。 その Per Oddvar Johansen とは Solveig Slettahjell のユニットなどで共演する Mats Eilertsen (b. 1975) は、Jazzland レーベルに所属する Håkon Kornstad Trio、Rune Grammofon に所属する Food などのメンバーとしても知られるベーシスト。以前は Mingus Ahh! Uhm! という自らのグループでの活動も行っていたこともある。よく響く暖かな低音の持ち主で、どっしりとした安定感があり、普段は Per Oddvar Johansen 同様控えめな感じすらする実力派のプレイヤー。 Mats Eilertsen と同い年で、けれど長身の Mats Eilertsen よりも華奢で若く見えるだろうピアニストの Håvard Wiik (b. 1975) は、Jazzland レーベルに所属する Atomic のメンバーであり、その前身となったバンド Element でシーンに進出することになった。今から7〜8年ほど前のことだ。 2001年、ノルウェーのモルデで Trygve Seim のグループでの Per Oddvar Johansen (>)、Håkon Kornstad Trio での Mats Eilertsen (>) を見た後オスロに移動して、地元のクラブで Petter Wettre のカルテットで演奏する Håvard Wiik (>) を見た。そのあまりにも日常的な、緊張感とは無縁のざわざわしたクラブの中で、1人凛とした音を転がしていたのが彼だった。 アルバムは、私があれこれ想像したものよりはるかにゴリゴリとした手触りで始まる。複雑なリズムが畳み掛けてくる。1曲目の曲名にはちょっとした言葉遊びがある - B と P を入れ替えるとそのヒントが見えてくるのだけれど、それはさておき、この曲はむしろ Atomic に近いパワフルなオープニングトラックだ。 ピアノ/ベース/ドラムによるオーソドックスなフォーマットのピアノトリオと言っても、実際は三者の絡みでいろいろな可能性があるけれど、Håvard Wiik は三者が対等に調和し、触発しあうトリオを構想し、安定感のあるプレイヤー2人と共に実にスリリングなトリオを結成した。ピアノ、ベース、ドラムそれぞれのソロもあるけれど、それはごく自然に3人の間から生まれてくるようで、3人の見事なコミュニケーションには息をのむばかりだ。 Håvard Wiik はまた優れたソングライターであることもこのアルバムで証明している。Atomic で数曲の彼のオリジナルがあったものの、ここでは最終トラックを除いてすべて彼によるものだ。ピアノトリオという小さなフォーマットだと、ともすればその手口に限りが見えてアルバム半ばで飽きてくる場合もあるのだけれど、このアルバムの46分には、このトリオとしてのカラーは統一しながらとてもバラエティーに富んだオリジナルが並ぶ。そのオリジナルはどれもが甘すぎないとても美しいメロディーを持ち、時にロマンチックで時にはアグレッシブで、特に Håvard Wiik の右手による長い流れるようなフレーズは圧倒的だ。 このアルバムはこの3人によるファーストアルバムで、これから先、まだまだ聴き手をよい意味で裏切るような音楽を作り出してくれるだろうという期待を抱かせるに十分な、素晴らしいファーストアルバムだ。 ----- 最近の Håvard Wiik の録音としては、春先にリリースされた彼とは古い付き合いになる Petter Wettre (ts) のクインテット作 "Household Name"、夏にリリースされた Atomic のセカンドアルバム "Boom Boom" があり、いずれの作品でも Håvard Wiik は素晴らしい演奏をしている。そして自己のトリオ名義での作品を挟み、アメリカ Wobbly Rail レーベルからの Free Fall というトリオ名義でのファーストアルバム "Furnace"。メンバーは Ken Vandermark (cl) と Ingebrigt Håker Flaten (b) で、ユニット名 Free Fall は Jimmy Giuffre (cl), Paul Bley (p), Steve Swallow (b) という同じ楽器編成のトリオの作品 "Free Fall" (1962) に由来する。Håvard Wiik はちょうど Paul Bley のポジションに位置する格好だ(上の1曲目のタイトルをチェック!)。もう1つ予定されているユニークなリリースはノルウェーのアコーディオン奏者 Stian Carstensen のソロ作品。かなり前にレコーディングは終わっており、ドイツの Winter & Winter から来年春のリリースが予定されている。メンバーは Stian Carstensen の他、オランダの Ernst Reijseger (cel)、Supersilent の2人 Jarle Vespestad (ds) と Arve Henriksen (tp) と興味深い顔ぶれ。かなり奇抜なアルバムという噂のこの作品、また Håvard Wiik の新鮮な演奏が聴けるのではないだろうか。その他、彼はアコースティックピアノ以外にもエレピも弾き、特に Black Beauty という エレクトリック・マイルスに影響を受けたパワフルな豪華ユニット(メンバーは Frode Nymo (as), Håkon Kornstad (ts、 ※ Håkon Kornstad と Håvard Wiik はデュオもやっている), Ingebrigt Håker Flaten or Per Zanussi (b), Paal Nilssen-Love or Per Oddvar Johansen (ds)) の活動は見逃せない。 |
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