<< 2002 Vol. 15 (2002/12/26) >>

Opera TAPE "opera"
TAPE:
Andreas Berthling
Johan Berthling
Tomas Hallonsten
guitars, laptop, pedals, synthesizers, harmonium, melodica, field recordings, percussion, harmonica, zither, piano, flute, bells, glockenspiel, accordion, trumpet, paper, styrofoam, youngmei
1. Bell Mountain
2. Fire Made Of Bones
3. Feeler
4. Summa
5. Radiolaria
6. Longitude
7. Noises From A Hill
8. Return To Ship
9. Terraces
10. Rut


Played and recorded by Tape at Dredinge, Äng and Stockholm during summer 2002.
Alto saxophone on 2 by Magnus Granberg.
Mixed by Tape and Klas Augustsson.
Mastered by Henrik Jonsson at Polar Studios.
Cover by Klas Augustsson
(Illustrations from on Growth and Form by D'Arcy W. Thompson).



2002; Häpna; H.9



listen!
Tape はスウェーデン人3人によるトリオ。2000年に結成、ストックホルムを中心に、東ヨーロッパにまでツアーの足を伸ばしたりする。

Tomas Hallosten はトランペットの他、マルチ奏者としてストックホルムで活動。演劇や舞台のための音楽などを手がけている。

Andreas Berthling は主にラップトップを扱う。隣国ノルウェー・トロンハイムの有名なアートスクールを卒業。Mitek や Staalplaat といったレーベルからミニマルな電子音楽をリリースする一方、マルチメディア・アーティストとしてウェブデザインなども手がけ、shockwave を使った独特のセンスはTape のサイト自身のサイトでも見ることができる。

Andreas Berthling の兄弟 Johan Berthling は本来ダブルベース奏者で、北欧のプレイヤーらしい素晴らしいテクニックの持ち主。スカンジナヴィアやヨーロッパの即興演奏家と共演する一方、Stina Nordenstam といったシンガーソングライターの作品へも参加する。Tape ではベースには触れず、もっぱらアコースティックギターなどを弾いている。

その Johan Berthling が共同運営するストックホルムの小さなレーベル Häpna から Tape としての初めてのレコーディング作品が届いた。1999年にスタートしたこのレーベルの9作目にしてミュージシャンとして初めて登場。それぞれ全く異なる(ように思っていた)音楽性を持った3人による音は、やや実験色の強いものを予想したりもしたけれど、意外なほど素朴な手触りで、その摩訶不思議さはいかにもこのレーベルらしい佇まいだ。

アコースティックギター、アコーディオン、メロディカなどのアコースティックな楽器の音に、フィールドレコーディングによる音が挟まれ、そこにラップトップによるチリチリという音が浮遊する。グリッチというにはあまりにもナチュラルな、どちらかというと古いレコードがたてる音のようで、電子音でさえアナログな手触りをもって聞こえてくる。

ビート感のない曲はスピード感も押さえられているけれど、確実に、とても静かに時間が流れていく。3人でタペストリーでも作るかのように、音をぱらりぱらりと織り込んでいく。恐らく即興演奏が主体となっている演奏は、ゆらゆらと模様を変化させ、ときおりキラキラと光を反射させるようなとても繊細なもの。

雨音を思わせる音が入っている曲があったりするのだけれど、このアルバムも、あまり暖かくない時期の雨上がりの後のような、冷たくどこまでも澄んだ空気を含んでいる。手触りはとても暖かなのに、どこかとても凛としたところがある。そして、ふと遠い過去の記憶から拾ったような音がどこかに挟まれているような、そんな不思議な感覚も覚える。

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