<< 2001 Vol. 5 (2001/010/02) >>

Children of Nature films by Fridrik Thor Fridriksson
(b. 1954)
music by Hilmar Örn Hilmarsson
(b. 1958)
images of the films:

キーワード: 超常現象、大自然、迷信、家族、アイスランドという特殊な国。
写真のようなイメージの映像:Children of the Nature の青い画面(上の写真)、Cold Fever の真っ白の雪景色の中立ち往生する赤い車、Devil's Island で険しいアイスランドの高地の上空を飛ぶ黄色い飛行機。
selected filmography of F.T.F.:

1987 White Whales
1991 Children of Nature
1994 Movie Days
1995 Cold Fever
1996 Devil's Island
2001 Angels of the Universe



children of nature

Childeren of Nature
Börn Náttúrunnar

1996; Touch; T33.14

angels of the universe

Angels of the Universe
Englar alheimsins

2001; Fat Cat; FATOST-CD01
1. Ars Moriendi
2. Charon
3. Sudurgata
4. Farm
5. Snatis's Death
6. Journey
7. Escape
8. Coffin
9. Ascension
10. Titles
11. Aerophilia
12. Pretty Angels
1. Approach / Dream
2. Memory
3. The Black Dog and the Scottish Play
4. Degradation
5. Over the Bend
6. Colours
7. Journey to the Underworld
8. Shave
9. On the Road
10. Anothre Memory
11. Relapse
12. Come
13. Schiller in China
14. Helpless
15. To Morituri...

16. Bíum bíum bambaló
17. Death Announcement and Funerals
1991年の Fridrik Thor Fridrikson 監督の長編2作目"Children of Nature" はアカデミー外国語映画賞ノミネート(1992年)を始めとして世界中の注目を集め、監督の出世作となった。これが『春にして君を想う』というタイトルで日本で公開されたのは1994年の春。そしてちょっと記憶から消えかかった頃にひょっこりイギリス Touch レーベルからサウンドトラックがリリースされたのが1996年。

ストーリーは現在のアイスランド。レイキャヴィークの老人ホームで数十年ぶりに再会した2人の老人(男性と女性)が人生最後の時を生まれ故郷で迎えたい、という一心で老人ホームを抜け出し、故郷(とんでもなく辺鄙なところである)へ向かう、というロードムービー。

その地の果てのような非現実的なまでに美しい映像は脳裏に焼きついていたが、さて、どんな音楽だったか、とサウンドトラックを聴いた途端、あの映像がいっぺんによみがえるような気がした。

全体的に青を基調とした画面、厳しい大自然といった映画のイメージをそのまま音にしたようなサウンドトラック。ストリングスの演奏を中心とした壮大なスケールのオリジナルスコア。

アルバムに収録されているのはオリジナルスコアだけだが、映画には印象的な曲が他に2曲挿入される。1つ目は「われはキャンドルに火をともす」という、アイスランドでは古くから埋葬の時に歌われるという歌。もう1つは Björk がメンバーだったことで有名なアイスランドのグループ The Sugarcubes。主人公の老人と現代的な孫娘との対比を描くシーンでステレオから大音響で "Cold Sweat"(The Sugarcubes のデビューアルバム "Life's Too Good" に収録)が流れる。これもアイスランド。

尚、このCD、ブックレットが充実していて、まるで映画のパンフレットのように映画のシーンの写真が載っている。
映画を観る前にサウンドトラックを聴いてしまうのは、映画を観るときに気が散るので本当はあまり好きではないのだが、何時になるか分からないアイスランド映画の日本公開なんて待ってもいられない。

アイスランドの作家 Einar Már Gudmundsson の同名小説を映画化したもので、この小説は Nordic Prize of Literature という賞を1995年に受賞しているそうだ。

登場する人がみなどこかヘン、という Fridrik Thor Fridriksson らしい設定は小説の映画化となっても変わらないようだ。主人公は比較的若い人、舞台となるのも現代。

手元にある音楽のほうは、始まりこそ Hilmar Örn Hilmarsson らしいストリングスやシンセサイザー系の音を背景に、アコースティックギターが鳴るといった曲が並ぶ。しかし時々、パーカッションやドラムが入る曲があったり、不穏な雰囲気を漂わせたりする曲もある。

このサウンドトラックの話題の1つは最後の2曲を演奏するアイスランドのグループ Sigur Rós。1999年のアルバム "Ágætis Byrjun" (=Good Beginning) で世界的に有名になったこのグループによる2曲はEP "Ný Batteri" に収録されていた曲。漂うような、しかしかなり重たい雰囲気、そして彼ららしくミディアムというかスローテンポの力強い曲、とてもアイスランドらしいこのグループの音はきっと Fridriksson の映像にぴったりだろう。ちょっとヘビーかとも思うが、そういう映画なんだろうか。

このアルバムをリリースする Fat Cat もイギリスのレーベル (Sigur Rós のアルバムもここからリリースされている)、2001年10月にはイギリス各地でこの映画と Sigur Rós の2本のビデオ ("Svefn-G-Englar" と "Vidrar Vel Til Loftárása") の上映会があるそうだ。

...iceland?

老人2人のロードムービー "Children of Nature"、1960年代のアイスランドで映画に夢中になる少年が主人公の自伝的な "Movie Days"、アイスランドの氷河地帯で亡くなった両親の慰霊のために冬のアイスランドへやってくる日本人(永瀬正敏が演じている)を描いた "Cold Fever"、1950年代、アメリカ軍が去った後のバラックに住む家族の実話に基づく "Devil's Island"。

そんな映像にひかれて実際に行ってみたアイスランドは映画そのもの。永瀬正敏演じる主人公よろしく空港から市内へ行く最初の交通手段からトラブったりもした。アイスランドから出てくるミュージシャン、Björk 、Sigur Rós といった人たちの個性的な音楽もまたアイスランドの景色にやたらとぴったり。

ジャズ系のミュージシャンでは Skuli Sverrisson というニューヨークで活動するエレクトリック・ベースの名手がいるが、彼よりもむしろ Hilmar Jensson というギタリストのほうがアイスランドらしい音、という印象を受ける。(Sverrisson の参加アルバムはたくさんあるが、Jim Black (ds) のリーダー作 "AlasNoAxis" (2000年、Winter & Winter) ではこのSverrisson と Jensson が顔を合わせている。名作!)
* see also >> Sigur Rós

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