2010年に続き、2013年に南ノルウェーの街クリスティアンサンで行われるPunkt Festivalを再訪した。当初、Maja Ratkje は2010年同様ライブ・リミックスを行う予定だったが、プログラムの変更により通常の演奏をする側に。

Maja Ratkjeのボイスパフォーマンスといえば相当に前衛的だが、意表を突くかのようにこの日は美しい声とエレクトロニクスを絡めたものから始まった。そして、少しずつエレクトロニクスによるノイズが強められていく、その展開はとても自然で、見事な構成だった。

Maja Ratkje の演奏の後、このフェスティバル恒例の他のアーティストによるライブ・リミックスが行われたが、こちらはまったくダメダメだった(ライブ・リミックスを行ったアーティストの名前は伏せておく・・・当然ながら Maja Ratkje に責任はなし)。

そのライブ・リミックスのグダグダを救ったのが、フェスティバルを通してライティングとビデオを担当している Tord Knudsen。Maja Rakje の演奏の時も背後に映像が流されており、この写真も濃いブラウンの髪がブロンドのように輝き、顔には映像が映っている。その場でビデオ撮影された映像をコンピューターでアレンジして映すなど、ライブ・リミックスと似たコンセプトで、実に上手く音楽をバックアップしていた。

前回2010年にこのフェスティバルを訪れた時にはなかったヴィジュアルを絡めたステージやイベントはこのフェスティバルの間口を良い意味で広げているように思えた。一方で、フェスティバルの回数を重ねていくことにより様々な課題も出てきており、かじ取りが今後を大きく左右していくだろうと思われた。

2013-09-07 / Punkt Festival “Kick Scene”, Kristiansand, Norway / Nikon D4 / 70-200mm F2.8 / 175mm / F4.0 / 1/80s