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PAN SONIC
Mika Vainio & Ilpo Väisänen
KESTO (234.48:4)
Pan Sonic の "Aaltopiiri"(2001) 以来となる5作目 "Kesto" は、何と4枚組ボックスというボリュームでのリリース。1995年のデビュー作 "Vakio" あたりからすると前作はそのミニマルな音に色が付いた印象で、その前作から3年、4枚組という形も、写真をあしらったアートワーク(これまで単色にロゴばかりだった)、それに音そのものも、もはや「ミニマル」と言えないほどに変化を遂げた。尚、アルバムタイトル "Kesto" は "strength" や "duration" といった意味だそうだ。

※ 前作までの作品とグループについては > scrapbook 2002 vol. 7


CD 1 (50'36)
01. RÄHINÄ I / MAYHEM I
02. MUTAAATTORI / MUTATOR
03. ONKALO / CAVITY
04. PAKOISVOIMA / FUGALFORCE
05. LOUHI
06. RÄHINÄ II / MAYHEM II
07. TIIMU / HALTER
08. KESKEISVOIMA / CENTRAL FORCE
09. VÄHENTAJÄ / DIMINISHER
10. RÄHINÄ III / MAYHEM III
11. LAUTTURI / RAFTER
12. PAINOVOIMA / GRAVITY
1曲目の冒頭、大音量ノイズにまずはびっくりしてボリュームを少し下げた。とすぐに Pan Sonic らしいあの心地よいビートが入ってくるけれど、それでもこのディスクはノイジーな音に溢れている。前作 "Aaltopiiri" で、その「色」がついた音を相当な変化だと感じていたリスナーには、ものすごいカウンターパンチだ。ビートもパワフルにぐいぐい押してくるようで、随分とにぎやかでアグレッシブ。終盤、#11と12 あたりは次の CD2 につなげるかのように少しクールダウンする。
01. ETÄISYYS / DISTANCE
02. KONNAT / TOADS
03. VIRTAMUUNTAJA / CURRENT-TRANSFORMER
04. TASMANIA
05. JOHTO 5. / CABLE 5.
06. VALOMUUNTAJA / LIGHT-TRANSFORMER
07. ROUTA-OLIO / GROUNDFROST-BEING
08. SYKKIVÄ/ THROBBING
09. ALTISTUS / EXPOSURE
10. TELEMIITTIT / TELEMITES
11. PROSPEKT VERNATSKOGO
12 ARKTINEN / ARCTIC


CD 2 (49'43)
前作 "Aaltopiiri" でみせた、無機質なビートに淡く色をつけた音はこの CD2 に引き継がれている。CD1のノイズは大半がきれいに消し去られ、透明で硬質な音が支配する。様々な音が次々に登場しては消え、その一つ一つの音がなかなか面白い動きと表情を持っている。最終トラック、タイトルどおりとても北方的な雰囲気を湛えた、沈み込むようなビートの曲が圧巻だ。そのビートが、時折スネアドラムを叩いているかのようにも聞こえ、無機質なビートが特徴だった彼らの音楽に若干有機的な要素を見出すのは驚きだ。


CD 3 (73'10)
01. VIEMÄRIMAAILMA / SEWAGEWORLD
02. KÄYTÄVÄ / CORRIDOR
03. ILMENEMISMUOTO / APPEARANCEFORM
04. PAKKASEN HOLVIT / ARCHES OF FROST
05. SELITTÄMÄTÖN / INEXPLICABLE
06. ILMA / AIR
07. KOLJAN UNI / SLEEP OF HADDOCK
08. LINJAT / LINES
いきなりトイレの水を流すような音で始まるこの CD3 はかなり様々な曲で構成されているが、共通するのはあのビートが全くないという点。大音量のノイズが空間を曲げたかと思えば突然静かになってしまったりする。効果音、というにはあまりにも鋭角的だけれど、どことなく架空の映像作品のサウンドトラックを聴いているような感覚も覚える。CD1〜3を通していずれも終盤に少し種類の異なる曲が挟まれるが、この CD3 の #8 も、そのタイトルのように数本の線のような電子音が交わったり離れたりする面白いトラックだ。
01. SÄTEILY / RADIATION

CD 4 (61'16)
トータル234分にも及ぶ大作の最終トラックは61分の "Radiation" とタイトルされた曲。ビートはなく、アンビエントな音響が、ゆらりゆらりと漂う。ちょうど今年、内容のコンセプトは全く異なるが、やはり4枚組のボックスをリリースしたノルウェーの Deathprod こと Helge Sten の世界をふと思い起こさせる。ただ、こちらの Pan Sonic のほうがずっとはっきりとした輪郭を持ち、その揺れもどことなく確信を持って揺らいでいるかのようだ。

>> http://www.mute.com/pansonic/
>> http://www.phinnweb.org/panasonic/

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