<< 2002 Vol. 15 (2002/12/26) >>
| Oren Ambarchi | ![]() |
Johan Berthling |
| my days are darker than your nights | ||
| Oren Ambarchi | guitar | Sydney | Australia | 1969 Johan Berthling | harmonium | Stockholm | Sweden | 1973 |
||
| 1999年に Klas Augustsson と Johan Berthling がスウェーデン・ストックホルムで設立したレーベル Häpna から、その当の本人 Johan Berthling がミュージシャンとして初めて登場したのはレーベル9作目、Tape というユニットでのリリースだった。本来はベーシスト、ジャズミュージシャンというより即興演奏家といった感じのプレイヤーで既に多くのリリースがあり、一方でポップ/ロック系のアルバムへの参加や、Tape のようなミニマルな音響物も守備範囲とする。 一方、南半球オーストラリアのシドニー出身で、現代音楽家・ギタリストとして来日もしている Oren Ambarchi も既にヨーロッパのレーベルを中心に様々なレコーディングがあり、特に2001年イギリス Touch レーベルへの "Suspension" は評価が高い(そうだ)。 Häpna レーベルの10作目は、その南と北の若い音楽家2人のコラボレーション。 "My days are darker than your nights" とタイトルされたアルバムには、30分強のトラックが1曲。Oren Ambarchi は彼独特の「抽象的なギター」を弾いていて、Johan Berthling は Tape に続いてベースではなくハーモニウムを弾いている。 ドローンというのか、抽象的な楽器が2つ、わーんと鳴っている。ゆらゆらと揺れるように鳴り続ける音は、時折ふと音を変え、新たにまた鳴り始める。ギターの音はよく聴くといろいろな音が溶け合って1つの大きな響きになっている。どの音色をとっても温かみのある音。黄ばんだ色に鉛筆でデッサンされた昔風の絵のジャケットのように、どこか遠い記憶を辿るような手触りがある。 一体この1曲が始まってからどれくらいの時間が経っただろうか − もしかすると時間が経ったことすら忘れてしまうかもしれない。予想した「張りつめるような緊張感」はあまりなく、むしろ体の表面から静かに浸透してくるようだ。 音が鳴っていることが自然に感じられるようになった頃、絡んでいた2つの楽器ははらりとほどけ、どこかへ吸い込まれるように消えてしまった。音楽が終わった、というより最小音量になったようで、またボリュームを上げると続きが聴こえてきそうな気がした。 |
||
| Recorded by Denny Nilsen in Stockholm on March 22, 2002. Mixed and edited by Johan Berthling and Klas Augustsson. Mastered by Henrik Jonsson at Polar. Drawing by an unknown artist. 2003 | Häpna | Stockholm | Sweden | H.10 |
||
| Oren Ambarchi | ![]() |
SUSPENSION |
| wednesday | vogler | this evening so soon | gene | suspension | as far as the eye can see | ||
| Touch レーベルらしいきれいなジャケットにひかれて手にしたアルバムには、ギターらしからぬギターによる音楽が入っていた。機械を通したエレクトリックな音なのに、とても優しく、温かみがあり、それなのにどこか遠いところの音楽のようで、静かに現れては形を変えて消えていく、ある意味自然の摂理にかなったとでもいうような音響。宇宙的で、少し歪んだ限りなく深遠な音。表のリンゴの写真、裏の緑に覆われた公園、中は夕日に輝いているものの雲に覆われそうな斜めの水平線、トレイ下には無機質な空港で荷物を引いていく人。想像力をかきたてるようで、抽象的なような不思議な音楽。 | ||
| Guitar recorded in 2000 at jerker house & big jesus burger Mastered @ Country by Denis Blackham. Photography: Jon Wozencroft. 2001 | Touch | London | T33.18 |
||