<< 2002 Vol. 10 (2002/07/22) >>

H u g g u n << kippi kaninus
Gudmundur Vignir Karlsson
<< "h u g g u n"
"c o m f o r t"
1. tea time tones
2. harmiag
3. múnnangur
4. örbrot
5. nuevo
6. livingroom piano
7. organize
8. my friend the trampoline
9. perfect presence
10. the hornet that burned me
11. the pianoplayer takes a bath
12. the comfort of my ears

2002; Kitchen Motors; KM 5
Kippi Kaninus は Gudmundur Vignir Karlsson というアーティストの別名で、ラテン語で笑うときに使う筋肉の名前だそう。

今年の初め、まだ全く無名だった Kippi は "Í síðdegiskaffinu: sígild hljómlist" (= "afternooncoffee: classical music") という10曲入り CDR を製作し、20枚限定(!)でレイキャヴィーク市内の 12 Toner というレコードショップから発売した。あっという間にソールドアウトになった幻のこのファーストアルバムを買った1人に Kitchen Motors レーベルの共同オーナーの Kristín Björk Kristjánsdóttir がいた。

その「午後のコーヒー」からの5曲を含む "h u g g u n" (="c o m f o r t"、どうも隙間を空けて表記したいらしい)が正式なデビューアルバムになる。刺繍でちくちくと表記されているタイトルからしてかなり変わっている。

このアルバムには聴き手の好奇心をめいっぱい刺激するような音がたくさんつまっている。生の楽器の音―打楽器類やタイトルにも登場するリビングのピアノなど―とエレクトロニクス系のビートをごく自然にブレンドした肌触りのよいサウンド。昨今この手の「オーガニックなエレクトロニカ」はヨーロッパを中心にじわじわと広がりつつあるけれど、Kippi のもつビート感は独特。なかなかにグルーヴィーで、ひょいと意表を突いたタイミングでとてもアナログな打楽器な音がぽん、と入ったりする。

それからこのアルバムにはアイスランドらしい「何か」がある。ジャンルを問わずアイスランドのミュージシャンが共通して持っている不思議な感覚、ヨーロッパでも大陸部やスカンジナヴィア半島のミュージシャンにはないアイスランド特有の、風景や伝説を音に反映させたかのような「何か」だ。

ポップなのと意表を突かれるのとで、聴いているとちょっと口元がほころんでなごんでしまいそうな音。それから Kitchen Motors からは企画ものでない初めての単独アーティスト作品となるこのアルバムは、Kitchen Motors らしい鋭さも持っている。

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Kippi はこのアルバムを 2002年6月にアイスランドでリリースした後、一足先にニューアルバムをリリースした同じアイスランドの múm のツアーのサポートでワールドツアーに出る。

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