(pickup 2007 vol 4 : 19 April 2007)
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THE INDIAN CORE |
| 1. Slo' Fox (Aalberg) 2. Punjab Blues (Aalberg) 3. Autumn (Ali) 4. Ull-Raga (Raknes) 5. Agra (Aalberg) 6. Tarana (Ali) |
Kanchman Babbar (fl) Kjetil Møster (sax) Fateh Ali (sitar) Erlend Slettevoll (p) Steinar Raknes (b) Prasenjit Mitra (tabla) Espen Aalberg (ds) |
| All music recorded live in Olavshallen, Trondheim 11 Nov 2006, except track 4, recorded in Drammens Teater, Drammen 8 Nov 2006. Recorded by Anders Aasebøe Mixed & Mastering by Reidar Skaar 14-16 Dec 2006. Produced by The Core and Reidar Skaar. Artwork by www.trundragroup.com 2007; Grappa; GRCD 4254 |
1999年秋にドラマーの Espen Aalberg が、60年代のいわゆるスピリチュアル・ジャズを演奏するというグループのコンセプトを固めてメンバーを集め始め、2001年秋には現在のメンバーで The Core と名乗り初めてのライブを行った。それ以来順調に活動を続け、コンスタントに多くのライブを行っているこのグループにはいくつか特徴的なことがある。 1つめはリーダーがドラマーの Espen Aalberg であり、彼とベーシストの Steinar Raknes が全ての曲を手がけること。 2つめは、グループ結成以来1人もメンバーは変わっていないが、これまで多くのゲストミュージシャンを入れてライブを行ってきたこと。過去に共演したのは Per "Texas" Johansson (sax)、Håkon Kornstad (sax)、Jonas Kullhammer (sax)、James Carter (sax) そして前作 "Blue Sky" での Nils-Olav Johansen (g)。他にも最近のニューヨーク公演では Andrew D'Angelo (sax) が加わったという。即興演奏より楽曲が先にあるワンホーンカルテットとしては意外な感じのする顔ぶれだ。 そしてもう1つ、彼らが全てのライブを録音しているということ。録音することそのものはさして珍しくないが、彼らはそれらを「ブートレグ」と称してオフィシャルサイトに次々にアップロードしている。1回のライブにつき1時間を越えるボリュームのマテリアル、MP3 と高音質のファイル両方を揃え、CDラベルとジャケットの印刷用PDFファイルまで添えられている。マニアックなまでの徹底ぶりはともかく、彼らがライブバンドであると自負していることは間違いない。 その The Core は2005年11月にインド・パキスタン・バングラデシュを8日間で回り6回の公演を行った。ノルウェーのミュージシャンがインドをツアーしたという話はしばしば耳にするが、これはノルウェーの国やそれに準じる団体からの相当額の経済的なサポートにより実現しているものだ。そのツアーで彼らはこのアルバム "The Indian Core" に参加している現地のミュージシャン3人と初めて共演することになった。そのツアーの最終日の音源が例によってサイトにアップされている。曲はそのインドツアー直前に録音された前作 "Blue Sky" に収録されていた Illiman Dance" と "Indian Song"。オリジナルを聴いていればそれなりに面白いが、この時点では現地のミュージシャンのカラーはさほど反映されていないと言えるだろう。 そして2006年10月〜11月、4人のノルウェー人ミュージシャンと3人のインド人ミュージシャンは、今度はノルウェーでツアーを行った(その前に一度、2006年5月にノルウェーでツアーのプロモーション向けに共演している。また、このノルウェーツアーも全開同様に経済的なサポートにより可能となったものだ)。このアルバムはそのノルウェーツアーの最後の公演(1曲のみ数日前の公演の音源が含まれる)の模様を収録したものだ。先にこのアルバムで唯一気になる点を挙げてしまうなら、歓声はソロの後などで少々入るのみで、ライブ録音らしさをあまり感じさせない、多少綺麗過ぎる仕上がりになっていることだろう。 てっきりこれまでのアルバムからの曲をアレンジしたものが出てくるのかと思いきや、全曲オリジナル。しかもインドのシタール奏者 Fateh Ali のオリジナルも2曲含まれる。収録された6曲、3人のコンポーザーの誰がそれぞれを手がけているかはなかなか聴いただけでは分からない。 楽曲は全て多少なりともインド風、もしくはオリエンタルなテーマを持つ。タブラやシタール、フルートの音の入り方もユニークで、なかなかに大陸的なスケールの大きさを感じさせる。つんのめるような勢いの演奏をする The Core だが、このインド人ミュージシャンとの共演ではむしろリラックスした構えを見せており、そのためリスナーも(良い意味で)リラックスして単純に楽しめる音楽になっている。楽器の組み合わせにおいても、タブラとドラムも決してぶつからないし、シタールはベースとピアノの間で絶妙の位置取り、フルートとサックス、特にソプラノサックスとの相性も抜群だ。 それでもなお、このアルバムが The Core のアルバムと捉えることができるほどに彼ららしさは保たれている。テーマはオリエンタルだが、いつものように順番に回る長いソロでは、どちらの国のミュージシャンも結構普通のスケールで演奏しており、エキゾチックな印象はさほど受けない。別の言い方をすれば、どちらも互いの音楽を安易にはなぞらず、この7人ならではの共通点を見出している。中ほどの2曲では少々「異国」にトリップしてしまうが、全体を通して、相変わらず長尺の曲を一息に聴かせる The Core らしい音楽となっている。 収録されている曲はそれぞれが面白いアイディアとアレンジが凝らされ、ツアー終盤の音源ということもあり、楽曲もよく馴染んでいる。その中のハイライトは恐らく Fateh Ali による "Tarana" だろう。ノルウェーからは出てきそうにない、陽の光を感じさせる明るいテーマをもつ5拍子のロックナンバーで、13分半があっという間のエンディング・トラックだ。 The Core の次のアルバムは、この The Indian Core の2ヶ月前、2006年9月のブルックリンでの録音となる。恐らくはカルテットの演奏となるこのアルバムでは、彼らの本質をよりダイレクトに知ることができるだろう。 |
| links: | >> The Core >> The Core @ MySpace.com >> The Indian Core @ musiconline.no |