(pickup 2006 vol 10 : 22 December 2006)
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ZANUSSI FIVE Alborado |
| 1. Alborado 2. Balatron 3. Amorous Parade 4. Interlocutor 5. Maboroshi 6. Ornitheology 7. Solitude Amidst the Suns 8. Zoanthropy part 1 9. Zoanthropy part 2 10. The Glimmung 11. Asso di Picche All comositions by Per Zanussi, except track 4 by Zanussi 5. Produced by Per Zanussi. Executive producer: Jonas Kullhammar. Recorded live in studio with hardly any overdubs. Analogue recording by Kai Andersen at Athletic Sound, Halden, 24/25 August 2006. Mixed by Reidar Skår at 7de Etage, 21/24 September 2006. Mastered by Bob Katz, 30.September 2006 Cover design by Hex. 2006; Moserobie; m.m.p cd049 >> Per Zanussi >> Zanussi Five @ MySpace.com >> "Alborado" @ klicktrack.com >> Moserobie |
ZANUSSI FIVE: Per Zanussi (double b, saw) Kjetil Møster (ts, ss, cl, per) Rolf-Erik Nystrøm (as, sns) Eirik Hegdal (bs, ss) Per Oddvar Johansen (ds, per) Per Zanussi を一言で言い表すのは難しい。 1977年ノルウェー・スタヴァンゲル出身。名前は、本人によると「ノルウェーでは『サヌッシ』とノルウェー語読みし、英語の時や国外では『ザヌッシ』と発音している」とのこと(ちなみに彼は直接的にはイタリア系ノルウェー人であり、ポーランド系でもある)。1996年、19歳の時に Wibutee の前身となるグループを結成、1999年、22歳の時ににはファーストアルバム "Newborn Thing" をリリースし注目される。2001年リリースのセカンドアルバム "Eight Domestic Challenges" は彼のダブルベースなしには成り立たなかったであろう名盤だ。2002年5月にはその Wibutee で来日もしている。 一方で、この Zanussi Five の他多くのグループで共演する1つ年上のサックス奏者 Kjetil Møster との活動は、レコーディング作品こそ少なかったものの確実に進んでいた。活動はむしろこちらのほうが幅広く、来日しライブレコーディングを行った MZN3 や、来年デビュー作をリリースする Kjetil Møster Sextet、エレクトリック・フリージャズ・ビッグバンドCrimetime Orchestra の他、短編映画や舞台のための音楽なども手がけている。この共演歴は Per Zanussi の、Wibutee とは全く異なる面を端的に語っている。 Wibutee のメンバーとして3作目 "Playmachine" (2004) をリリース後、グループを脱退したのには驚いたが、さらに驚かされたのはその後だ。2001年に既に結成していた自身のグループを率いて2005年2月にリリースしたファーストアルバムの最初のトラックで、Wibutee のファーストアルバムの最初のトラックである自作曲をヘビーなフリージャズアレンジにしてみせたことだ。この1曲はまるで挨拶状を突きつけるようでもあり、また、Per Zanussi のこれからの方向性を宣言するかのようでもあった。 Per Zanussi はこれまで何度かライブで見たが、彼の演奏の特徴ははっきりとは掴めないでいた。2006年11月の MZN3 での来日時はことさら注意深く彼の演奏を観察したつもりだが、それでもなお、彼の演奏を言葉にするのは難しい。敢えて言うなら、音そのものは弦が弾かれた瞬間より後の響きが彼らしい部分であり、インプロヴァイザーというより譜面に強そうである。正確に言うと、彼がインプロヴァイザーではないというわけではなく、彼の場合、即興演奏で音楽を構築するというより、音を出す前に既に頭の中で音楽が描かれているような印象を受けるのである。 Zanussi Five という名前の通りクインテット編成のこのグループは、ピアノレスでサックスばかり3管という少し変わった編成で、それぞれのメンバーが異なる強い個性を持っている。 アルトとソプラニーノサックスの Rolf-Erik Nystrøm (b. 1975) は元々は現代音楽のプレイヤーで、トリオ Poing とピアニスト Helge Lien とのデュオ HERO でそれぞれ2枚のアルバム、そして2006年にはソロ作 "Concept of Sorrow & Dangers" (Aurora) をリリース、現代音楽に加えノイズやインプロなどに「はみ出した」演奏が最近の彼の特徴だ。 