(pickup 2009 vol 4 : 26 august 2009)

Arve Henriksen | Elling Vanberg
Ellivan

01. Lydriket
02. Fjorden
03. Det Kløyvde Vatnet
04. Onnene
05. Jarnet
06. Try Syngjande Femtoms Spik
07. Stille Veg (Instrumental)
08. Du
09. Rondskriv Og Gromgut
10. Eg Sette
11. Skulptur
12. Dyr
13. Barsokereita
14. Kråkenes
15. Dikting Er
16. Eit Namn Og Ei Bøn I Blått (Instrumental)
17. Grunnsteinar
18. Ukjend Katedral
19. Vanbergsjegten
20. Ellivals (Instrumental)
21. Beire Hoss
22. Nebukaneser
23. Haust
24. Isroser
25. Skarsti-Basaren
26. Øksesvingarane

All music composed by Arve Henriksen,
except tracks 5, 9 by Henriksen & Seglem,
tracks 4, 14, 16, 19 by Henriksen & Isugnset.
Recorded by Tor Magne Hallibakken, Nesbyen 2005.
Track 18 trad. Benedicti, recorded by Erik Honoré at Punkt Studios, Kristiansand.
All other tracks recorded and mixed during 2007-2009 mainly at 7Etage, Oslo, Norway.
Sound-engineer: Reidar Skår.
Elling Vanberg recorded in 1992 by NRK Sogn of Fjordane.
Prodeced by Karl Seglem.
Co-produced by Reidar Skår and Arve Henriksen.
Mastered by Helge Sten.
Cover photos by Oddleiv Apneseth.
Cover design by Jonas Howden Sjøvaag.


2009; NORCD 0979
Arve Henriksen (tp, voice, electronics, ds, key, whisteling, filed recording)
Elling Vanberg (voice)
Anna Maria Friman (voice on #18)
Karl Seglem (goat horn, voice on #5, 9, 17, 23, 24)
Terje Isungset (ds, per, ice, voice on #4, 14, 16, 19)
Jan Bang (sampling, on #18)


Arve Henriksen と Elling Vanberg の作品がリリースされる、と聞いて、Elling Vanberg の名前を検索にかけてみたら自分のサイトがヒットして驚いた。辿り着いたのは Arve Henriksen がメンバーだった Food のファーストアルバム。その中の1曲の作詞に Elling Vanberg の名前があった。

アルバムリリースの直前に送られてきた短いサンプル音源を聴いて再び驚いた。その音源は先の Food のトラックのバージョン違いだったからだ。それでやっと、先の Food のアルバムの、クレジットのない低いおどろおどろしい声は Arve Henriksen ではなく Elling Vanberg 自身のだと知った。

Arve Henriksen がこのノルウェーの詩人 Elling Vanberg (1937−1993)に会ったのはたった一度。1983年、Arve Henriksen は15歳で、彼の地元 Stryn の学校にやってきた Elling Vanberg (彼は Stryn と同じ地方の Olden に住んでいた)の朗読を聴き、大きな影響を受けたという。彼の朗読を自身の音楽と結びつけるアイディアは、Elling Vanberg が亡くなってから2年後、1995年のことで、その後度々様々なミュージシャンとのコラボレーションの中でそのアイディアを試してきた。その代表的なものが 1998年に録音された Food のファーストアルバムの中の1曲である。

Elling Vanberg の朗読はノルウェーの国営放送に録音が残されており、今回使われているのはそれらの録音からのものだ。その詩の朗読に Arve Henriksen が音楽をつけたもの、と言ってしまうと簡単だが、そのプロセスは容易なものではなく、一時中断していた、と彼自身によるライナーノートの中で書かれている。

Rune Grammofon からの(現在のところ)最後のソロ作となった "Strjon" は彼の故郷の町の名前の中世の呼称をタイトルとした、彼のルーツを遡るマテリアルとアイディアをまとめたものだったが、そのアルバムの後、Elling Vanberg の朗読とのコラボレーションにも新たに取り組むことができたという。

Elling Vanberg の朗読は、穏やかな低い声による、ノルウェー語らしい抑揚のあるものと、おどろおどろしいまでに抑揚を抑えた、低く強い声のものとがある。詩はノルウェー語、英訳は掲載されておらず、しかも標準的なノルウェー語ではないようなので、内容は全く把握できない。しかし何ともインパクトのある声で、その朗読の持つ力と、独特の響きは、歌詞の意味が分からなくとも、おおかた伝わるのではないだろうか。

音楽に加わるのは Karl Seglem と Terje Isungset という、ノルウェーの土壌に根ざした音を表現できる個性派2人。サウンド面は最近の Arve Henriksen が多用する、様々な音源を重ね合わせるものだが、3人の個性が活かされたナチュラルな音の響きのため、ECM 盤 "Cartography" とは(当然ながら)かなり違った印象を受ける。また、Rune Gramofon からの "Strjon" よりはかなり柔らかく、静か。また、どこかノスタルジックな響きも残す。

Arve Henriksen が、"Strjon" に続き、とても長い間あたため続けてきた詩と音楽の融合。完成された音だけ聞くと、とても朗読に音をつけたようには聴こえず、逆に音楽に合わせて詩を朗読しているかのような、両者の蜜な融合である。

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