TimoとTuomoのSuomalainen兄弟の設計で1969年に完成したテンペリアウキオ教会。

ヘルシンキの街中、住宅街の中にある。外から見たら、住宅街の一区画だけ家がなく小さな岩山がある、そんな風情。中央のドームは全く目立たない。周囲の道路にずらっとロシアナンバーの大型観光バスが停まっていなければそれとは気づかないかもしれない。

入り口は狭くて暗いが、中に入ると壁も柱もない大きな空間が広がり、天井から自然光が差し込む。岩をくり抜いて作られているため、なんとも面白い造形だ。ゆるく階段状になっている座席のどこに座るかで形がガラリと違って見える。私が訪れたのは昼を挟んで2度で、真夏の光が真上から差していたが、時間帯によってどんな表情を見せるのだろう。

風変わりな教会でもパイプオルガンは備えられているが、この教会には鐘はない。その代わり、フィンランドの作曲家 Taneli Kuusisto が作曲した鐘の音がスピーカーを通して教会の外に流されている、というのが、もしかしたらこの教会の一番風変わりなことかもしれない。

2009-07-10 / Helsinki, Finland (ヘルシンキ、フィンランド) / Nikon D300 / 14-24mm F2.8 / 14mm / F8 / 1/30s