(pickup 2007 vol 7 : 29 August 2007)
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susanna sonata mix dwarf cosmos |
| 1. intruder 2. born in the desert 3. hangout 4. people living 5. stay 6. for you 7. better days 8. traveling 9. demon dance 10. home recording 11. we offer 12. lily susanna karolina wallumrød (vo, p, g) barbara buchholz (theremin on #1) christian wallumrød (p on #1, 8) helge sten (g, on #1, 5, 7; mellotron on #7) giovanna pessi (historical harp on #3) morten qvenild (celesta on #3, p and memorymoog on #12) ola fløttum (g on #5) øystein greni (g on #7) ingebrigt h. flaten (double b on #9) pål hausken (ds on #11) all songs composed by susanna k. wallumrød exept #4 music by david wallumrød and susanna k wallumrød and #7 music by øystein greni and susanna k wallumrød recorded by helgestten at husettilsjur&peder, hovsetervn42b, studio mekanikk, levinsalen and audio virus lab theremin recorded by barbara buchholz harp recorded by helge sten on location in basel, switzerland mixed by helgesten at audio virus lab produced by deathprod mastered by bob katz at digital domain sleeve by kim hiorthøy 2007 rune grammofon RCD 2066 >> susanna @ myspace.com >> "sonata mix dwarf cosmos" @ musiconline.no |
Susanna Wallumrød のソロ、と聞いてまずはとても驚いた。Susanna and the Magical Orchestra は Morten Qvenild と Susanna Wallumrød の2人の個性によるものだが、その逆、Susanna
Wallumrød はイコール Susanna and the Magical Orchestra だと思っていたからだ。理由は簡単、多くのプロジェクトを抱える
Morten Qvenild と対照的に Susanna Wallumrød は Susanna and the Magical
Orchestra のみで活動、ゲスト参加した録音も私の知る限り The White Birch
"Come Up For Air" (2006; Glitterhouse / Rune Grammofon) と Friko
"The Journey to Mandola" (2006; C+C) のわずか2枚に留まるからだ。そんななので、2006年7月、オスロで会った彼女が、「今日
Ingebrigt (Flaten) とレコーディングしてね…」と話していても、特に気に留めるでもなく、後から
、あれは誰のプロジェクトだったのか聞くのを忘れたなぁ、とちらりと思い返した位だ。 それから1年もたたずにアルバムは完成した。2007年6月に、彼女は出来上がったばかりの音源を聴かせてくれた。一緒に聴きながら、この曲は誰がピアノを弾いていて、これは誰がギターで…と説明してくれるのだが、私のほうは実は上の空、心は完全に音楽のほうへのめりこんでしまっていた。この静かな音楽に完全にノックダウンされながら、かろうじて思ったのは、もしかしたら Susanna and the Magical Orchestra と全く異なる音楽が出てくるのでは、との私の予想を覆し(それは、彼女が普段、自身の音楽とは全く異なる音楽もよく聴いているのをよく知っていたからだが)、音楽は意外にも Susanna and the Magical Orchestra に似た路線だった、ということだ。彼女はそれに同意し、どちらも私の音楽で、私が歌ってるから、と説明し、ソロのほうがもっと歌が全面に出ているけれど、と付け加えた。 その彼女の言葉がこのアルバムの音楽を端的に表現している。アルバムの曲は全て彼女が手がけ、そのうちの2曲のみ、従兄弟でキーボード奏者の David Wallumrød とロックバンド BigBang の Øystein Greni との共作、歌詞は全て自作だ。とてもシンプルなメロディーと非常にパーソナルな歌詞、それを綴るのは、基本的に彼女のボーカルだけだ。楽器は最小限。特に自身が演奏するピアノとギターは、ボーカルよりすこしくすんだ音で録音され、ただ、ボーカルがひとりぼっちになってしまわないようにのみ音をつなげる。楽器と楽器もほとんど重ならない。重なっても、例えば全く種類の違うギターが次元の異なるところで鳴っていたり、ハープとチェレステという響きが長く残らないものだったり、スライドギターとテルミンというふわりと音が流れて揺らいで消えていくものだったりする。 小さな素朴な音でサポートする友人たちの顔ぶれが興味深い。何といっても公式な音源では初めて共演することになる兄の Christian Wallumrød。その兄のグループのメンバーであるスイス人ハーピスト Giovanna Pessi。国外のミュージシャンはもう1人、ベルリン在住のよく知られたテルミン奏者 Barbara Buchholz。ノルウェーのポップグループ The White Birch のリーダー Ola Flettum は、Rune Grammofon が国外向けにディストリビュートした "Come Up For Air" では Susanna Wallumrød とデュオを聴かせるが、ここではギターのみ。ノルウェーのロックバンド BigBang の Øystein Greni は作曲とギターで参加。ノルウェーのジャズを聴く人には説明不要のベーシスト Ingebrigt Håker Flaten は、名前が書かれていなければ到底彼の演奏とは分からないほどの控えめな演奏。多くのゲストの中でもさすがに相性の良さを見せるデュオパートナーの Morten Qvenild。その Morten Qvenild のグループ In The Country のドラマー Pål Hausken。そして演奏もさることながら、彼女の声を最良の状態で録音するという、もしかしたら結構難しいかもしれない作業でアルバムに最大の貢献をする Helge Sten。 そして、ソロ作と言うにふさわしい主役の Susanna Wallumrød は、これまでの Susanna and the Magical Orchestra の時と同じように、歌詞を一言ずつ丁寧に、感情を過多に込めることなく、どこか別の世界を見つめるかのように、柔らかに静かに歌う。その歌は、デュオの時より随分温かな印象を受ける。もちろん、よりシンプルで分かりやすいメロディーやアコースティックな楽器を多く配したことにも因るだろうが、多くは彼女の歌そのものに因る。そしてその温かさは同時に、非常に抽象的ながら、とてもポジティブな力を湛えている。 Susanna and the Magical Orchestra で見せるような、独創的なアレンジや静かなエキセントリックさを排除し、ただひたすら、自らの歌と声に焦点を絞った結果、作品は非常に普遍的な音楽に仕上がった。虚飾や作為的なものがないため、歌は聴く人の心にダイレクトに響くだろう。恐らくずっと後になって聞き返しても、27歳の彼女の声が若々しい以外は、年月を経たことを感じさせないだろう。そんな考えが浮かぶと共に、やや相反するようだが、このアルバムを聴き返した時、2007年の暑い夏と、これを初めて耳にした土砂降りと柔らかな初夏の北欧の光が同居したあのオスロの1日を思い出すだろう、とそんな確信も抱かせられる。 |
tusen takk til susanna :-)