テナーとソプラノサックスの Kjetil Møster (b. 1976) はこのグループの中では最も即興演奏色が強く、また最もロック色が強いプレイヤーでもある。Per Zanussi と共演する即興演奏色の強い MZN3 や最近加入したもっと音響色の強い Ultralyd 、それにその2つのグループを合わせたような自身のグループ Kjeil Møster Sextet の他、ロックバンドのツアーやレコーディングにも参加している。 バリトンとソプラノサックス の Eirik Hegdal (b. 1973) は、現在は活動を停止しているトロンハイムのジャズロック・グループ Dingobats で3枚の作品をリリースしている他、Kjetil Møster と共演する Brat のメンバー、そして Trondheim Jazz Orchestra のバンドリーダーとして知られる。その活動は先の2人よりコンポーザーとしての色彩が強く、音楽的にはジャズロック寄りだ。 この3管を Per Zanussi とともに捉えるドラマー Per Oddvar Johansen (b. 1968) は、もはや説明をする必要もないかもしれない。The Source や Trygve Seim、Christian Wallumrød 等のグループでの ECM への作品では非常に繊細な演奏、(最近の)Close Erase ではそれらとは全く異なる過激なまでにエレクトリックな音楽、さらには作曲家としても活動するなど懐の深い名手だ。 Zanussi Five のこの新作の音楽はスリリングだ。意外なほどに耳によく残るメロディー、北欧風というより無国籍なエキゾチックさも垣間見せる楽曲、ベーシストのリーダー作らしい凝った小気味良いグルーヴ。そして3本のサックスは、アルト、テナー、バリトンそれぞれの音色の差よりも、演奏そのものにより一瞬にしてどの音が誰か分かるほどそれぞれの特色を活かす配慮がされており、その個性の絡み合いがとてもユニークだ。 バランス感覚も重要なポイントだろう。この編成におけるそれぞれのミュージシャンのカラー、それぞれの楽曲における作曲された部分と即興演奏の組み合わせ、そしてアルバム全体を見ても、より楽曲志向が強いものと、かなり抽象度の高いものが絶妙のバランスでミックスされている。もしかしたらこれは Per Zanussi の演奏にもあてはまり、それが先述の、一言では言い表せない魅力を裏付ける事実なのかもしれない。 前作においてほとんど唯一の問題点らしい点は録音だった。今回はメンバーも納得のいく音に仕上がったと言うように、アナログレコーディングによる柔らかな手触りの音がアンサンブルの音楽性によく合っており、しなやかなドラム、ベースの響き、そして木管楽器であるサックスの音色を魅力的に再現している。 アルバムタイトル "Alborado" を始めとして曲名にはずらりとあまり馴染みのない単語が並ぶ。"alborado" は「夜明けの歌」、"balatron" は「道化者」、"interlocutor" は「話者」、"zoanthropy" は「動物に変化(へんげ)する妄想」といった具合で、"ornitheology" は "ornithology" (鳥類学)+ "theology" (神学)で「鳥神学」(?)だろうか。短くともひねりがあり、しかも抽象的なものが並ぶ。その中の1つ"Maboroshi" はもちろん日本語、本か何かで読んで興味を持ち、曲のタイトルにした、というので、それぞれに特に深い理由があるわけではなさそうだが、リスナーに向けられた小さな謎かけのようでもある。 |
| 2005; Moserobie; m.m.p cd038 All tracks composed by Per Zanussi except "Street Woman" by O. Coleman and "Duo" by Per Zanussi / Rolf-Erik Nystrøm Recorded 13th & 14th September 2004 by Andy Mytteis at Bugges Room, Oslo. Mixed by Reidar Skår at 7. Etage, Oslo. Mastered by Linus Larsson, Hogalid Studio, Stockholm Produced by Per Zanussi and Zanussi five Executive producer: Jonas Kullhammar Cover design by Tendenes and Svindland 1. Fritz / Fri 14th 2. Azrah Illusion / Street Woman 3. Conundrum 4. Medardo 5. Duo 6. Valzer 7. Ghibli 8. Kef |
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ZANUSSI FIVE Zanussi Five |
Special thanks to Per and thanks also to Kjetil.